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変形性膝関節症 変形性膝関節症の進行度による症状のちがい

変形性膝関節症の進行度による症状のちがい

変形性膝関節症は、加齢や過度の関節使用などにより発生する膝関節の一般的な疾患で、関節軟骨の摩耗が主な特徴です。痛み、腫れ、動きの制限など、日常生活に多大な影響を及ぼすことがあります。この病気は、症状の進行度に応じて異なる段階に分類され、それぞれの段階で症状の性質と治療法が異なります。

症状の段階と特徴

初期段階

  • 軽度の痛み: 特に活動開始時や長時間同じ姿勢を続けた後に顕著。
  • 違和感: 膝に軽い違和感やこわばりを感じる。
  • 活動性疼痛: 歩行、階段の昇降、走る動作など、膝に負荷がかかる活動時に痛みが出る。
  • 休息時の軽減: 安静にしていると痛みが軽減する。

中期段階

  • 痛みの増加: 活動中だけでなく、休息時にも痛みを感じるようになる。
  • 腫れ: 関節内の炎症により、膝が腫れやすくなる。
  • 運動制限: 膝の曲げ伸ばしの範囲が制限され、特に階段を降りる動作が困難に。
  • クレピタス: 膝を動かす際に、関節内でこすれる音が聞こえることがある。

末期段階

  • 慢性的な痛み: 恒常的に痛みを感じるようになり、夜間も痛みで目が覚めることがある。
  • 顕著な変形: 膝関節の明らかな変形が生じ、O脚やX脚などの異常姿勢をとる。
  • 動作の大幅な制限: 日常生活動作(ADL)に大きな支障をきたすようになり、歩行器や杖などの補助具が必要になることも。
  • 関節の固定: 関節が完全に動かなくなる「関節拘縮」が生じる場合がある。

治療のアプローチ

初期段階

  • 物理療法: 温熱療法や冷却療法で痛みを和らげる。
  • 運動療法: 大腿四頭筋を強化し、関節の安定性を高める。
  • 薬物療法: 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による疼痛管理。

中期段階

  • 関節内注射: ヒアルロン酸やステロイドの注射で痛みの緩和と関節機能の改善。
  • リハビリテーション: 筋力トレーニングや可動域訓練を通じて、膝の機能を改善
  • サポート装具: 膝サポーターや特別なインソールを使用して膝への負担を軽減。
  • ライフスタイルの調整: 体重管理や適切な運動習慣の確立で、膝への負荷を軽減。

末期段階

  • 手術療法: 関節鏡手術、膝周囲骨切り術、人工膝関節置換術など、症状や関節の損傷度合いに応じた手術が選択される。
  • 疼痛管理: 慢性的な痛みに対しては、薬物療法のほか、神経ブロックや鎮痛剤の使用が検討される。
  • 生活サポート: 歩行補助具の使用や家の中のバリアフリー化など、日常生活の質を向上させるためのサポートが必要。

まとめ

変形性膝関節症の治療は、症状の進行度に応じて異なり、特に早期段階での介入が病気の進行を遅らせる重要な鍵となります。また、患者さん自身の積極的な関与と生活習慣の見直しも、症状の管理とQOL(生活の質)の維持向上に大きく貢献します。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

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