コラム COLUMN
膝 膝の裏が痛い!
膝の裏が痛い主な原因と対処方法
膝の裏の痛みは、日常生活において多くの人が経験する不快な症状の一つです。その原因は多岐にわたり、適切な対処が必要です。
1. ベーカー嚢腫
膝裏がポコッと腫れるベーカー嚢腫は、関節液が過剰に分泌されて形成されます。中高年の女性に多く見られ、膝を曲げる際に痛みや圧迫感を感じることがあります。通常は自然に消えますが、場合によっては医療機関での治療が必要です。
2. 変形性膝関節症
変形性膝関節症は、主に中高年に多い膝の痛みの一般的な原因です。この症状は、膝関節を構成する軟骨が摩耗または劣化することで発生します。軟骨の役割は、膝への衝撃を吸収し、滑らかな動きをサポートすることです。しかし、軟骨がすり減ると、骨と骨が直接触れ合い、痛みや違和感を引き起こします。
症状としては、歩行開始時や階段の昇降時に痛みを感じることが一般的です。進行すると、安静時にも痛みが生じるようになります。また、膝の腫れや「ミシミシ」という音が鳴ることもあります。変形性膝関節症は、加齢による自然な摩耗、肥満による過度の負荷、または以前の膝の怪我などが原因となることがあります。
早期発見と治療により症状の進行を遅らせることが可能です。運動や体重管理、理学療法などが効果的な場合が多く、重度の場合は手術が必要になることもあります。
3. 半月板損傷
怪我や外傷、加齢による変形などが原因で起こる半月板損傷は、膝関節内の軟骨組織の損傷です。日常生活や運動に支障をきたすことがあります。
4. 関節リウマチ
自己免疫系の異常によって関節に炎症を引き起こす関節リウマチは、膝に限らず全身の関節に症状が出ることが特徴です。放置すると関節の機能が失われ、変形してしまう恐れがあります。
5. 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
長時間同じ姿勢を続けることで発症する深部静脈血栓症は、膝裏の痛みの他に、足の腫れや皮膚の変色が現れることがあります。最悪の場合、命に関わる状態になることもあります。
6. 激しい運動による炎症
運動不足の人が急に激しい運動をすると、膝に大きな負荷がかかり炎症を引き起こすことがあります。
7. 反張膝
反張膝は、膝が逆に反る状態を指し、筋力バランスの崩れや姿勢の問題が原因で起こります。
8. 歩行や正座で膝裏の筋が痛む
膝裏の筋肉、特にふくらはぎに繋がっている腓腹筋が原因で、歩行や正座、階段の昇り降りなどで痛みを感じることがあります。特にスポーツなどで膝の裏を伸ばす動作が多い場合、痛みが生じやすいです。
9. 靭帯損傷
スポーツや事故による外部からの強い力が加わることで、膝の靭帯が損傷することがあります。特に後十字靭帯の損傷は、膝を伸ばす際に痛みが生じることが特徴です。
10. 痛風
尿酸値の上昇によって引き起こされる痛風は、主に足の親指に痛みをもたらしますが、膝にも痛みが現れることがあります。特にプリン体が多い食事をした後に発作が起きやすくなります。
対処法と治療
膝裏の痛みが軽度の場合、ストレッチやマッサージなどのセルフケアで改善されることがあります。しかし、痛みが持続する場合や日常生活に影響が出るほどであれば、専門医による診断が必要です。MRI検査などを用いて原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。
まとめ
膝の裏の痛みは、さまざまな原因によって引き起こされます。軽度のものであればセルフケアで改善されることもありますが、症状が続く場合や日常生活に支障をきたす場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。また、健康な生活習慣を保つことも、膝の痛みを予防する上で効果的です。
この記事では、膝の裏の痛みに関連する代表的な病気や症状、対処方法を総合的に紹介しました。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
各種ご相談やご予約はこちら
- ひざの痛みに関する相談
- セカンドオピニオンの相談
- 再生医療に関する相談
- MRI検査のご予約