コラム COLUMN
膝 膝裏の筋が痛い原因は?
膝の裏が痛くなる経験をしたことがある人は少なくないでしょう。この痛みは、日常生活や運動に支障をきたすことがあります。この記事では、膝裏の痛みの原因と考えられる病気、そしてその対処法についてわかりやすく解説します。
膝裏の筋が痛む原因
膝裏の筋が痛む主な原因は以下の通りです。
ベーカー嚢腫
膝裏がぽっこり腫れている場合、ベーカー嚢腫が考えられます。膝関節内の関節液が過剰に分泌され、滑液包に溜まることで腫瘤が形成される病気です。この症状は膝を曲げた際に痛みや圧迫感を引き起こし、ふくらはぎや太もも裏にも影響を及ぼします。治療法には、保存療法(内服薬や関節液の吸引)や手術療法があります。
変形性膝関節症
膝関節の軟骨がすり減ることで発症する疾患で、高齢者に多く見られます。膝を動かすと「ミシミシ」と音がする、階段の昇り降りが辛いといった症状が特徴です。進行すると膝裏にも痛みが広がることがあります。
半月板損傷
半月板は膝関節内の軟骨組織で、これが損傷すると膝裏に痛みが現れることがあります。スポーツや転倒などの外傷が主な原因で、ロッキング(膝が動かない状態)を伴うこともあります。保存療法または手術療法が必要です。
筋肉や腱の炎症
膝裏の筋肉(ハムストリングス)や腱(膝窩筋)が炎症を起こすことで痛みが生じることがあります。過度な運動や無理な動作が原因で、安静や冷却、ストレッチで改善を目指します。
深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
膝裏の血流が滞り、血栓が形成される病気です。片足の腫れや痛み、皮膚の変色が見られる場合、早急な治療が必要です。
後十字靭帯損傷
スポーツや交通事故で膝を強打した際に、後十字靭帯が損傷し膝裏に痛みを感じることがあります。靭帯の損傷により膝の安定性が失われるため、適切なリハビリや手術が必要です。
膝裏の筋が痛むときの対処法
- 安静
膝への負担を避け、痛みが引くまで安静にします。
- 冷却
炎症を和らげるため、膝裏を冷却します。氷嚢を使用し、10分程度冷やすと効果的です。
- ストレッチ
軽度の痛みにはストレッチが有効です。腓腹筋や大腿二頭筋をゆっくり伸ばすことで筋肉の柔軟性を向上させます。
- 医療機関の受診
症状が改善しない場合や痛みが強い場合は、整形外科を受診し、原因の特定と治療を受けましょう。MRI検査が有効です。
痛みを予防するために
膝裏の筋の痛みを防ぐには、以下の点に注意しましょう。
- 適度な運動で膝周りの筋力を鍛える
- 長時間の同じ姿勢を避ける
- 運動前のストレッチを欠かさない
- 体重を適正に保つ
まとめ
膝裏の筋が痛む原因には、ベーカー嚢腫や変形性膝関節症、筋肉や腱の炎症など多岐にわたります。放置せず早期に適切な対処をすることで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。痛みが続く場合は、専門医の診断を受けることをお勧めします。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
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