
コラム COLUMN
スポーツ外傷膝 半月板損傷の初期症状とは?放置のリスクと手術以外の選択肢

膝の痛みを感じたとき、それが「半月板損傷」から来ている可能性があることをご存知でしょうか?特にスポーツや加齢による影響で膝に負担がかかりやすい方にとって、半月板損傷は見逃せない問題です。この記事では、半月板損傷の初期症状や、放置することのリスク、そして手術以外の治療法について、専門医がわかりやすく解説します。
半月板とは?その役割と損傷しやすい理由
膝関節の中には「半月板(はんげつばん)」という軟骨のような組織が左右にあり、クッションのような役割を果たしています。膝にかかる衝撃を吸収し、関節の動きを滑らかに保つために重要な存在です。
しかし、スポーツでの急な方向転換やジャンプ、あるいは年齢とともに進行する劣化によって、この半月板が傷つくことがあります。特に40代以降では、日常の動作でも損傷が起こりやすくなります。
半月板損傷の初期症状とは?
初期段階の半月板損傷では、以下のような症状が見られることがあります。
- 膝の内側や外側に「ズキッ」とした痛みがある
- 階段の昇り降りで膝に違和感がある
- 膝の中で「引っかかり」や「ひっかき音(クリック音)」を感じる
- 膝が突然「ガクッ」となって力が抜けることがある
- 長時間歩いた後や運動後に膝が腫れる
これらの症状は一時的に治まることもありますが、そのまま放置しておくと悪化するリスクがあります。
放置してはいけない理由とは?
半月板の損傷を放置すると、次のような問題が起こる可能性があります。
- 半月板の裂け目が広がり、元に戻りにくくなる
- 軟骨がすり減り、変形性膝関節症へと進行する
- 膝の安定性が低下し、日常生活に支障が出る
- 歩行困難や強い痛みで、手術が必要な状態に進行することも
初期症状が軽くても、早期の対応が将来の手術回避につながることを理解しておくことが重要です。
手術以外の治療法とは?
近年では、半月板損傷に対して手術以外の治療選択肢も広がっています。
1. 保存療法(物理療法・運動療法)
痛みが軽度であれば、まずは安静・冷却・リハビリによって症状を改善させる保存療法が選ばれます。理学療法士の指導のもとで筋力を鍛えることで、膝への負担を減らすことができます。
2. ヒアルロン酸注射
関節内にヒアルロン酸を注射することで、関節の潤滑を良くし、炎症を抑える治療法です。痛みを和らげる効果が期待できますが、効果は一時的であることが多く、繰り返しの施術が必要になります。
3. PRP療法
自分の血液から「成長因子」を取り出して注射する再生医療の一つです。半月板の自然治癒を促進する作用があり、プロアスリートにも使用されています。副作用が少なく、自己治癒力を高めたい方に適しています。
4. 幹細胞治療
近年注目されているのが、自分の脂肪や骨髄から採取した幹細胞を膝関節に注入する治療法です。損傷した組織の修復を促し、再生を目指す治療であり、半月板損傷に対する新しいアプローチとして期待されています。
まとめ:早期発見・早期治療が鍵
半月板損傷は、初期段階での対応がその後の予後を大きく左右します。「膝の違和感くらい…」と軽視せず、少しでも気になる症状があれば、整形外科の受診をおすすめします。
特に手術以外の治療法に興味がある方は、再生医療などの新しい選択肢についても知識を深めておくと良いでしょう。


各種ご相談やご予約はこちら
- ひざの痛みに関する相談
- セカンドオピニオンの相談
- 再生医療に関する相談
- MRI検査のご予約