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膝 朝に関節が固まるのはなぜ?原因と今すぐできる対策

朝起きたとき、「関節がこわばって動かしにくい」「しばらく動かないとスムーズに歩けない」と感じたことはありませんか?特に中高年以降になると、こうした症状を経験する人が増えてきます。この記事では、朝の関節のこわばりがなぜ起こるのか、その原因と簡単にできる対策法をわかりやすく解説します。
この記事の内容
関節が朝に固まりやすい理由とは?
関節のこわばりは、特に膝・股関節・手指・肩などで起こりやすく、多くは“関節内の滑膜”という部分の状態が影響しています。
人の関節は、関節包という袋の中に関節液(滑液)があり、その液体がクッションの役割を果たしています。しかし夜間、体を動かさずに長時間同じ姿勢でいると、関節内の血流や代謝が低下し、関節液の循環が鈍くなってしまいます。これが「こわばり」の主な原因です。
また、加齢によって関節周囲の組織(筋肉・靭帯・腱など)が硬くなっていると、朝は特に柔軟性が落ちて動かしにくくなる傾向があります。
よくある病気との関係性
変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)
中高年に多くみられる代表的な疾患で、特に膝や股関節に出やすいです。軟骨がすり減ることで、関節が炎症を起こし、朝のこわばりが出やすくなります。起きてしばらく歩いたり、動かしたりすると次第に和らぐのが特徴です。
関節リウマチ
朝の関節のこわばりが30分以上続くような場合は、自己免疫疾患である関節リウマチの可能性も考えられます。手指の関節などに左右対称の痛みや腫れがある場合には、早期に専門医の診察を受けましょう。
関節内の滑液の異常
関節液が減っていたり、質が変化していたりすると、潤滑機能が落ちてこわばりを感じやすくなります。これは加齢や炎症による変化のほか、水分不足、過労、運動不足などでも影響を受けます。
朝の関節こわばりに対する今すぐできる対策
① 朝のストレッチで関節を目覚めさせる
起き上がる前に、布団の中で軽く手足を伸ばしたり、回したりするだけでも血流が良くなり、こわばりが和らぎます。特に膝関節や股関節は、大きな筋肉と関節を動かすことが重要です。
② 関節を温める
関節周囲の温度を上げることで筋肉や滑膜の血流が改善され、動きがスムーズになります。朝起きたらまずは膝や手首を温タオルで温める、シャワーで関節を温めるなどがおすすめです。
③ 水分をしっかり摂る
体内の水分量が減っていると関節液の質も悪化し、こわばりが起こりやすくなります。朝起きたらまずコップ一杯の水を飲む習慣をつけましょう。
④ 体を冷やさない生活習慣を意識する
とくに冬場は関節が冷えてこわばりやすくなります。冷え対策としてレッグウォーマーや膝サポーターを活用したり、入浴でしっかり体を温めたりすることも効果的です。
⑤ 食事・栄養の見直し
関節の健康にはビタミンDやオメガ3脂肪酸、コラーゲンなどの摂取も大切です。青魚や大豆製品、緑黄色野菜などを意識して摂るようにしましょう。
こんな場合は病院へ相談を
以下のような場合には、単なる一過性のこわばりではなく、治療が必要な病気が隠れている可能性があります。
- 朝のこわばりが30分以上続く
- 日中も関節が痛む、腫れる
- 熱感や赤みを伴う
- 複数の関節に左右対称の症状がある
これらに当てはまるときは、早めに整形外科やリウマチ専門医を受診しましょう。
再生医療という新たな選択肢
近年では、関節の痛みやこわばりに対して、PRP(多血小板血漿)療法や幹細胞治療といった再生医療が注目されています。関節の炎症を抑えたり、損傷した組織の修復を促したりする治療法で、手術に頼らずに症状改善を目指せるケースもあります。
特に「関節を手術するほどではないが、生活の質が下がっている」という方には、早期の再生医療介入が症状悪化の予防にもつながります。
まとめ
朝の関節のこわばりは、加齢や炎症による一時的なものから、リウマチなどの疾患が原因となるものまでさまざまです。まずは生活習慣の改善と簡単な対策を行い、それでも症状が続くようなら、専門の医療機関に相談しましょう。
関節の健康は、日々のちょっとした工夫で大きく変わります。今日から少しずつ、朝の快適なスタートを目指していきましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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