症例 CASE
幹細胞治療 症例24 手術も勧められていた膝の痛みが和らぎ、もう一度旅行に行きたいと思えるようになりました(70代 女性)

患者様情報
患者様は70代の女性です。5月頃、段差のある階段を下りたことをきっかけに、膝の痛みが出現しました。
その後、他院を受診し、ヒアルロン酸注射を6回受けましたが、痛みの改善はみられませんでした。MRI検査も受けており、「ヒアルロン酸注射で改善しない場合は、手術も検討したほうがよい」と説明を受けていました。
以前から当院のチラシを2回ほど目にし、再生医療について気になっていたことに加え、10月1日に開催した当院の講演会に参加されたことをきっかけに受診されました。
ご家族には医療従事者が多く、初診時には歯科医師であるご主人も同席されました。これまでの治療経過や画像所見を確認し、現在の膝の状態と今後考えられる治療方法について詳しくご説明しました。
MRI所見
右変形性膝関節症 グレード3
内側半月板は変性断裂を認める
内外側に骨棘
軟骨擦り減り(内>外)
前十字靭帯やや非薄化
治療
| 治療内容 | 両膝 幹細胞5000万3回+PRP3回 |
| 治療期間 | 5か月 |
患者様の声
幹細胞を注射した後は、膝に少し強めの痛みが出ました。ただ、注射から1か月ほど経つと、以前より痛みが軽くなってきたと感じました。周囲からも「歩き方が良くなった」と言われるようになりました。
右膝にはまだ腫れが残っていましたが、週2回のプール通いを続け、時間があるときにはできるだけリハビリにも取り組みました。以前に受けた注射では、今回のような注射後の痛みがほとんどなかったため、そのときどきで反応が異なるのだと感じました。
注射から3か月が経つ頃には、膝の痛みはかなり改善しました。以前は足を引きずって歩いていましたが、友人から「今は全く引きずっていない」と言われました。
また、以前は難しかった階段も普通に下りられるようになり、その様子を見た夫も驚いていました。昨年は膝の痛みのために旅行を中止しましたが、現在は再び旅行に行きたいという気持ちが出てきて、旅行も予約しました。
治療前後の評価
| 痛みスコア(VAS) 両膝 | 治療前 76/5 → 治療後 13/0 |
| 歩行テスト(TUG) | 治療前 10.4 → 治療後 9.3 |
| 膝関節評価スコア(KOOS) | 治療直後 282 → 治療後 382 |
VAS:0がまったく痛くない状態、100が最も痛い状態
KOOS:日常生活動作、痛み、生活の質、症状、運動機能という5項目から、膝の状態を評価することができる指標。各項目100点で合計500点
医師の見解
本症例は、段差のある階段を下りたことをきっかけに膝の痛みが出現し、他院でヒアルロン酸注射を6回受けても十分な改善が得られず、手術も選択肢として説明されていた患者様です。MRIでは、右膝にグレード3の変形性膝関節症を認め、内側半月板の変性断裂や軟骨の摩耗、骨棘形成など、複数の変性所見が確認されました。
初診時にはご主人にも同席いただき、これまでの治療経過や画像所見を踏まえ、現在の膝の状態と治療の選択肢について詳しくご説明しました。そのうえで、患者様ご自身が十分に検討され、両膝に対する幹細胞治療とPRP治療を選択されました。
幹細胞注射後には一時的にやや強い反応痛がみられましたが、治療後1か月頃から徐々に痛みが軽減し、歩き方についても周囲の方から改善を指摘されるようになりました。治療後3か月には、以前みられていた足を引きずる歩き方がほとんどなくなり、階段を通常どおり下りられるようになるなど、日常生活における明らかな変化がみられています。
客観的な評価でも、痛みの指標であるVASは両膝とも大きく改善し、歩行能力を評価するTUGも10.4秒から9.3秒へ短縮しました。KOOSについても、治療前の282点から治療後には382点へ上昇しており、痛みだけでなく、症状、日常生活動作、活動性、膝に関連する生活の質まで、全体的な改善が認められています。
特に印象的だったのは、昨年は膝の痛みのために旅行を中止されていた患者様が、治療後には再び旅行を予約されるまでに前向きな気持ちを取り戻されたことです。膝の痛みが軽くなるだけでなく、「また出かけたい」「これまで諦めていたことに挑戦したい」と思っていただけたことを、担当医として大変うれしく感じています。
患者様ご自身が、週2回のプールや日々のリハビリに継続して取り組まれたことも、今回の改善を支えた大切な要因と考えています。一方で、変形性膝関節症や半月板の変性そのものが完全になくなったわけではなく、右膝の腫れなど、今後も経過をみていく必要がある症状は残っています。
これからも膝への過度な負担を避けながら、無理のない運動とリハビリを継続し、さらに安定した状態を目指していきたいと考えています。今回得られた改善を長く維持し、予定されている旅行を安心して楽しんでいただけるよう、今後も患者様の膝の状態に寄り添いながら丁寧に診療を続けてまいります。
[治療費]
関節1部位
PRP 投与回数(1回~3回) 22~55万円(税込)
幹細胞数(2500万個~1億個) 投与回数(1回~3回) 99~429万円(税込)
[起こりうる副作用]
細胞採取部の内出血や創部感染、また注射時の刺入部疼痛、末梢神経損傷などが起こる可能性があります。
症状によりMRIやエコーなどの検査を受けて頂く事があります。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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