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膝の外側が痛くて歩けない!無理な運動は逆効果?原因と正しい治し方を整形外科医が解説

膝の外側が痛くて歩けない!無理な運動は逆効果?原因と正しい治し方を整形外科医が解説

こんにちは。私は整形外科の専門医として、日々多くの方の関節の悩みと向き合っています。

膝の痛みというと、多くの方が膝の内側をイメージされますが、実は外側の痛みで悩んでいる方も少なくありません。そして、その多くの方が「もっと鍛えなきゃ」と無理に動かしてしまい、症状を悪化させてしまっています。

この記事では、膝の外側が痛くて歩けない原因と、今日からできる正しい対処法について、専門医の視点からわかりやすくお話ししていきます。

膝の外側が痛むときに感じる不安と日常生活の困りごと

膝の外側が痛むと、これまでの当たり前だった生活が一変してしまいます。

階段の下りで膝がガクッとなるような不安感があったり、椅子から立ち上がる瞬間にピキッとした痛みが走ったり。ひどくなると、平らな道を歩くだけでも冷や汗が出るほどの激痛を感じることもあります。

多くの患者さんから伺うのは、以下のようなお悩みです。

  • 朝、ベッドから降りて最初の一歩を踏み出すのが怖い
  • 買い物に行きたいけれど、途中で足が止まって帰れなくなるのが不安
  • 階段の下りが特につらく、手すりがないと一歩も進めない
  • 膝の横を触ると、熱を持っているような気がする

こうした症状が続くと、外出が億劫になり、気持ちまで沈んでしまいがちです。しかし、膝の外側の痛みには必ず原因があります。まずはその正体を知ることから始めていきましょう。

なぜ膝の外側が痛くなるのか?医学的な背景をわかりやすく解説

膝の外側が痛む原因は、大きく分けて3つ考えられます。難しい専門用語をなるべく使わずに、イメージしやすい例えでお伝えしますね。

1. 膝の横を通る「ロープ」の摩擦

膝の外側には、腰から膝にかけて伸びている長い靭帯があります。これを「腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)」と呼びます。

この靭帯は、歩いたり走ったりする際に膝を支える大きな役割を担っています。しかし、膝の曲げ伸ばしを繰り返すと、この靭帯が膝の骨の出っ張りと何度もこすれ合ってしまいます。

イメージとしては、ピンと張ったロープが岩の角にこすれ続けて、ささくれ立っているような状態です。これを「腸脛靭帯炎」と呼びます。50代以上の方の場合、筋肉の柔軟性が低下しているため、少し歩きすぎただけでもこの摩擦が起きやすくなります。

2. クッションの役割を果たす「半月板」の傷

膝の関節の中には、クッションのような役割を果たす「半月板(はんげつばん)」という組織があります。この外側の半月板が、加齢や無理な動きによって傷ついたり、ひび割れたりすると、外側に鋭い痛みが出ます。

これは、靴の中に小石が入ったまま歩き続けているような状態に似ています。何かを挟み込んだような違和感や、急に膝が動かなくなる感覚を伴うこともあります。

3. 関節の隙間が狭くなる「変形性膝関節症」

膝の軟骨がすり減り、関節の間隔が狭くなってしまう病気です。一般的には内側が痛むことが多いのですが、足の形が「X脚(膝が内側に入り、足首が外に出る形)」の方は、外側の軟骨に負担がかかり、外側が痛むようになります。

これは、建物の柱が傾いてしまい、片側の壁だけに強い負荷がかかってひび割れている状態だと想像してください。

無理な運動は逆効果?正しい治し方と対処法

痛みが強いとき、多くの方が「筋肉が落ちたから痛いんだ。もっと鍛えなきゃ」と考え、無理にスクワットをしたり、痛みをこらえて歩き続けたりします。

しかし、これは火に油を注ぐようなものです。炎症が起きているときに無理に動かすと、痛みはどんどん強くなり、治りも遅くなってしまいます。

まずは「安静」と「アイシング」

痛みが強くて歩けないときは、体が「休んでください」というサインを出しているときです。まずは無理なウォーキングや運動を中止しましょう。

もし膝が熱を持っていたり、腫れていたりする場合は、氷嚢などで15分ほど冷やしてあげてください。冷やすことで炎症を鎮め、痛みを和らげることができます。

ストレッチで「ロープ」を緩める

痛みが少し落ち着いてきたら、無理のない範囲でストレッチを取り入れます。特に大切なのは、お尻の筋肉(中殿筋)と太ももの横の筋肉をほぐすことです。

膝そのものというより、その周りを支える筋肉が硬くなっていることが、痛みの引き金になっている場合が多いからです。お風呂上がりの体が温まっているときに、ゆっくりと深呼吸をしながら行いましょう。

