患者様情報

患者様は、左膝の半月板について過去に手術が必要といわれたことがありましたが、症状が改善したため約10年間放置していました。その間、右膝の膝蓋骨骨折や左手首の骨折で手術を受けた既往があります。

今年の春頃から左膝の痛みが再び強くなり、近隣の整形外科にてリハビリとヒアルロン酸注射を継続していました。しかし十分な改善は得られず、最近では痛みが強くなり、昨日からは体重をかけられず歩行が困難となっています。

また、習い事（折り紙）を通じて「再生医療を受けて元気に過ごしている人がいる」という話を耳にし、治療に関心を持つようになったとのことです。ただし治療費が高額と聞き、具体的な内容までは把握されていません。

骨粗しょう症の治療として注射を受けた際には一時的に膝の痛みが和らぎましたが、習い事先が3階にあり、階段の昇降を繰り返したことで再び痛みが増強しました。これにより当院を受診されました。

MRI所見

変形性膝関節症　グレード3

内側半月板はほぼ消失
外側半月板は変性断裂を認める
内外側に骨棘
軟骨擦り減り（内＞外）
関節内に関節液貯留を認める

治療

治療内容	両膝　幹細胞5000万1回＋PRP3回
治療期間	4か月

患者様の声

PRP治療1か月後
「治療を受けてから膝の痛みがすっかりなくなり、日常生活で困ることがなくなりました。本当に楽になったと感じています。ときどき段差でガクッとなったり、振り返ったときに痛みを感じることはありますが、普段は痛みを気にせず過ごせるようになりました。痛みがないことが、こんなに嬉しいものなのだと改めて実感しています。」

幹細胞治療1か月後
「さらに歩くのが楽になり、普通のスピードでさっさと歩けるようになりました。痛かった頃は足をかばってゆっくり歩いていましたが、今はそうしたことがなくなりました。主人からも『歩くの早くなったな』と言われるほどです。階段を降りるときは手すりを使っていますが、痛みはまったくありません。治療を受けて本当に良かったと感じています。」

幹細胞治療3か月後
「おかげさまで、とても調子が良いです。以前は歩くと痛みが出ていましたが、今ではそうした痛みはありません。食事に出かけたり外出をしても痛みに悩まされることがなく、本当に助かっています。痛みのない生活が戻ってきて、嬉しく思っています。」

治療前後の評価

痛みスコア（VAS）　両膝	治療前 30/80　→　治療後 0/0
膝関節評価スコア（KOOS）	治療直後 173　→　治療後 438

VAS：0がまったく痛くない状態、100が最も痛い状態
KOOS：日常生活動作、痛み、生活の質、症状、運動機能という５項目から、膝の状態を評価することができる指標。各項目100点で合計500点

医師の見解

患者様は、長年にわたり膝の問題を抱えてこられ、ヒアルロン酸注射やリハビリでは十分な改善が得られず、歩くことも難しい状態にまで進んでいました。初めて受診されたときには強い痛みで足をつけられず、日常生活にも大きな支障をきたしておられましたが、PRP注射の後から徐々に痛みが軽くなり、幹細胞治療を重ねることでさらに歩行の安定と生活の質の改善が得られています。膝関節評価スコア（KOOS）でも、痛みや日常生活動作、レクリエーションの項目で大きく改善がみられ、VASも0まで低下しました。ご本人から「痛みがないのが本当に嬉しい」と何度もお言葉をいただけたことは、医師としても大変喜ばしいことです。

痛みのためにあきらめていた外出や趣味も再び楽しめるようになり、生活の幅が広がっているご様子を伺うことができ、私も大変うれしく思います。これまでの治療経過からも、PRPでの効果が幹細胞治療の良い反応につながっていることが確認できました。今後も膝の状態を見守りながら、より安定した関節機能を維持できるようサポートしていきたいと考えています。痛みのない生活を取り戻されたことを心から喜び、これからも安心して日常生活を送っていただけるように引き続き寄り添ってまいります。

［治療費］
関節1部位　
PRP　投与回数（1回～3回）　22～55万円(税込)
幹細胞数（2500万個～1億個）　投与回数（1回～3回）　99～429万円(税込)
［起こりうる副作用］
細胞採取部の内出血や創部感染、また注射時の刺入部疼痛、末梢神経損傷などが起こる可能性があります。
症状によりMRIやエコーなどの検査を受けて頂く事があります。