
コラム COLUMN
肘スポーツ外傷 テニス肘とは?主な症状と再発を防ぐリハビリ方法

テニスをしていないのに「テニス肘」と言われた――そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
テニス肘は、正式には「上腕骨外側上顆炎」と呼ばれ、肘の外側に痛みが出る疾患です。中高年の方やパソコン作業が多い方、家事や育児をしている方にも起こりやすいのが特徴です。
この記事では、テニス肘の原因・症状から、治療方法、そして再発を防ぐためのリハビリまでをわかりやすく解説します。
テニス肘ってどんな病気?
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、手首を反らせる筋肉の腱が肘の外側に付着する部分に炎症が起きる病気です。
この部分には「短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)」という筋肉の腱が付いており、繰り返し負担がかかることで小さな断裂や炎症が生じ、痛みとなって現れます。
こんな症状があれば要注意
テニス肘の代表的な症状は以下の通りです。
- 肘の外側が押すと痛い
- ペットボトルのふたを開ける動作で痛む
- 雑巾をしぼる動きで肘がズキンとする
- 長時間パソコンやスマホを使った後に痛みが増す
- 朝より夕方に痛みが強くなることがある
このような症状がある場合、早めに整形外科を受診することをおすすめします。
テニス肘の原因は「使いすぎ」
最大の原因は、肘や手首の使いすぎです。
特に以下のような方に多くみられます。
- テニスやバドミントンなどラケットスポーツをする人
- パソコンのマウスやキーボード操作が多いデスクワークの人
- 包丁をよく使う料理人や主婦
- DIYやガーデニングが趣味の人
年齢を重ねると腱の柔軟性が失われるため、40代以降に発症する方が増えてきます。
治療法は?自然に治るの?
多くの場合、安静にしていれば自然に回復しますが、慢性化してしまうと数ヶ月~1年以上痛みが続くこともあります。
治療の選択肢としては以下のものがあります。
- 保存療法(安静、湿布、消炎鎮痛剤、物理療法)
- 装具療法(専用のバンドやサポーターで負担軽減)
- 注射療法(ステロイド注射やPRP療法など)
- 再生医療(PRPや幹細胞を使った腱の修復治療)
- 手術療法(まれに行うが、多くは保存療法で改善)
とくに、最近はPRP療法(多血小板血漿注射)が注目されており、自己修復力を利用して炎症の早期鎮静と腱の再生を促します。
再発を防ぐためのリハビリ方法
一度治っても、また痛くなる…そんなテニス肘の再発を防ぐには、正しいリハビリが欠かせません。
以下のようなポイントを意識したセルフケアや運動療法が効果的です。
1. 手首のストレッチ

手の甲を下にして手をつき、手首の背面をストレッチします。
2. 握力の強化(グリップエクササイズ)

タオルを丸めたものを軽く握る運動を行います。強く握りすぎないように注意しながら10回×2セットが目安です。
3. 前腕の筋力トレーニング

軽いダンベル(500g~1kg)を持って手首を上下に動かします。これにより、負担のかかる筋肉を鍛えて再発予防につながります。
4. 姿勢の改善と動作の見直し
肩こりや猫背があると、肘や手首に余計な負担がかかります。作業姿勢の見直しも非常に重要です。
まとめ
テニス肘は、「スポーツをしていないから自分には関係ない」と思いがちですが、実は日常生活の中にも発症リスクは潜んでいます。
痛みが出たら無理をせず早めに対処し、しっかりとリハビリを行うことで、再発を防ぐことができます。
もし症状が長引く場合は、再生医療などの新しい治療法も選択肢として検討してみてください。
ひじの痛みを気にせず、毎日の生活を快適に過ごせるようにしましょう。


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