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肩 夜に肩の痛みで眠れない方へ – 原因と対処法

夜に肩が痛くて眠れないというのは非常に辛い経験です。こうした痛みは日中の活動にも影響を及ぼし、生活の質を大幅に低下させることがあります。本記事では、肩の痛みの原因とそれに対する対処法、予防策について詳しく解説します。
肩の痛みの原因と考えられる疾患
1. 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
中高年に多い疾患で、肩の筋肉や腱が炎症を起こし、痛みや動きの制限が生じます。特に夜間痛が特徴的です。
2. 腱板断裂
肩の安定に関わる腱板が断裂すると、激しい痛みと動作時の制限が見られます。MRIなどの精密検査で診断されます。
3. 肩こり
長時間のデスクワークや不適切な姿勢からくる筋肉の緊張が原因で、肩や首周りに痛みを感じます。

対処法
夜間の痛みを和らげるための具体的な方法をご紹介します。
1. 適切な寝姿勢
- 仰向けに寝る場合: 肩と床の隙間にクッションやタオルを挟むことで、肩への圧迫を和らげます。
- 横向きに寝る場合: 痛みの少ない側に寝転がり、痛い肩を上にして枕やクッションで支える。
2. ストレッチとリラクゼーション
- 肩甲骨まわりのストレッチ:肩甲骨を動かすことで周囲の筋肉の緊張がほぐれ、痛みの軽減につながります。
- 軽いマッサージや暖める行為:血流を改善し、筋肉の緊張を和らげます。

3. 痛みの管理
- 市販の鎮痛剤の使用:痛みが強い場合は、医師の診断のもとで適切な鎮痛剤を使用することが推奨されます。
予防法
肩の痛みを予防するために日々行うべきこと。
1. 正しい姿勢を心がける
デスクワークでは、適切な椅子の高さと机の位置で姿勢を正し、こまめにストレッチを行う。
2. 定期的な運動
筋肉の柔軟性を保ち、血流を促進するために、ウォーキングや水泳などの軽い運動を習慣にする。
3. ストレス管理
適度なリラクゼーションや睡眠、趣味の時間を持つことで、心身の緊張をほぐし、肩の痛みの軽減につながります。

病院での治療が必要な場合とは?
セルフケアで改善しない場合や、日常生活に支障が出るほど痛みが強い場合は、整形外科を受診することをおすすめします。
肩のレントゲンやエコー検査、MRIなどで原因を特定し、状態に応じた治療が可能です。
治療法には、消炎鎮痛剤の処方、関節内注射、リハビリテーション、そして近年では**再生医療(PRP治療や幹細胞治療)**も注目されています。
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞をひざ関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。
まとめ
肩の痛みは、生活の質を大きく低下させることがあります。日々のケアと適切な対処法で、夜間の痛みを和らげ、より良い睡眠を取ることが可能です。痛みが続く場合は、医療機関での相談をお勧めします。この記事が夜に肩の痛みで悩む多くの方々への参考になれば幸いです。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)


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