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膝 膝の痛みに効くストレッチ5選|無理なく続けられる方法を紹介

膝の痛みは、年齢を重ねるごとに多くの方が抱える悩みの一つです。階段の上り下りや正座、歩行時に違和感を感じたり、痛みが生じたりすることがあります。痛みの原因には変形性膝関節症や筋力低下、柔軟性の低下などが関係しており、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
そんな膝の痛みを和らげる手軽な対策の一つが「ストレッチ」です。正しい方法で継続すれば、膝まわりの筋肉や関節の柔軟性が高まり、負担を軽減することが期待できます。この記事では、整形外科専門医の視点から、膝の痛みに効果的で無理なく続けられるストレッチを5つ厳選してご紹介します。
膝の痛みにストレッチが効果的な理由
膝関節は太ももやふくらはぎなど周囲の筋肉に支えられており、筋肉の硬さやバランスの乱れが膝にかかる負担を増やす原因になります。特に太ももの前面(大腿四頭筋)や後面(ハムストリングス)、内もも(内転筋)、ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)などの柔軟性を高めることで、膝関節へのストレスを軽減できます。
また、関節液の循環や血行が促進されることで、痛み物質の除去や軟骨の保護にもつながります。
ストレッチのポイントと注意点
ストレッチを行う際は、以下の点を守ることが大切です。
- 痛みを感じない範囲でゆっくり伸ばす
- 反動をつけずに静かにキープする(静的ストレッチ)
- 呼吸は止めず、リラックスした状態で
- 毎日、もしくは週3回以上を目安に継続する
- 急性の炎症(腫れ・熱感)があるときは避ける
ストレッチ①:太もも前面(大腿四頭筋)のストレッチ

【方法】
- 座った状態で片足を伸ばし、反対を曲げます。
- 太ももの前側が伸びるのを感じながら20〜30秒キープ
- 反対側も同様に行う
【効果】
膝を伸ばす動きに関わる大腿四頭筋の緊張を和らげ、歩行や階段動作をスムーズにします。
ストレッチ②:太もも裏(ハムストリングス)のストレッチ

【方法】
- 仰向けに寝て、片足を伸ばす
- もう一方の足を両手で抱えながらゆっくり持ち上げる
- 膝をできるだけ伸ばして10秒キープ
- 反対側も行う
【効果】
膝を曲げるときに使われる筋肉の柔軟性を高め、膝の可動域を広げる効果が期待されます。
ストレッチ③:内もも(内転筋)のストレッチ

【方法】
- 座った状態で両足の裏を合わせる(あぐらのような姿勢)
- 膝を床に近づけるように両肘で軽く押す
- 内ももが伸びるのを感じながら10秒キープ
【効果】
内転筋が硬いと膝の内側に過剰な負担がかかるため、バランスの取れた姿勢改善に有効です。
ストレッチ④:ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)のストレッチ

【方法】
- 壁に向かって立ち、両手を壁につける
- 片足を後ろに引き、かかとを床につけたまま前方に体重をかける
- ふくらはぎが伸びる感覚を意識して20〜30秒キープ
【効果】
ふくらはぎの柔軟性が高まると、膝への衝撃吸収がスムーズになり、関節の負担を減らします。
ストレッチ⑤:お尻(中殿筋・大殿筋)のストレッチ

【方法】
- 仰向けになり、右足のくるぶしを左膝の上にのせる
- 左膝を両手で抱えて胸に近づける
- お尻が伸びるのを感じながら5秒キープ
- 反対側も行う
【効果】
骨盤の安定性が増し、膝の動きが安定。歩行や階段動作がしやすくなります。
膝の痛みが強いときは無理をしないこと
ストレッチはあくまで補助的なセルフケアです。痛みが強い、腫れている、膝が動かないなどの症状がある場合は、自己判断せずに専門医の診察を受けることが大切です。
再生医療や保存療法との組み合わせで、より根本的な改善を目指すことも可能です。
まとめ
膝の痛みは放っておくと日常生活に大きな支障をきたしますが、無理なく続けられるストレッチを取り入れることで、筋肉の柔軟性を保ち、関節の負担を軽減することができます。毎日の習慣として取り入れることで、痛みの予防・改善につながるでしょう。継続は力なり。ぜひ今日から始めてみてください。


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