コラム COLUMN
膝 膝の内側が痛い!その原因は?
膝の内側の痛みは、複数の原因によって引き起こされることがありますが、主な疾患には鵞足炎、変形性膝関節症、半月板損傷があります。それぞれの疾患の特徴、原因、症状、治療方法について詳しく見ていきましょう。
鵞足炎
鵞足炎は、膝の内側に位置する鵞足(がそく)と呼ばれる部位に炎症が生じる疾患です。鵞足とは、膝の内側下方の脛骨に、縫工筋、半腱様筋、薄筋の3つの筋肉の腱が集まって付着している部位を指します。この部位にある滑液包に炎症が起こることで、鵞足炎が発症します。滑液包は、関節の動きをスムーズにするために存在する小さな袋で、この部分に炎症が起こると、膝の内側に痛みや腫れ、熱感を引き起こします。
鵞足炎の主な原因は、過度の運動や不適切な運動フォーム、肥満、O脚などの構造的問題によるものです。治療としては、安静にすること、冷却、抗炎症薬の使用、理学療法などが一般的です。また、原因に応じた運動療法や体重管理、運動フォームの改善などが重要です。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝関節を構成する軟骨がすり減り、膝関節に炎症が生じる疾患です。軟骨のすり減りにより、骨同士が直接接触しやすくなり、痛みや腫れ、動きの制限が生じます。加齢による自然な軟骨の劣化、過度の体重負荷、運動による関節への負担、過去の膝の怪我などが主な原因として挙げられます。
治療方法には、ヒアルロン酸注射、薬物療法(痛み止めや抗炎症薬)、理学療法、運動療法、体重管理などがあります。症状が重度の場合には人工関節置換術などの手術が選択されます。
半月板損傷
半月板損傷は、膝関節内の半月板と呼ばれる組織が損傷することで起こります。半月板は、膝関節のクッションとしての役割を果たしており、この部分が損傷すると、膝の痛み、腫れ、運動時の違和感などが生じます。半月板損傷の原因には、スポーツ中の急な方向転換や、膝への直接的な衝撃、加齢による半月板の劣化などがあります。特に、バスケットボールやサッカー、スキーなどのスポーツをしている人に多く見られます。
半月板損傷の診断は、MRI検査によって行われることが多く、損傷の程度によって治療法が異なります。軽度の損傷であれば、安静にしたり、物理療法、ストレッチ、筋力トレーニングを行うことで改善が見られる場合があります。しかし、重度の損傷や、保存的治療による改善が見られない場合には、関節鏡を用いた手術が必要になることがあります。手術では、損傷した半月板を部分的に切除したり、必要に応じて修復する処置が行われます。
半月板損傷の場合、適切な治療を行わないと、痛みが慢性化したり、将来的に変形性膝関節症を発症するリスクが高まることがあります。そのため、膝に痛みや違和感を感じた場合には、早めに医療機関を受診することが重要です。
まとめ
膝の内側の痛みを引き起こす鵞足炎、変形性膝関節症、半月板損傷は、それぞれ原因と症状が異なり、適切な診断と治療が必要です。これらの疾患は、放置すると症状が悪化したり、他の関節疾患を引き起こす可能性があるため、早期の治療が望ましいです。日常生活での予防としては、適度な運動、適切な体重管理、正しい姿勢やフォームでのスポーツ活動などが重要です。また、痛みや違和感がある場合には無理をせず、専門医の診察を受けることをお勧めします。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
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