
コラム COLUMN
変形性膝関節症膝 半月板損傷は変形性膝関節症のはじまり

はじめに
「最近、膝が痛む」「歩き始めると違和感がある」――このような症状に心当たりはありませんか? 特にスポーツや日常生活で膝を酷使する方に多く見られる「半月板損傷」は、放置すると将来的に「変形性膝関節症」へと進行する可能性が高いとされています。本記事では、半月板損傷と変形性膝関節症の関係について、わかりやすく解説します。
半月板とは?
膝関節には、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間に「半月板」と呼ばれる軟骨組織が存在します。 半月板はC字型をしており、内側と外側に1つずつあり、以下のような役割を担っています。
- 衝撃の吸収:歩いたり走ったりしたときの衝撃を和らげる
- 関節の安定性を高める:膝関節の動きをスムーズにし、ずれを防ぐ
- 摩耗の防止:軟骨が直接こすれ合うのを防ぎ、関節の寿命を延ばす
しかし、この重要な半月板が損傷すると、膝の健康に大きな影響を及ぼします。
半月板損傷の原因と症状
原因
半月板損傷の原因は、大きく分けて2つあります。
- 外傷性損傷:スポーツや事故などで膝をひねった際に生じる
- 加齢性変性:年齢とともに半月板がすり減り、軽い負荷でも損傷しやすくなる
特に中高年になると、特に大きなケガをしていなくても半月板が自然に損傷してしまうことがあります。
症状
半月板損傷の主な症状には以下のようなものがあります。
- 膝の痛み(特に動かしたとき)
- 腫れや水がたまる(関節水腫)
- 膝が引っかかる感じ(ロッキング症状)
- 階段の上り下りでの痛みや違和感
初期の段階では軽い痛みしか感じないこともありますが、放置すると症状が悪化し、日常生活にも影響を及ぼします。
半月板損傷が変形性膝関節症へ進行する理由
半月板が損傷すると、本来のクッションの役割を果たせなくなり、膝関節の骨同士が直接こすれやすくなります。これが長期間続くと、関節軟骨がすり減り、最終的に変形性膝関節症へと進行してしまいます。
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨が徐々に摩耗し、関節の変形や痛みを引き起こす病気です。特に、半月板の損傷が原因で生じたものは進行が早い傾向があります。
変形性膝関節症の初期症状
- 膝のこわばり(特に朝起きたとき)
- 長時間座った後の痛みや動きにくさ
- 動き始めの痛み
症状が進行すると、歩行が困難になり、最終的には手術が必要になるケースもあります。
予防と治療方法
予防
半月板損傷を防ぎ、変形性膝関節症への進行を抑えるためには、以下の対策が有効です。
- 膝に優しい運動をする:水中ウォーキングやストレッチなどの低負荷の運動
- 適正体重を維持する:体重増加は膝への負担を増やす
- 筋力トレーニングを行う:特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛える
- 適切な靴を履く:クッション性のある靴を選び、膝への衝撃を和らげる
治療方法
半月板損傷の治療方法には、保存療法と手術療法があります。
保存療法(軽度の損傷の場合)
- 安静とアイシング:炎症を抑える
- リハビリ:膝周りの筋力を強化
- PRP療法(多血小板血漿療法):血小板を利用して損傷の回復を促す
手術療法(重度の損傷の場合)
- 幹細胞治療:半月板の修復・再生を促します
- 関節鏡視下手術:損傷部分を取り除いたり縫合する
- 人工関節置換術(変形性膝関節症が進行した場合)
手術を受けるかどうかは、年齢や症状の程度によって異なります。適切なタイミングで医師と相談することが重要です。
まとめ
半月板損傷は、一見すると軽いケガに思われがちですが、放置すると変形性膝関節症へと進行し、日常生活に大きな支障をきたします。特に中高年の方は、加齢による半月板の変性が進んでいるため、早期の対応が重要です。
「膝の痛みは放っておけば治る」と思わず、違和感を感じたら早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
参考文献
- 日本整形外科学会. “変形性膝関節症 – 日本整形外科学会公式サイト” https://www.joa.or.jp
- 関節外科専門医監修. “半月板損傷とは?症状・原因・治療法について” https://www.ortho.jp


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