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肩のしびれは危険信号?神経からくる症状と整形外科での対処法を専門医が解説

肩のしびれは危険信号?神経からくる症状と整形外科での対処法を専門医が解説

「最近、肩から腕にかけてビリビリとしたしびれを感じる」 「洗濯物を干すときに、腕を上げるとジーンと痛む」 「夜、寝ているときに肩がうずいて目が覚めてしまう」

私のクリニックには、こうした症状を訴えて来院される患者さんが非常に多くいらっしゃいます。 50代、60代、そして80代と年齢を重ねるにつれて、関節や神経のトラブルは身近なものになります。「ただの肩こりだろう」「年のせいだから仕方ない」と我慢してしまう方も多いのですが、実はそのしびれ、体が発している「SOSサイン」かもしれません。

しびれは痛み以上に不快で、生活の質を下げてしまうものです。お茶碗を持つのも億劫になったり、趣味の活動を楽しめなくなったりしていませんか? 今日は、整形外科専門医の視点から、肩のしびれの正体と、その解決策についてお話しします。少しでも皆さんの不安が和らぎ、解決への糸口が見つかれば嬉しいです。

なぜ肩がしびれるの?考えられる3つの原因

肩がしびれるといっても、その原因は必ずしも「肩そのもの」にあるとは限りません。整形外科で診察をする際、私たちは「首」「肩関節」「神経の通り道」のどこに問題があるかを慎重に見極めます。 ここでは、特に50代以降の方に多い3つの代表的な原因をご紹介します。

1. 首の骨の変形(頚椎症性神経根症)

実は、肩のしびれの原因として最も多いのが、この「首(頚椎)」のトラブルです。 人間の頭はボーリングの球ほどの重さがあり、それを支えている首の骨やクッション(椎間板)は、加齢とともに少しずつすり減ったり変形したりします。

イメージしてみてください。古くなった電線が何かの拍子に圧迫されると、電気がうまく通らなくなりますよね?これと同じことが体の中で起こります。 首の骨が変形して、肩や腕に向かう神経の根元を圧迫することで、肩周りに「ビリビリ」「ジンジン」としたしびれが生じるのです。 特に、天井を見上げるような動作(うがいをする、上の棚のものを取るなど)をしたときにしびれが強くなる場合は、この可能性が高いと言えます。

2. 神経の通り道が狭くなる(胸郭出口症候群)

これは、首から出た神経が、鎖骨や肋骨のあたりで筋肉や骨に挟まれてしまう状態です。 なで肩の女性や、逆に筋肉質な男性にも見られますが、加齢による筋力バランスの乱れも一因となります。

つり革につかまる、洗濯物を干すなど、腕を高く上げた状態でしびれが出るのが特徴です。また、重い荷物を持ったときに、肩から指先にかけて血の気が引くような感覚や、だるさを感じることもあります。

3. 肩関節そのものの炎症(五十肩・腱板断裂)

いわゆる「五十肩(肩関節周囲炎)」や、肩のインナーマッスルが傷つく「腱板断裂」も、しびれに似た感覚を引き起こすことがあります。 これらは基本的には「痛み」がメインですが、炎症が強いと神経を刺激し、腕の方まで放散痛(ほうさんつう)と呼ばれる痛みが走り、それを「しびれ」と感じることがあります。 夜中にズキズキと痛む「夜間痛」がある場合は、関節内の炎症を疑います。

整形外科で行う検査と診断の流れ

しびれの原因を特定するために、整形外科ではまず詳細な問診と身体診察を行います。 「首をどちらに傾けると楽か、あるいは辛いか」 「腕の力は入るか」 「感覚が鈍くなっていないか」 これらを確認した後、レントゲン検査で骨の状態をチェックします。さらに詳しく神経の状態を見る必要がある場合は、MRI検査を行うこともあります。

ご自身の判断で「ただの肩こり」と決めつけてマッサージに通い続ける方がいらっしゃいますが、もし原因が神経の圧迫であった場合、強いマッサージは逆効果になることもあります。まずは正しい診断を受けることが、解決への近道です。

