症例 CASE
幹細胞治療 症例20 膝のギシギシ感がなくなって、漁の仕事も安心して続けられています(70代 男性)


患者様情報
今回ご紹介するのは、根室市からご相談に来られた70代の男性患者様です。ご職業は漁業で、両膝に不安を感じておられますが、特に左膝の症状を強く気にされていました。
患者様ご本人は、痛みはほとんど感じていませんが、膝を曲げると「骨がこすれるような音」や「きしむ感覚」があるとのことです。ご家族に膝の手術歴があり、ご自身も2年前に半月板の一部を切除する手術を受けられています。そのため、変形性膝関節症の進行を心配され、できるだけ早く再生医療(幹細胞治療)を受けたいと希望されています。
診察では、MRI上で両膝に変形性膝関節症(KL分類で2〜3度)の所見を認めました。可動域は左右ともほぼ保たれており(右膝:10〜125度、左膝:10〜130度)、安静時の痛みや歩行時の痛みはありませんでした。日常生活上では「曲げるときに骨がぶつかる感じ」が気になる程度で、VASスコアは0でした。
再生医療は「痛みがある場合」だけでなく、「進行を抑えたい」「これ以上悪化させたくない」という場合にも適応になることがあります。そのため、今回の患者様のように痛みが軽い段階でも治療は可能です。
MRI所見
変形性膝関節症 グレード3
内側半月板損傷
内外側に骨棘
軟骨擦り減り(内>外)
関節内に関節液貯留を認める
治療
| 治療内容 | 両膝 幹細胞1億2回+PRP1回 |
| 治療期間 | 3か月 |
患者様の声
幹細胞注射から3か月後
「今はまったく痛みがなく、調子もとてもいいです。前にあった痛みも数日で治まりました。仕事をしていても痛みを感じることはありません。忙しくてリハビリはできていませんが、予備の幹細胞も注入したいと思っています。ただ、次に時間が取れるのは5月末か10月頃になりそうです。」
幹細胞注射から5か月後
「調子が良いので、さらに追加で幹細胞を注入すればもっと良くなるのではないかと思い、追加治療を希望しています。膝をねじったときに少し痛みが出ることはありますが、階段の上り下りで感じていた“ギシギシ感”はなくなりました。日常生活の中での痛みや違和感、骨がぶつかるような感じもまったくありません。」
治療前後の評価
| 痛みスコア(VAS) 左膝 | 治療前0 → 治療後 0 |
| 膝関節評価スコア(KOOS) | 治療直後 373 → 治療後 414 |
VAS:0がまったく痛くない状態、100が最も痛い状態
KOOS:日常生活動作、痛み、生活の質、症状、運動機能という5項目から、膝の状態を評価することができる指標。各項目100点で合計500点
医師の見解
この患者様は、過去に半月板切除術を受けられ、両膝(特に左膝)に変形性膝関節症の所見がありました。ご来院時には強い痛みはなく、膝を曲げるときに骨がこすれるような「きしむ感覚」を気にされていました。人工関節を避けたい、できるだけ早い段階で自分の膝を守りたいというお気持ちから、幹細胞治療を選択されました。
幹細胞注射後は経過とともに膝の状態が改善し、3か月後には「痛みがまったくない」とおっしゃっていただき、漁業のお仕事中も支障なく過ごせているとのことでした。さらに5か月後には、階段でのギシギシ感や日常生活での違和感がなくなり、膝関節評価スコア(KOOS)も373から414へと改善しており、治療効果が数値的にも確認できています。
現在は膝をねじる動作で軽い痛みが残ることがありますが、生活全般においては快適に過ごせていることを、私自身も大変嬉しく感じています。追加の幹細胞注入をご希望されており、さらに関節機能の安定と長期的な改善が期待できます。
漁業という体を酷使するお仕事を続けながらも、痛みに悩まされずに日常生活を送れていることは、治療の大きな成果だと考えています。今後も膝のケアを続けながら、より充実した生活を送っていただけるようしっかりとサポートしてまいります。
[治療費]
関節1部位
PRP 投与回数(1回~3回) 22~55万円(税込)
幹細胞数(2500万個~1億個) 投与回数(1回~3回) 99~429万円(税込)
[起こりうる副作用]
細胞採取部の内出血や創部感染、また注射時の刺入部疼痛、末梢神経損傷などが起こる可能性があります。
症状によりMRIやエコーなどの検査を受けて頂く事があります。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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