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ヒアルロン酸で治らないのはなぜ?膝の痛みが続く3つの理由と改善への近道を専門医が解説

ヒアルロン酸で治らないのはなぜ?膝の痛みが続く3つの理由と改善への近道を専門医が解説

こんにちは。膝の痛みにお悩みの多くの方々を診察している整形外科専門医です。

「半年間、毎週のようにヒアルロン酸の注射を打っているけれど、一向に痛みが引かないんです」 「打った直後は少し楽になる気がするけれど、数日経つとまた元通り。これって一生続くのでしょうか?」

階段の上り下りや、椅子から立ち上がる瞬間、ふとした時に走る膝の痛み。それを解決したくて病院に通い、注射を受けているのに変化がないと、本当に不安になりますよね。

「もう年齢のせいだから仕方ない」と諦めてしまう方もいらっしゃいますが、実はヒアルロン酸注射で効果が実感できないのには、明確な理由があります。そして、その理由を知ることこそが、痛みのない生活を取り戻すための第一歩なのです。

この記事では、長年膝の痛みと向き合ってきた専門医の視点から、なぜヒアルロン酸だけで治らないのか、その背景にある体の仕組みと、今日から取り組める具体的な解決策についてお話ししていきます。

膝の痛みが続く場面と、皆さんが抱える切実な悩み

膝に痛みがあると、これまでの当たり前だった日常が少しずつ制限されてしまいます。皆さんは、次のような場面で困っていませんか?

  • 朝起きて最初の一歩を踏み出すとき、膝がこわばって痛む
  • 駅の階段を避けて、遠くのエレベーターを探してしまう
  • 大好きだった旅行や散歩を、痛みが怖くて断るようになった
  • 正座ができなくなり、冠婚葬祭や趣味の集まりが億劫になった
  • 膝に水が溜まってしまい、何度も抜いている

こうした悩みを持つ方の多くが、最初に受ける治療がヒアルロン酸の関節内注射です。ヒアルロン酸は本来、私たちの関節液に含まれている成分で、関節をスムーズに動かすための「潤滑油」や、衝撃を吸収する「クッション」の役割を果たしています。

膝の軟骨がすり減る変形性膝関節症(へんけいせいしざかんせつしょう)になると、このヒアルロン酸の質が低下したり量が減ったりするため、それを補うために注射を行うのです。

しかし、なぜ補っているはずなのに痛みが続いてしまうのでしょうか。

ヒアルロン酸で治らない理由1:膝の変形が進み、潤滑油だけでは足りなくなっている

1つ目の理由は、膝の関節自体の傷みが、注射だけではカバーしきれない段階に入っていることです。

膝の関節をドアの「蝶番(ちょうつがい)」に例えてみましょう。 ドアの動きが悪いとき、油をさせばスムーズに動くようになりますよね。これが初期の変形性膝関節症に対するヒアルロン酸の効果です。

しかし、もしその蝶番自体が錆びついてボロボロになっていたり、形が大きく歪んでしまっていたりしたらどうでしょうか。いくら高級な油を注したとしても、ドアはスムーズに開閉しません。

膝も同じです。軟骨が大きくすり減り、骨と骨が直接ぶつかり合うような状態(進行期から末期の状態)では、ヒアルロン酸で表面を滑らかにするだけでは、歩くときの強い衝撃や摩擦を抑えきれなくなります。

また、骨の端に「骨棘(こつきょく)」というトゲのような突起ができている場合、それが周囲の神経を刺激して痛みを出しているため、潤滑油であるヒアルロン酸では直接的な解決にならないのです。

ヒアルロン酸で治らない理由2:痛みの本当の原因が「膝の外側」にある

2つ目の理由は、膝を支える筋肉や、体の使い方の問題です。

膝という関節は、自分一人で体を支えているわけではありません。太ももの筋肉(大腿四頭筋など)が天然のサポーターのように膝をしっかり支え、衝撃を分散してくれています。

ところが、加齢や運動不足によってこの筋肉が弱くなると、体重の負荷がすべて膝の関節内にかかってしまいます。

例えるなら、柱がシロアリに食われて弱くなった家のようなものです。屋根(膝関節)の瓦を新しくしても、それを支える柱(筋肉)が弱ければ、家は傾き続け、あちこちにガタがきます。

ヒアルロン酸を注射して関節の中を整えても、膝を支える力が弱いままでは、一歩歩くたびに膝に過度な負担がかかり、すぐにまた炎症が起きて痛みが出てしまいます。

「注射を打ってもすぐに痛みが戻る」という方の多くは、この筋力低下や、膝に負担をかける歩き方が原因となっているケースが非常に多いのです。

ヒアルロン酸で治らない理由3:慢性的な炎症が「痛みのスイッチ」を押し続けている

3つ目の理由は、関節の中で起きている慢性的な炎症です。

膝の痛みが長引くと、関節を包んでいる「滑膜(かつまく)」という組織が厚くなり、常に炎症を起こした状態になります。この状態を滑膜炎(かつまくえん)と呼びます。

炎症が起きている膝の中は、いわば「火事」が起きているような状態です。 ヒアルロン酸は炎症を抑える作用も少しは持っていますが、基本的には潤滑油としての役割がメインです。激しく燃え盛っている火の中に、少量の水を撒いているだけでは火を消し止めることはできません。