靴選びとインソールの活用

膝の外側が痛む方は、歩き方の癖で足の外側に重心がかかりすぎていることがあります。

底がすり減った靴を履き続けていませんか?かかとの外側が極端に削れている靴は、さらに膝の負担を大きくします。クッション性の高い靴を選んだり、足の傾きを調整するインソール(靴の中敷き)を使用したりすることで、驚くほど歩くのが楽になることがあります。

薬物療法や注射によるサポート

整形外科では、痛みを抑える飲み薬や貼り薬を処方します。また、関節の動きをスムーズにするヒアルロン酸の注射を行うこともあります。

これらは単なる「痛み止め」ではなく、痛みを抑えることで正しい姿勢で歩けるようにし、結果として自然治癒を助けるための大切なステップです。

日常生活で気をつけるべきポイント

膝への負担を減らすためには、日々のちょっとした工夫が欠かせません。

  • 階段は「上りは痛くない方の足から、下りは痛い方の足から」踏み出す
  • 長時間の立ち仕事や歩行は避け、こまめに休憩を挟む
  • 重い荷物を持つときは、キャリーバッグを活用する
  • 洋式の生活(椅子、ベッド)を取り入れ、深くしゃがみ込む動作を減らす

こうした積み重ねが、膝を保護し、痛みの再発を防ぐことにつながります。

よくある質問・誤解への回答

膝の痛みについて、診察室でよく受ける質問をまとめました。

Q1:痛みがあるときは、絶対に動かさないほうがいいのでしょうか?

A:激痛がある時期は安静が第一ですが、全く動かないのも良くありません。 全く動かない期間が長すぎると、今度は筋肉が痩せて関節が固まってしまいます(拘縮と呼びます)。痛みのピークを過ぎたら、まずは室内での軽い足首の運動や、座ったままでの膝の曲げ伸ばしから始め、少しずつ活動範囲を広げていきましょう。「痛みの出ない範囲で動かす」のが鉄則です。

Q2:膝を温めるのと冷やすの、どちらが正しいですか?

A:時期によって使い分けるのが正解です。 急に痛みが出て、膝が熱を持っていたり腫れたりしている「急性期」は、冷やして炎症を抑えます。一方で、数週間以上続いている鈍い痛みや、膝が冷えると痛むような「慢性期」は、お風呂などで温めて血行を良くし、筋肉をほぐしてあげるのが効果的です。迷ったときは、温めてみて気持ちが良いかどうかで判断しても良いでしょう。

Q3:加齢による痛みは、もう治らないと諦めるしかないのでしょうか?

A:決してそんなことはありません。 確かに軟骨の経年変化はありますが、それだけが痛みの原因ではありません。周りの筋肉の柔軟性を取り戻し、歩き方や靴を整え、適切な治療を組み合わせることで、多くの方が再び自分の足で元気に歩けるようになります。「年だから」と諦めて活動を減らしてしまうと、かえって症状を悪化させてしまいます。前向きに治療に取り組むことが、改善への第一歩です。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ:あなたの足は、もっと楽に動けるようになります

膝の外側が痛くて歩けないという状態は、心細く、不安なものです。しかし、ここまでお話ししてきた通り、正しい知識を持って適切に対処すれば、その痛みは必ず和らげていくことができます。

無理をして歩き続ける根性論ではなく、自分の体が出しているサインに耳を傾けてあげてください。そして、「おかしいな」と思ったら我慢せずに、一度整形外科を受診して原因をはっきりさせることをお勧めします。

私たちの体には、自分で治ろうとする力が備わっています。私たちはその力を引き出すためのお手伝いをします。

「また旅行に行きたい」「孫と一緒に散歩したい」といった皆さんの願いを叶えるために、医療は日々進歩しています。膝の痛みと上手に付き合い、克服していくことで、これからの人生をより豊かでアクティブなものにしていきましょう。

あなたの膝が軽やかになり、笑顔で一歩を踏み出せる日が来ることを心から応援しています。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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