専門医が教える治療法と対処法

原因がわかれば、適切な治療を開始します。多くの場合は手術などをしなくても、保存療法(手術以外の治療)で症状を改善することができます。

お薬とリハビリテーション(保存療法)

まずは痛みを抑える消炎鎮痛剤や、傷ついた神経の修復を助けるビタミンB12製剤などを使用します。神経の興奮を抑える特殊なお薬を使うこともあります。 これと並行して重要なのがリハビリテーションです。 理学療法士の指導のもと、硬くなった筋肉をほぐし、首や肩への負担が少ない姿勢を作る訓練を行います。猫背やストレートネックの改善は、神経への圧迫を減らすために非常に有効です。

ブロック注射

痛みが強く、夜も眠れないような場合には、神経の近くに局所麻酔薬を注射する「ブロック注射」を行うことがあります。神経の興奮を落ち着かせ、筋肉の緊張を解くことで、悪循環を断ち切る効果があります。

自分でできる!しびれ対策と生活習慣

病院での治療に加えて、ご自宅でのセルフケアも大切です。 無理のない範囲で、以下のことを心がけてみてください。

【姿勢を見直す】 顎を前に突き出すような姿勢は、首の神経に大きな負担をかけます。顎を軽く引き、頭が背骨の真上に乗るようなイメージで過ごしましょう。

【体を冷やさない】 冷えは血流を悪くし、しびれや痛みを増強させます。これからの季節は特に、スカーフやネックウォーマーで首元を温めるのがおすすめです。お風呂にゆっくり浸かるのも良いでしょう。

【枕の高さを確認する】 高すぎる枕も、低すぎる枕も首に負担をかけます。寝ている間に首が自然なカーブを描けるような、適切な高さの枕を選ぶことが大切です。バスタオルを畳んで高さを調整してみるのも一つの方法です。

よくある質問・誤解にお答えします

診察室で患者さんからよくいただくご質問をまとめました。

Q. 肩や腕がしびれているとき、マッサージをしても良いですか?

A. 自己判断での強いマッサージは避けたほうが無難です。 筋肉の凝りが原因であれば楽になることもありますが、頚椎(首の骨)に問題がある場合、首を強く揉んだりひねったりすることで神経症状が悪化するリスクがあります。まずは整形外科で原因を確かめてから、医師や理学療法士の指示のもとで行うのが安心です。

Q. しびれがあるときは、温めるのと冷やすの、どっちが良いですか?

A. 基本的には「温める」ことをおすすめします。 急性の激しい炎症(熱を持っている場合など)を除き、しびれの多くは血行不良や筋肉の緊張が関わっています。温めることで血流が良くなり、神経への酸素供給もスムーズになるため、症状が緩和されやすくなります。

Q. どんなしびれだったら、すぐに病院へ行くべきですか?

A. 「手先の細かい動作ができない(ボタンが留めにくい、箸が使いにくい)」、「足もつまずきやすくなった」、「ろれつが回らない」といった症状がある場合は要注意です。 これらは首の脊髄自体が強く圧迫されている場合や、脳梗塞などの脳の病気の可能性があります。様子を見ずに、早急に医療機関を受診してください。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ:年齢のせいと諦めないでください

「もう年だから、このしびれとは一生付き合っていくしかない」 そう諦めている方はいらっしゃいませんか?

整形外科の医療は日々進歩しています。適切な診断で原因を突き止め、お薬やリハビリ、生活習慣の改善、そして場合によっては再生医療などの新しい治療を取り入れることで、症状をコントロールすることは十分に可能です。

しびれがなくなれば、夜もぐっすり眠れるようになり、お孫さんを抱っこしたり、趣味の旅行に出かけたりする意欲も湧いてくるはずです。 痛みやしびれを一人で抱え込まず、まずは私たち専門家にご相談ください。あなたの「治したい」という気持ちに、私たちは全力で応えます。 関節や神経の健康を取り戻し、これからの人生をより活動的に楽しんでいきましょう。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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