コラム COLUMN
FAQ膝 膝の装具治療でよくある7つの質問に専門医がやさしく回答

膝の痛みに対する治療の選択肢として、多くの方が一度は検討されるのが「装具治療(サポーターや装具の使用)」です。しかし、実際にどのような効果があるのか、ずっと使い続けていいのかなど、疑問をお持ちの方も少なくありません。ここでは、膝の装具治療について、診察室で患者さんからよくいただくご質問を7つ厳選し、専門医の視点から分かりやすくお答えします。
この記事の内容
Q1. 膝の装具治療とは、具体的にどのようなことをするのですか?
多くの方が気になる点ですが、装具治療とは、膝専用のサポーターや「支柱付き装具」を装着して関節を安定させる治療法です。膝にかかる過度な負担を分散させ、痛みを和らげることを目的としています。特に変形性膝関節症などで、膝がぐらついたり、内側に負担が偏ったりしている場合に、正しい姿勢で歩けるようサポートする役割を果たします。
Q2. 装具をつけると本当に痛みは軽くなりますか?
はい、多くの方が効果を実感されています。装具には、膝の横揺れを抑えたり、O脚による内側への荷重を外側へ逃がしたりする機能があります。関節の余計な動きが抑えられることで炎症が落ち着き、歩行時や階段の上り下りでの「ピキッ」とする痛みが軽減されやすくなります。手術を避けたい方の保存療法(手術以外の治療)としても非常に有効です。
Q3. 装具を使い続けると、筋肉が落ちてしまいませんか?
装具で痛みが軽くなることで「歩く機会」が増え、結果的に筋力維持につながるケースもあります。もちろん、装具だけに頼り切るのは良くありません。当院では装具で痛みをコントロールしながら、無理のない範囲で並行して筋力トレーニングを行うことを推奨しています。
Q4. 市販のサポーターと、病院で作る装具は何が違うのですか?
市販品は主に「保温」や「軽い圧迫」を目的としていますが、医療用の装具は「治療」を目的としています。医療用は、専門の義肢装具士が一人ひとりの脚の形や痛みの程度に合わせて採寸・調整を行います。矯正力(骨格を整える力)が強く、関節をしっかり固定できる金属製の支柱が入っているものなど、医学的な根拠に基づいて設計されているのが特徴です。
Q5. 膝の装具を作る際、健康保険は適用されますか?
医師が治療に必要だと判断して処方する医療用装具であれば、公的医療保険の対象となります。購入時は一度全額(10割)を支払う必要がありますが、後日、お住まいの自治体や健康保険組合に申請することで、自己負担分を除いた金額(7割〜9割)が払い戻されます。詳しくは診察時にスタッフまでお気軽にお尋ねください。
Q6. 1日のうち、いつ装着すればいいですか?寝るときも必要ですか?
基本的には、外出時や家事などの「動くとき」に装着します。膝に荷重がかかる際の負担を減らすのが目的ですので、寝るときに装着する必要は原則ありません。ただし、特定の疾患や手術後などで医師から指示がある場合は、その指示に従ってください。長時間つけっぱなしにせず、皮膚を休ませる時間を作ることも大切です。
Q7. 装具治療だけで膝の変形は治りますか?
残念ながら、装具だけで一度変形してしまった骨の形を元通りに治すことはできません。しかし、変形の進行を遅らせ、痛みを抑えて「動ける体」を維持する効果は非常に高いです。リハビリや生活習慣の改善と組み合わせることで、手術をせずに健康な生活を長く続けるための強力なパートナーとなってくれます。
膝の装具治療は、単に膝を固めるものではなく、あなたが再び自分らしく歩くための助けとなるものです。もし「自分にはどんな装具が合うのか」「本当に効果があるのか」と迷われているなら、一人で悩まずにぜひご相談ください。あなたの生活スタイルに最適な方法を一緒に考えていきましょう。

再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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