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膝の痛み膝 突然膝が動かなくなった!ロッキングとは?

膝の「ロッキング」とは、突然膝が動かなくなり、激しい痛みを伴う状態を指します。この現象は、膝関節内の軟骨や骨の一部が関節の隙間に挟まることで発生します。本記事では、ロッキングの原因、症状、診断方法、治療法、予防策について詳しく解説します。
ロッキングの原因
ロッキングを引き起こす主な疾患として、以下の3つが挙げられます。
半月板損傷
半月板は膝関節内でクッションの役割を果たす軟骨組織です。スポーツや事故などで膝をひねる、あるいは強い衝撃を受けることで損傷し、損傷した半月板の一部が関節内に挟まるとロッキングが発生します。
変形性膝関節症
加齢や膝の過度な使用により、関節軟骨がすり減ることで発症する疾患です。軟骨や半月板の破片が関節内に挟まると、ロッキングが起こることがあります。
離断性骨軟骨炎
主に10代の若年層に見られる疾患で、関節内の軟骨が剥がれ落ちることが特徴です。剥がれた軟骨片が関節内に挟まるとロッキングが発生します。
ロッキングの症状
ロッキングの主な症状は以下の通りです。
- 突然の膝の激しい痛み
- 膝が動かなくなる(曲げ伸ばしができない)
- 膝に引っ掛かり感や違和感を感じる
- 膝の腫れや熱感
これらの症状が現れた場合は、早急に医療機関を受診することが重要です。
診断方法
これらの症状が現れた場合は、早急に医療機関を受診することが重要です。
問診と身体検査
医師が症状の経緯や痛みの場所、発生状況などを詳しく聞き取り、膝の動きや安定性を確認します。
画像検査
詳細な診断のために、以下の画像検査が行われることがあります。
- X線検査(レントゲン):骨の状態や関節の隙間を確認します。
- MRI検査:軟骨や半月板などの軟部組織の状態を詳細に把握できます。
- CT検査:骨や関節の詳細な断面画像を得ることができます。
治療法
ロッキングの治療は、症状の程度や原因に応じて異なります。
保存療法
軽度の損傷や症状の場合、以下の保存療法が検討されます。
- 薬物療法:消炎鎮痛剤の服用やヒアルロン酸の関節内注射などで痛みや炎症を抑えます。
- 物理療法:温熱療法や電気治療などで症状の改善を図ります。
- 装具療法:膝のサポーターやテーピングで関節を安定させ、負担を軽減します。
- 運動療法:筋力強化やストレッチを行い、膝周辺の筋肉を鍛えて関節の安定性を高めます。
手術療法
保存療法で効果が見られない場合や、症状が重い場合は手術が検討されます。
- 半月板縫合術:損傷した半月板を縫合して修復する手術です。半月板の機能を維持でき、将来的な変形性膝関節症のリスクを低減できますが、回復までに時間がかかることがあります。
- 半月板切除術:損傷した半月板の一部を切除する手術です。回復が比較的早いですが、半月板を部分的に失うため、将来的に膝関節への負担が増加し、変形性膝関節症のリスクが高まる可能性があります。
- 関節鏡手術:小さな切開で関節内を観察しながら、損傷した組織を取り除く手術です。
再生医療
再生医療は、自己由来の細胞や成分を用いて関節の修復を促す治療法です。
- PRP(多血小板血漿)療法:血液から抽出した成分を注入し、組織の回復を促します。
- 幹細胞治療:脂肪や骨髄から採取した幹細胞を注入し、損傷した組織の再生を図ります。
手術を避けたい方や、保存療法で十分な効果が得られない方に検討される治療法です。
予防法
ロッキングを予防するためには、以下の点に注意することが重要です。
- 適切なストレッチや筋力トレーニング:膝周辺の筋肉を強化し、関節の安定性を高める。
- 過度な負荷を避ける:スポーツや日常生活で膝に過度な負担をかけない。
- 適切な靴を選ぶ:クッション性の高い靴を履き、膝への負担を軽減する。
- 体重管理:肥満は膝への負担を増加させるため、適切な体重を維持する。
まとめ
膝のロッキングは、半月板損傷、変形性膝関節症、離断性骨軟骨炎などが原因で発生することが多い症状です。突然の膝の痛みや可動制限がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。保存療法や手術療法、再生医療などさまざまな治療法があり、症状の程度に応じた治療を選択することで、膝の健康を守ることができます。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)


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