
コラム COLUMN
再生医療膝 変形性膝関節症の手術以外の治療法|再生医療という選択肢

年齢を重ねるにつれて増える膝の痛み。その中でも多くの方が悩まされるのが「変形性膝関節症」です。進行すると、膝関節の軟骨がすり減り、日常生活に支障をきたすほどの痛みが現れます。重症になると人工関節の手術を勧められることもありますが、「できれば手術は避けたい」と考える方も少なくありません。
本記事では、手術をしないで痛みの改善を目指す保存療法や、近年注目を集めている再生医療についてわかりやすく解説します。
変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症とは、加齢や体重の増加、過去のけがなどにより、膝関節の軟骨がすり減ってしまう病気です。軟骨がすり減ることで骨同士がこすれ合い、炎症や痛み、関節の変形が進んでいきます。
初期では「歩き始めに膝が痛む」「階段の上り下りがつらい」といった症状から始まり、進行すると「安静にしていても痛い」「膝がまっすぐ伸びない」など、日常生活に大きな支障をきたすようになります。
手術以外の治療法とは?
手術以外にも、症状の段階に応じた保存療法が多数存在します。
1. 薬物療法
消炎鎮痛剤(NSAIDs)や外用薬を使って痛みや炎症を抑えます。膝にヒアルロン酸を注射することで、関節の滑りを良くし、痛みを軽減する効果も期待できます。
2. 運動療法・理学療法
関節を支える筋肉(特に太ももの前側:大腿四頭筋)を鍛えることで、膝への負担を軽くする効果があります。専門の理学療法士の指導のもと、無理のない範囲で運動することが大切です。
3. 装具療法
膝への負担を軽減するために、サポーターや足底板(インソール)を使用することもあります。膝の安定性を高めることで、痛みの軽減につながります。
再生医療という新しい選択肢
近年、「手術を回避できるかもしれない新しい治療法」として注目されているのが、再生医療です。再生医療とは、損傷した組織の修復・再生を目指す治療法で、特に膝関節の治療には以下のような方法があります。
PRP療法(多血小板血漿療法)
患者さん自身の血液から抽出した血小板を患部に注射する方法です。血小板には成長因子が多く含まれており、組織の修復を促進します。比較的早期の変形性膝関節症に効果が期待されます。
幹細胞治療
脂肪や骨髄から採取した幹細胞を膝関節に注入することで、軟骨の修復や炎症の抑制を図る治療です。中等度~重度の患者さんにおいても一定の効果が報告されています。
再生医療は、症状の改善だけでなく、関節の状態そのものの再生を目指す治療であり、今後ますますの発展が期待されています。
まとめ
変形性膝関節症=すぐに手術、というわけではありません。痛みの程度や関節の変形の進行具合によって、保存療法や再生医療など、手術以外にも多くの治療選択肢があります。
「まだ手術はしたくない」「なるべく自分の関節を温存したい」とお考えの方は、一度専門の医師に相談し、自分に合った治療法を見つけてみてはいかがでしょうか。


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