Warning: unlink(/home/kneecell/knee-cell.com/public_html/wp-content/plugins/wp-scss/cache/new.css): No such file or directory in /home/kneecell/knee-cell.com/public_html/wp-content/plugins/wp-scss/class/class-wp-scss.php on line 108
膝の痛み、X線(レントゲン)とMRIどっちが必要?違いを専門医が解説 - 札幌ひざのセルクリニック|変形性膝関節症・手術しない膝治療

治療電話相談はこちら

0120-117-560

【電話受付時間】月〜金/9:00〜16:30(年末年始休診)

メニュー

COLUMN

その他 膝の痛み、X線(レントゲン)とMRIどっちが必要?違いを専門医が解説

膝の痛み、X線(レントゲン)とMRIどっちが必要?違いを専門医が解説

こんにちは。関節の再生医療を専門とするひざのセルクリニック院長の川上公誠です。

日々の診療で、膝の痛みを訴えて来院される患者さんとお話ししていると、検査についてこのような質問をよくいただきます。

「先生、レントゲンを撮ったけど、骨には異常がないって言われました。でも、こんなに痛いのはなぜですか?」 「友人から『MRIを撮らないと本当のことは分からない』と聞いたのですが、私もMRIをお願いできますか?」

ご自身の体のことですから、検査の内容や、なぜその検査が必要なのかを詳しく知りたいと思うのは当然のことですよね。特に、膝の痛みは長引くことも多く、「歳のせい」と言われても、なかなか納得できない痛みに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

整形外科では、膝の状態を調べるために主に「X線(レントゲン)検査」と「MRI検査」を行います。どちらも体の中を見るための大切な検査ですが、実は「得意なこと」と「苦手なこと」がはっきりと分かれているのです。

今回は、この二つの検査の違いについて、できるだけ専門用語を使わずに、分かりやすく解説していきたいと思います。痛みの原因を正しく知ることは、適切な治療への第一歩です。ぜひ、参考にしてみてください。

膝の検査、X線(レントゲン)とMRIは何が違うの?

まずは、根本的な違いからお話ししましょう。

一言で言うと、X線(レントゲン)は「骨を見る」のが得意な検査で、MRIは「骨以外の柔らかい組織を見る」のが得意な検査です。

これを、家(建物)の点検にたとえてみましょう。

X線(レントゲン)検査は、家の外から、あるいは中に入って「柱や梁(はり)といった頑丈な骨組み」の状態を確認するようなものです。柱が折れていないか、傾いていないかといった、構造上の大きな問題を見つけるのに適しています。

一方、MRI検査は、壁紙をはがしたり、床下を覗いたりして、「断熱材、水道管、電気配線といった、骨組み以外の細かい部分」まで詳しく調べるようなイメージです。柱だけでなく、壁の中の状態や、水漏れの原因などを特定するのに役立ちます。

膝の関節も同じです。膝は、「骨」という硬い構造物だけでなく、「軟骨(なんこつ)」「半月板(はんげつばん)」「靭帯(じんたい)」「筋肉」といった、柔らかい組織が組み合わさってできています。

それぞれの検査で何が見えているのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

X線(レントゲン)検査で「分かること」・「分からないこと」

X線検査は、体にX線という放射線を当てて、通り抜けた量を画像にする検査です。骨のように硬いものはX線を通しにくいので白く写り、空気のように通りやすいものは黒く写ります。いわば、骨の「影絵」を見ているようなものです。

X線で「分かること」

  • 骨の形や並び方: 骨が変形していないか、関節の位置がずれていないかなどが分かります。
  • 骨折の有無: 明らかな骨折があれば、骨の線が途切れて写るので発見しやすいです。
  • 関節の隙間(すきま)の広さ: これがとても重要です。レントゲンでは「軟骨」は写りませんが、骨と骨の間の隙間を見ることで、「軟骨がどれくらいすり減っているか」を推測することができます。隙間が狭くなっていれば、軟骨がすり減っているサインです。変形性膝関節症の診断には欠かせません。
  • 骨棘(こつきょく): 骨のトゲのようなものができているかどうかも確認できます。

X線で「分からないこと」

  • 軟骨そのものの状態: 軟骨はレントゲンには写りません。
  • 半月板、靭帯、筋肉の状態: これらも柔らかい組織なので、レントゲンではほとんど確認できません。

X線検査は、短時間で撮影でき、費用も比較的安価で、多くの情報が得られるため、膝の痛みの診断においてはまず最初に行われる基本的な検査です。

MRI検査で「分かること」・「得意なこと」

MRIは、強い磁石と電波の力を使って、体の内部を断面図(輪切り)のように画像化する検査です。放射線は使いません。

MRIで「分かること」

  • 軟骨の状態: レントゲンでは見えなかった軟骨の厚みや、傷んでいる場所が直接見えます。
  • 半月板や靭帯の損傷: 膝のクッションである半月板が断裂していないか、関節を安定させる靭帯が切れていないかなどを詳しく確認できます。スポーツでの怪我の診断にも非常に有効です。
  • 骨の中の状態: 骨折とまではいかないけれど、骨の中で炎症が起きていたり、むくんでいたりする状態(骨挫傷など)も見つけることができます。
  • 関節内の水や炎症: 関節に水(関節液)が溜まっている様子や、炎症を起こしている滑膜(かつまく)の状態も分かります。

