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「膝に水がたまる」のはなぜ?抜くと癖になるって本当?原因と対処法を専門医が解説 - 札幌ひざのセルクリニック|変形性膝関節症・手術しない膝治療

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「膝に水がたまる」のはなぜ?抜くと癖になるって本当?原因と対処法を専門医が解説

「膝に水がたまる」のはなぜ?抜くと癖になるって本当?原因と対処法を専門医が解説

「膝がなんだか重だるい……これって水?」

診察室に入ってこられる患者様から、こんなご相談をよくいただきます。

「先生、最近膝が腫れぼったくて、曲げにくいんです」 「お皿の周りがブヨブヨしていて……これって水がたまっているんでしょうか?」

そして、決まって皆さんが心配されるのが、「もし水がたまっていたら、抜かなきゃいけないの?」「一度抜くとクセになるって聞くから怖い」という点です。

膝の違和感は、日常生活のふとした瞬間に気になり始めますよね。階段の上り下りが辛い、正座ができなくなった、ズボンを履くときに片方の膝だけ太く感じる……。 もしあなたが今、そのような症状でお悩みなら、それは膝からの「助けて」というサインかもしれません。

今日は、整形外科専門医として、膝に水がたまる「本当の原因」と、巷でよく言われる「抜くとクセになる」という噂の真偽について、わかりやすくお話ししていきましょう。

そもそも、膝の「水」の正体とは?

「膝に水がたまる」と言いますが、この「水」はどこから来たのでしょうか? 雨水が入ったわけでも、飲んだ水が漏れ出したわけでもありません。

実はこの水、元々は「関節液(かんせつえき)」と呼ばれる、膝にとって非常に大切な液体です。

健康な状態でも、膝の中には少量の関節液(スプーン1杯程度)が存在しています。この液体は、膝の軟骨に栄養を届けたり、関節の動きを良くする潤滑油の役割を果たしたりしています。 通常は、体の中で「作られる量」と「吸収される量」のバランスが保たれているため、あふれることはありません。

しかし、何らかの原因で膝の中で「炎症」が起きると、このバランスが崩れてしまいます。 体は炎症という火事を消そうとして、急いで大量の「消火活動用の水(関節液)」を作り出します。一方で、吸収するスピードが追いつかなくなるため、膝の中にどんどん液体がたまってしまうのです。

つまり、膝の水は「悪い水」というよりも、「膝を守ろうとして頑張った結果、増えすぎてしまった液体」だと言えます。

なぜ水がたまってしまうの?主な原因

50代から80代の方で、怪我をした覚えがないのに水がたまる場合、最も多い原因は「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」です。

長年の使用によって膝の軟骨がすり減り、その削りカスが関節の中を刺激します。すると、関節を包んでいる「滑膜(かつまく)」という組織が炎症を起こし、過剰に関節液を分泌してしまうのです。

例えるなら、目の中にゴミが入った状態をイメージしてください。 ゴミが入ると、涙がボロボロ出て止まらなくなりますよね? あれは涙でゴミを洗い流そうとする防御反応です。 膝の中でも同じことが起きています。「軟骨のカス」というゴミを洗い流そうとして、関節液という「涙」がたくさん出ている状態なのです。

その他にも、関節リウマチや痛風、半月板損傷などが原因で水がたまることもあります。

「水を抜くとクセになる」は大きな誤解です

さて、ここからが今日一番お伝えしたいポイントです。 「膝の水を抜くと、クセになってやめられなくなる」という噂。これは医学的には間違いです。

なぜ、そのような誤解が広まってしまったのでしょうか? それは、水を抜いても「水がたまる原因(炎症)」が治っていないことが多いため、結果としてまたたまってしまうからです。

  1. 膝に炎症が起きる(火事発生)
  2. 水がたまる(消火活動)
  3. 注射で水を抜く(一時的にスッキリ)
  4. でも炎症は続いている(火は消えていない)
  5. また水がたまる(再度の消火活動)

患者様から見ると、「水を抜いたから、またたまった(抜いたせいでクセになった)」ように見えるかもしれません。しかし実際は、「炎症が治まっていないから、またたまった」というのが真実です。

