
コラム COLUMN
膝 正座や階段がつらい…それ、関節のサインかも?

「ちょっとした痛み」放っていませんか?
「最近、正座がしづらくなった」「階段の上り下りが以前よりつらい」と感じることはありませんか?年齢のせいかなとそのままにしている方も多いかもしれませんが、実はそれ、関節からのサインかもしれません。特にひざ関節は、日常生活のなかで大きな負担がかかる部位。放置することで、変形性膝関節症などの進行性の疾患に繋がることもあります。この記事では、正座や階段がつらくなる原因やその背景にある関節の病気、治療法についてわかりやすく解説します。
正座や階段がつらいのはなぜ?|症状の背景を知ろう
正座や階段の動作では、ひざの曲げ伸ばしが深く関わってきます。特に階段の下りでは、ひざにかかる負担は平地歩行の3倍以上ともいわれています。これらの動作で「痛い」「重だるい」「違和感がある」といった症状がある場合、以下のような関節の異常が隠れている可能性があります。
- 関節軟骨のすり減り(変形性膝関節症)
加齢や過度の負担により、関節内の軟骨が徐々にすり減ってしまい、骨同士が直接擦れ合うことで痛みや炎症が生じます。 - 半月板損傷
関節のクッション役を果たす半月板が傷つくことで、動作時に痛みや引っかかり感が出ることがあります。加齢やひざへの過負荷が原因になることも。 - 関節内の炎症や水腫(関節に水がたまる状態)
違和感や腫れ、可動域の制限が現れ、階段や正座の動作で負担がかかると痛みが強くなる傾向にあります。
見逃されがちな「初期症状」|こんな症状が出ていたら要注意
関節疾患はゆっくり進行することが多く、初期段階では以下のような軽度の症状しか出ないこともあります。
- 朝起きたときにひざがこわばる
- 正座から立ち上がるときにひざがスムーズに伸びない
- 長時間歩いた後にひざの内側が痛む
- 階段を降りるときにひざが抜けそうな感覚がある
これらは「歳のせい」と軽視されがちですが、関節の変化が始まっているサインかもしれません。早期の段階での対応が、症状の進行を食い止めるカギとなります。
放置するとどうなる?|進行すると手術が必要になることも
関節疾患を放置していると、炎症や変形が進行し、次第に日常生活に支障が出てきます。痛みが強くなるだけでなく、関節の動きが制限されたり、歩行が困難になったりすることも。最終的には人工関節置換術などの手術が選択肢に上がるケースも少なくありません。
手術以外にもある治療法|保存療法と再生医療
進行度合いや症状に応じて、さまざまな治療法があります。初期~中期であれば、手術を避ける方法も多数あります。
- 運動療法・リハビリ
ひざ周囲の筋力をつけることで関節への負担を軽減し、痛みの改善を目指します。 - 装具療法・サポーターの使用
関節の安定性を高め、日常生活での負荷を軽減します。 - 注射療法(ヒアルロン酸・PRPなど)
関節内の炎症を抑えたり、自己治癒力を高めたりすることで症状の緩和を図ります。 - 再生医療(幹細胞治療・PRP療法)
近年注目されているのが、患者自身の細胞や血液を活用した治療法です。特にひざ関節では、軟骨の再生や痛みの軽減を期待できることから、手術の前段階として選ばれるケースが増えています。
早めの受診がカギ|関節の痛みは我慢しないで
「まだ我慢できるから」「そのうち治るだろう」と思っているうちに、症状が進行してしまうこともあります。関節の痛みや違和感を感じたら、整形外科や関節専門クリニックでの受診をおすすめします。正しい診断と早期の対処で、痛みを軽減し、これから先も快適な生活を送ることが可能です。
まとめ|関節のサインを見逃さず、将来の健康を守ろう
正座や階段の動作がつらいと感じたら、それは関節からのSOSかもしれません。年齢や運動歴にかかわらず、誰にでも起こりうることです。痛みを我慢するのではなく、今のうちにケアを始めることで、手術を避けて快適な日常を取り戻すことができます。違和感を感じたら、まずは専門医へ相談することが大切です。


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