MRIが「得意なこと」 X線では異常なしと言われたけれど、強い痛みが続いている場合や、膝の引っかかり感、ガクッと力が抜けるような症状(半月板損傷の疑い)がある場合などは、MRI検査が非常に役立ちます。

ただし、MRIにもデメリットはあります。撮影に時間がかかること(20〜30分程度)、工事現場のような大きな音がすること、狭い筒の中に入るため閉所恐怖症の方には辛い場合があること、そしてX線に比べて費用が高いことなどです。

検査結果をどう治療に活かすか

ここまでお話ししたように、X線とMRIはそれぞれ異なる情報を提供してくれる検査です。どちらが優れているというわけではなく、症状に合わせて使い分けたり、組み合わせたりすることが大切です。

そして、検査はあくまで「診断」のための手段です。最も重要なのは、「その検査結果を基に、どのような治療を行っていくか」ということです。

例えば、X線検査で「軟骨がすり減って、関節の隙間が狭くなっている(変形性膝関節症)」と診断されたとしましょう。初期〜中期であれば、まずは手術以外の方法、いわゆる「保存療法」から始めるのが一般的です。

  • 運動療法(リハビリ): 膝周りの筋肉を鍛えて関節を支える力をつけたり、ストレッチで関節の動きを良くしたりします。これは非常に重要です。
  • 薬物療法: 痛み止めの内服薬や湿布、塗り薬を使って炎症や痛みを抑えます。
  • 関節内注射: ヒアルロン酸を関節に注射して、動きを滑らかにし、痛みを和らげます。

もし、MRI検査で「半月板が断裂していて、それが痛みの原因になっている」と分かった場合も、まずは保存療法を試みることが多いですが、症状が強く日常生活に支障がある場合は、内視鏡を使った手術を検討することもあります。

また、近年では、これらの保存療法でなかなか改善しない場合の新しい選択肢として、「再生医療」も注目されています。例えば、ご自身の血液から痛みを抑える成分を抽出して注射するPRP療法や、ご自身の脂肪に含まれる幹細胞を利用する治療法などです。これらは、体が本来持っている修復力を利用する治療法で、手術を避けたい方や、従来の治療では効果が不十分だった方の選択肢の一つとなっています。

どの治療法が適しているかは、患者さんの年齢、活動レベル、痛みの程度、そして検査結果などを総合的に判断して決定します。

膝の検査に関するよくあるQ&A

ここで、患者さんからよくいただく質問にお答えします。

Q 痛みが強いなら、いきなりMRIを撮ったほうがいいですか?
A まずは基本となるX線(レントゲン)検査を行うことがほとんどです。X線だけでも、骨の状態や関節全体のバランスなど、多くの重要な情報が得られます。その上で、X線だけでは痛みの原因がはっきりしない場合や、半月板や靭帯の損傷が強く疑われる場合に、医師が必要と判断してMRIを追加します。

Q X線の放射線被ばくは心配ありませんか?
A ご心配されるお気持ちはよく分かります。しかし、医療で使われるX線検査の放射線量はごくわずかです。例えば、膝のレントゲン撮影で受ける放射線量は、私たちが日常生活で自然界から受けている放射線量の数日分程度と言われています。健康への影響はほぼ心配ないレベルですので、安心して検査を受けてください。

Q MRIは音がうるさくて狭いと聞きますが、閉所恐怖症でも受けられますか?
A 確かに従来のトンネル型のMRIは狭い空間に入るため、苦手意識を持つ方もいらっしゃいます。最近では、圧迫感の少ない「オープン型MRI」を導入している施設も増えてきています。予約の際に、閉所恐怖症であることを伝え、対応可能な施設かどうか確認してみることをお勧めします。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて「再生医療」という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体が本来持つ自然治癒力を引き出し、関節や組織の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を点滴で投与することで、膝や股関節だけでなく、腰痛などの慢性疼痛に対しても炎症を抑えたり、組織の修復を促したりする効果が期待されています。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無を医師がしっかり診断したうえで治療を検討することが大切です

痛みの原因を知ることが、改善への第一歩です

膝の痛みは、歩く、階段を上り下りする、正座をするなど、日常生活のあらゆる場面で私たちを悩ませます。痛みが続くと、外出するのが億劫になり、気持ちまで塞ぎ込んでしまうこともあるかもしれません。

「もう歳だから仕方がない」と諦める前に、一度、整形外科の専門医に相談してみませんか?

これまでお話ししたように、X線やMRIといった画像検査と、医師による丁寧な診察を組み合わせることで、あなたの膝の痛みの原因を突き止めることができるかもしれません。原因が分かれば、それに対する適切な対策や治療法が見えてきます。

適切な診断と治療を受ければ、痛みをコントロールしながら、旅行や趣味を楽しむ活動的な生活を取り戻すことは十分に可能です。

まずは、ご自身の膝の状態を正しく知ることから始めましょう。私たち専門医が、そのお手伝いをさせていただきます。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

CONTACT

ひざ関節の痛みに完全特化!

治療電話相談はこちら

【電話受付時間】月〜金/9:00〜16:30(土日祝休診)

各種ご相談やご予約はこちら

  • ひざの痛みに関する相談
  • セカンドオピニオンの相談
  • 再生医療に関する相談
  • MRI検査のご予約