特に「膝に水が溜まる」という症状を繰り返している方は、この炎症が非常に強いサインです。水(関節液)を抜いてヒアルロン酸を入れても、火元の炎症が治まっていなければ、体は再び膝を守ろうとして水を出してしまいます。

この負のループを断ち切るには、単にヒアルロン酸を足すだけでなく、炎症を根本から鎮めるアプローチが必要になります。

痛みを繰り返さないための、正しい治療法と対策

では、ヒアルロン酸だけで改善しない場合、私たちはどうすればよいのでしょうか。 整形外科での治療は、注射以外にもたくさんの選択肢があります。大切なのは、これらを組み合わせて行う「保存療法」です。

1. 運動療法で「天然のサポーター」を鍛える

これが最も重要と言っても過言ではありません。膝への負担を減らすには、太ももの前側の筋肉を鍛えることが一番の近道です。

おすすめは、椅子に座ったままできる足上げ運動です。 背筋を伸ばして椅子に座り、片方の膝をゆっくりと真っ直ぐ伸ばします。そのまま5秒間キープして、ゆっくり下ろす。これを左右10回ずつ、朝晩行うだけでも、数ヶ月後には膝の安定感が変わってきます。

ただし、痛みがあるときに無理に動かすのは禁物です。専門家の指導のもと、痛みの出ない範囲で進めるのがコツです。

2. 装具やインソールで負担を分散する

膝が「O脚」気味になっている方は、膝の内側に体重が集中してしまいます。 これを補正するために、靴の中に敷く「インソール(足底腱膜)」を使ったり、膝を保護するサポーター(装具)を活用したりします。

これらは、物理的に膝の角度を調整し、痛んでいる部分へのストレスを逃がしてくれる効果があります。自分に合った装具を使うことで、歩行が劇的に楽になる方も少なくありません。

3. 生活習慣の見直し

膝にかかる負担は、体重に比例します。歩くときは体重の約3倍、階段では約7倍の負荷がかかると言われています。 わずか1キロ減量するだけでも、膝にとっては数キロ分の負担軽減になるのです。

また、和式の生活(畳に座る、布団から起き上がる)は膝への負担が非常に大きいです。 可能な範囲で、椅子と机の生活、ベッドでの睡眠に切り替えるなど、環境を整えることも立派な治療の一つです。

よくある質問・誤解への回答

膝の痛みについて、患者さんからよく受ける質問にお答えします。

痛みがあるときは、安静にして動かさないほうがいいですか?

急に強い痛みが出た直後や、膝が熱を持って腫れているときは安静が必要です。 しかし、痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動かすことが推奨されます。ずっと動かさないでいると、関節を支える筋肉が衰え、関節自体も硬くなって(拘縮)、ますます動きが悪くなってしまうからです。 「安静にしすぎないこと」が、実は早期回復のポイントです。

膝の水を抜くと癖になるというのは本当ですか?

これは医学的な根拠のない誤解です。 水が溜まるのは、膝の中で炎症が起きているからです。水を抜くからまた溜まるのではなく、炎症が治まっていないから再び水が溜まってしまうのです。 溜まった水を放置すると、その中の炎症物質がさらに軟骨を傷めてしまうため、必要に応じて水を抜くことは適切な処置と言えます。

ヒアルロン酸注射は一生打ち続けなければならないのでしょうか?

必ずしも一生打つ必要はありません。 注射はあくまで、痛みを和らげている間に運動療法などで膝を支える力をつけ、自力で生活できるようにするための「助け」です。 適切なリハビリや生活改善によって膝の状態が安定すれば、注射の回数を減らしたり、卒業したりすることは十分に可能です。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ:諦める前に、もう一度自分の膝と向き合ってみませんか

「もう年だから」「注射をしても変わらないから」と、痛みを抱えたまま過ごすのは本当につらいことですよね。

しかし、今回お話ししたように、ヒアルロン酸で治らないのには理由があります。それは、あなたの膝が悪いのではなく、今の治療法だけではカバーしきれない部分があるというサインかもしれません。

膝の痛みは、単なる老化現象ではありません。 適切なリハビリテーション、装具の活用、そして生活習慣の工夫。これらを組み合わせることで、たとえ軟骨がすり減っていても、痛みをコントロールしながら自分らしく歩き続けることは可能です。

一度の注射で魔法のように治ることは難しくても、一歩ずつ正しい方向へ進めば、膝は必ず応えてくれます。

もし今、治療に行き詰まりを感じているなら、どうぞ一人で悩まずに、私たち専門医に相談してください。あなたの膝の状態に合わせた、注射以外の解決策を一緒に探していきましょう。

もう一度、自分の足で好きな場所へ出かけられる喜びを取り戻しましょう。そのためのサポートを、私たちは全力でお手伝いさせていただきます。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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