専門医が「水を抜いた方がいい」と判断するとき

では、水は抜くべきなのでしょうか? それとも放置してもいいのでしょうか? 基本的には、たまりすぎた水は抜いた方がメリットが大きい場合が多いです。

理由1:痛みを和らげるため パンパンに膨らんだ水風船を想像してみてください。内側からの圧力が高い状態は、それだけで痛みや圧迫感の原因になります。水を抜いて圧力を下げてあげるだけで、膝が軽くなり、曲げ伸ばしが楽になります。

理由2:関節の環境を良くするため 炎症が起きて増えすぎた水は、本来のネバネバした良質な関節液とは違い、サラサラとしていて栄養分も少なく、炎症物質を多く含んでいます。いわば「汚れた水」です。これを一度抜いてリセットし、代わりにヒアルロン酸などを注入する方が、膝の環境は良くなります。

理由3:正確な診断のため 抜いた水の色や濁り具合を見ることは、重要な検査の一つです。黄色くて透明なら変形性膝関節症、白く濁っていれば痛風や偽痛風、血液が混じっていれば靭帯損傷……というように、原因を特定する手がかりになります。

今すぐできる対処法と予防策

膝に水をためない、そして繰り返さないためには、水を抜くだけでなく「炎症を抑える」ことと「膝への負担を減らす」ことが重要です。

1. 膝周りの筋肉を鍛える(運動療法)

これが最も根本的な解決策です。特に太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は、膝への衝撃を吸収するクッションの役割を果たします。 椅子に座ったまま、片足ずつ膝を伸ばして5秒キープする「足上げ運動」なら、膝に負担をかけずに筋肉を刺激できます。お風呂上がりやテレビを見ながら、少しずつ続けてみてください。

2. ヒアルロン酸注射

水を抜いた後、関節の滑りを良くし、軟骨を保護するためにヒアルロン酸を注射することがあります。これは減ってしまった「良質な潤滑油」を補う治療です。

3. 体重のコントロール

体重が1kg増えると、歩く時の膝への負担は3kg増えると言われています。適正体重に近づけることは、薬以上の効果を発揮することがあります。

4. 再生医療という選択肢

「水抜きやヒアルロン酸を繰り返しても、すぐにまた腫れてしまう」 「手術はしたくないけれど、根本的に炎症を鎮めたい」 そのような方には、ご自身の血液や脂肪を活用した「再生医療(PRP療法など)」も選択肢の一つとなります。 これは、炎症を抑える成分や組織を修復する成分を膝に届けることで、膝の中の環境そのものを整えようとする新しい治療法です。 「対症療法」から一歩進んだ治療として、関心が高まっています。

よくある質問(Q&A)

Q. 水がたまっているとき、温めるのと冷やすの、どっちがいいですか?
A. 急に腫れて熱を持っている(触ると熱い)時期は、氷嚢などで「冷やす」のが基本です。炎症(火事)を抑えるためです。逆に、熱感はなく慢性的に重だるい場合は、お風呂などで「温める」と血流が良くなり楽になることがあります。

Q. 痛くても歩いた方がいいですか?
A. 激痛があるときは無理に動かさず安静にしてください。しかし、動かさない期間が長すぎると筋肉が落ち、かえって膝が悪くなってしまいます。痛みが落ち着いているときは、平らな道を散歩するなど、無理のない範囲で動かすことをお勧めします。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

「年齢のせい」と諦めないでください

膝に水がたまると、「もう治らないのではないか」「手術しかないのではないか」と不安になる方も多いと思います。 しかし、水がたまるのは体が膝を守ろうとしているサインであり、適切な治療を行えば、そのサインは必ず落ち着いてきます。

一番良くないのは、自己判断で放置してしまい、軟骨の変形を進行させてしまうことです。 「水を抜くのが怖い」というお気持ちはよく分かりますが、まずは一度、私たち専門医に膝の状態を見せていただけませんか?

水を抜く必要があるのか、薬で様子を見るのか、あるいはリハビリで筋肉をつけるべきなのか。 あなたの膝の状態に合わせたベストな治療法を一緒に見つけましょう。

いつまでもご自身の足で、行きたい場所へ行き、会いたい人に会える。 そんな当たり前の幸せを守るために、私たちは全力でサポートいたします。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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