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その他膝 鍼灸は膝痛に効く?その仕組みと効果的な活用法

膝の痛みで整形外科にかかる方の中には、「鍼灸は効くのか?」と気になる方も多いのではないでしょうか。薬や手術に頼らず、体に優しい治療法として注目される鍼灸。実際、変形性膝関節症など慢性的な膝痛に対して、鍼灸は一定の効果が報告されています。
本記事では、鍼灸が膝痛にどのように作用するのか、その仕組みや効果的な活用法、整形外科との併用について、わかりやすく解説します。
この記事の内容
鍼灸とは?伝統と現代の融合
鍼灸は、東洋医学における治療法で、皮膚や筋肉に鍼(はり)を刺したり、お灸(きゅう)で温めたりして、体のバランスを整える医療行為です。主に「気・血・水」の流れを整え、自然治癒力を高めることを目的としています。
現代では、痛みの抑制メカニズムや血流改善など、科学的にも作用機序が明らかになりつつあり、整形外科的なアプローチとしても注目されています。
鍼灸が膝痛に効く仕組み
鍼灸が膝痛に作用する仕組みには、以下のような要素が関係しています。
1. 血流の改善
鍼を刺すことで微細な刺激が加わり、筋肉の緊張が緩和されます。それにより、膝周辺の血流が良くなり、炎症性物質の排出が促されます。
2. 神経系への作用
鍼刺激は脳や脊髄に伝わり、痛みを抑制する神経伝達物質(エンドルフィンやセロトニンなど)の分泌を促します。これにより、痛みの感じ方自体が和らぐとされています。
3. 関節周囲筋の緊張緩和
膝関節の動きを支える筋肉のバランスが崩れると、関節に余計な負担がかかります。鍼灸によって筋肉の硬さを改善することで、膝へのストレスを軽減することができます。
どのような膝痛に鍼灸は効果的?
特に鍼灸が効果を発揮しやすい膝の痛みには、以下のようなものがあります。
- 変形性膝関節症(初期〜中期):炎症や筋肉の緊張に対する緩和効果が期待できます。
- 膝の筋膜性疼痛:デスクワークや姿勢不良で筋膜が硬くなっているケースに有効です。
- スポーツによる膝の疲労や違和感:慢性的なオーバーユースに対して回復を助けます。
ただし、強い腫れや熱感、外傷直後、感染の疑いがある場合には鍼灸は避け、まず整形外科的な評価を受ける必要があります。
鍼灸と整形外科の併用は可能?
鍼灸は単独でも活用できますが、整形外科での診断やリハビリと組み合わせることで、より高い相乗効果が期待できます。
たとえば、再生医療やPRP療法のような関節機能の回復を目指す治療と併せて、鍼灸で痛みのコントロールや筋緊張の緩和を図ることで、リハビリの進行もスムーズになることがあります。
医師と鍼灸師が連携しながら治療方針を立てることで、安全かつ効果的に膝痛と向き合うことが可能です。
鍼灸治療の注意点と選び方
鍼灸は国家資格を持つ「はり師」「きゅう師」によって行われます。信頼できる施術者を選ぶためには、以下のポイントが重要です。
- 厚生労働省認可の国家資格を有しているか
- 整形外科的な知識を持っているか
- 清潔な施術環境が整っているか
- 医療機関との連携に理解があるか
また、通院頻度や施術内容についても事前に確認しておくと安心です。
まとめ:膝痛に悩む方へ、鍼灸という選択肢
膝の痛みを改善したいと願う方にとって、鍼灸は「体に優しい治療法」として一つの有力な選択肢です。血流改善、痛みの軽減、筋肉の緩和など多方面に作用するため、慢性的な膝の違和感や痛みに悩む方におすすめです。
再生医療やリハビリと組み合わせることで、より高い治療効果が期待できます。まずは専門医の診断を受けた上で、自分に合った治療法として鍼灸を取り入れてみてはいかがでしょうか。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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