コラム COLUMN
膝の痛み膝 膝を伸ばすと痛い!原因は?
膝を伸ばした際に痛みを感じることは、多くの方が経験する症状です。この痛みの原因はさまざまで、加齢や運動習慣、怪我などが関係していることが多いです。今回は、足を伸ばすと痛む原因について、考えられる病気や治療法、さらに予防のための対策をご紹介します。
膝を伸ばすと痛いときに考えられる病気
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減り、炎症が起きることで痛みが生じる病気です。主に60歳以上の人に多く見られます。軟骨が減少することで、関節に直接負荷がかかり、炎症や痛みを引き起こします。この疾患は進行性であり、放置すると歩行や日常動作が困難になることがあります。
症状
- 膝を伸ばすと痛む
- 動き始めに痛みを感じる
- 膝が腫れることがある
- 階段の昇降がつらい
治療法
変形性膝関節症は早期発見が重要です。軽度の場合は、運動療法や体重管理、鎮痛薬で痛みを和らげます。進行している場合は、ヒアルロン酸注射や関節鏡手術、人工関節置換術が行われます。
半月板損傷
半月板は膝関節の内側と外側にある軟骨組織で、膝のクッションとして機能します。スポーツや過度な負荷によってこの半月板が損傷すると、膝を伸ばした際に痛みを感じることがあります。特に、急な動きや衝撃で損傷しやすいです。
症状
- 膝の曲げ伸ばし時に引っかかりを感じる
- 膝が突然動かなくなることがある(ロッキング現象)
- スポーツや激しい動作後に痛みが生じる
治療法
半月板損傷の治療は、安静にして膝への負荷を減らすことが第一です。炎症が強い場合は、鎮痛薬や理学療法が行われます。重症の場合は手術が必要になることもあります。
関節リウマチ
関節リウマチは、自己免疫疾患の一つで、免疫システムが誤って自分の関節を攻撃し、炎症を引き起こす病気です。特に朝に膝や手のこわばりを感じるのが特徴です。膝を伸ばすと強い痛みを伴い、症状が進行すると関節の変形を招くことがあります。
症状
- 膝だけでなく、複数の関節に痛みが現れる
- 朝起きたときに手足がこわばる
- 関節の腫れと激しい痛み
治療法
関節リウマチは早期診断が重要です。抗リウマチ薬やステロイド薬、免疫抑制剤を使って炎症を抑えます。また、運動療法や理学療法も効果的です。
痛風
痛風は、体内に尿酸がたまり、それが結晶化して関節に炎症を起こす疾患です。膝や足の指、手の関節に激しい痛みを伴い、突然の痛みが特徴的です。特に食事や飲酒によって尿酸値が上昇しやすい人に発症しやすいです。
症状
- 膝が突然赤く腫れて激痛が走る
- 足の親指が痛む
- 尿路結石ができることがある
治療法
痛風は、尿酸値を下げるための薬物治療が中心です。また、アルコールや高カロリー食品を控えることも予防の一環です。
ベーカー嚢腫(膝裏の腫れ)
膝の裏に嚢腫(のうしゅ)ができると、膝を伸ばす動作で痛みや圧迫感が生じることがあります。ベーカー嚢腫は、膝関節の炎症により関節液が過剰に分泌され、それが膝裏にたまって腫れを生じる病気です。
症状
- 膝裏が腫れ、膨らんでいる
- 膝を曲げるときに違和感がある
- 膝裏のしこりや痛み
治療法
嚢腫は通常、自然に消えることがありますが、痛みが強い場合は穿刺(せんし)による排液や手術が検討されることもあります。
膝を伸ばすと痛い時の対処法
痛みを感じた場合、まずは無理せず安静を保つことが大切です。さらに、以下のセルフケアが効果的です。
1.冷却と温熱療法
急性の痛みがある場合は、冷やすことで炎症を抑えることができます。慢性の痛みや硬さを感じる場合は、温めて血流を促進し、筋肉や関節をほぐしましょう。
2.ストレッチと軽い運動
膝を無理に動かさず、適度なストレッチや軽い運動を行うことで、関節の柔軟性を保つことができます。膝周りの筋肉を強化することで、膝への負担を軽減できます。
3.体重管理
体重が増加すると、膝への負担が大きくなります。適正体重を維持することが、膝の健康を保つためには不可欠です。
まとめ
足を伸ばすと痛い原因は、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチなどさまざまな病気が考えられます。これらの疾患は早期に発見し、適切な治療を行うことで、症状の進行を防ぐことができます。痛みを感じたら、早めに整形外科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。また、セルフケアや生活習慣の見直しも痛みの予防に効果的です。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
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