
症例 CASE
幹細胞治療 症例14 あれだけつらかった夜の痛みが、今ではほとんど気になりません(60代 女性)

患者様情報
患者様は、数年前から左ひざの痛みを繰り返しており、良くなったり悪くなったりを何度も経験されてきました。痛みが強いときには、近くの整形外科でヒアルロン酸(HA)注射を受けてこられましたが、ここ2年ほどは注射の効果をほとんど感じられなくなったとのことです。
初期の頃は歩行中など、動いているときに痛みを感じていたそうですが、最近では夜間の痛みが強く、寝ているときや車の運転中など動かしていない状態でも、特に左ひざの内側に鋭い痛みを感じるようになっています。この夜間痛により睡眠も妨げられ、慢性的な疲労感にもつながっている様子です。
整形外科では「ひざの軟骨がすり減っていることが痛みの原因」と説明されており、ご本人も最近になって内側の骨が盛り上がってきたような違和感を感じているとのことです。水が溜まっているような腫れは見られていませんが、関節の変形が進行している可能性が疑われます。
ご自身でもYouTubeなどを参考に、ひざに枕を挟んで寝るなどの工夫をされてきましたが、改善には至っていません。腰の状態も悪く、仰向けで寝ることができないため、睡眠時の姿勢にも苦慮されていました。
今年の春ごろから痛みが急に強くなり、湿布や温熱などの対処も試みてきましたが、なかなか効果が得られず、「何か他に良い方法はないか」と調べていた中で、当院のホームページをご覧になり、お問い合わせいただきました。
MRI所見
変形性膝関節症 グレード2
内側半月板断裂
外側半月板は変性断裂を認める
内外側に骨棘
軟骨擦り減り(内>外)
治療
治療内容 | 両膝 幹細胞5000万2回+PRP1回 |
治療期間 | 3か月 |
患者様の声
この間の注射を受けてから、とても調子が良くなりました。PRPをしてからは、まったく痛みが出ない日もあるほどです。
幹細胞注射の後も、1回目より2回目のほうが反応が軽く、違和感もほとんどなく過ごせました。治療を受けてから、日によって多少の波はあるものの、普段の生活で大きな支障を感じることはありません。
以前は「痛っ」と声が出るような鋭い痛みがありましたが、今では「少し痛いな」と思う程度で済んでいます。階段の降りるときに感じていた不安も、今は解消しています。
「両ひざとも治療して本当によかった」と感じています。
治療前後の評価
痛みスコア(VAS) 両膝 | 治療前 10/70 → 治療後 14/36 |
膝関節評価スコア(KOOS) | 治療前 324 → 治療後 398 |
VAS:0がまったく痛くない状態、100が最も痛い状態
KOOS:日常生活動作、痛み、生活の質、症状、運動機能という5項目から、膝の状態を評価することができる指標。各項目100点で合計500点
医師の見解
患者様は、数年来にわたり左ひざの痛みに悩まされ、ヒアルロン酸注射などの保存療法を続けてこられましたが、近年は効果を実感できず、夜間痛や日常生活への支障が強くなっていたことから、再生医療をご選択いただきました。
MRI検査では変形性膝関節症グレード2に加え、両側の半月板断裂や軟骨摩耗、骨棘形成がみられ、進行性の関節変性がうかがえましたが、両膝に対してPRP治療(1回)と幹細胞治療(2回)を行った結果、3か月後にはVASスコアおよびKOOSスコアのいずれも明らかな改善が確認できました。特に痛みスコアでは、日常生活における負担の軽減が数字にも表れており、当院としても非常に喜ばしく感じております。
患者様ご自身も「まったく痛みが出ない日もある」「注射を受けてからとても調子が良い」と体感されており、階段の昇降や歩行など、以前困難だった動作がスムーズになってきたとのお話も伺えました。治療後もゴルフや雪かきなどの活動を続けながら、大きな後遺症や痛みの再発なく経過されている点からも、再生医療の有効性が裏付けられる経過と考えています。
今後もリハビリを継続していただきながら、関節機能のさらなる安定化と症状のコントロールを目指してまいります。両膝に対して治療を受けられた判断が功を奏し、今後もご自身のペースで安心して活動を楽しんでいただけることを心より願っております。
[治療費]
関節1部位
PRP 投与回数(1回~3回) 22~55万円(税込)
幹細胞数(2500万個~1億個) 投与回数(1回~3回) 99~429万円(税込)
[起こりうる副作用]
細胞採取部の内出血や創部感染、また注射時の刺入部疼痛、末梢神経損傷などが起こる可能性があります。
症状によりMRIやエコーなどの検査を受けて頂く事があります。


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