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股関節 階段で股関節が詰まる?痛みの原因とスムーズに動かすための対策を整形外科医が解説

階段で股関節が詰まる?痛みの原因とスムーズに動かすための対策を整形外科医が解説

階段で感じる「股関節の詰まり」とは?多くの方が抱える悩み

最近、階段を上る時に足が上がりにくい、あるいは股関節の付け根に何かが挟まったような「詰まる感じ」を覚えることはありませんか?

「以前はトントンとリズムよく上れたのに、今は一段ずつ慎重にならないと怖い」 「股関節の奥の方がズキッとして、動き出しがスムーズにいかない」 「詰まる感じがして、無理に動かすとパキッと音が鳴ることがある」

こうした症状は、実は多くの方が経験するものです。しかし、多くの方が「もう歳だから仕方ない」と諦めてしまったり、「手術が必要になるのではないか」と不安を抱えたまま放置してしまったりしています。

股関節は、私たちの体の中で最も大きな関節の一つであり、歩く、立つ、座るといった日常のあらゆる動作を支える「かなめ」です。特に階段の上り下りは、平地を歩く時よりも数倍の負荷が股関節にかかるため、小さなトラブルが症状として現れやすい場面でもあります。

この記事では、整形外科専門医の視点から、なぜ階段で股関節が詰まるような感覚や痛みが出るのか、その正体と対策について、難しい専門用語をできるだけ使わずに解説していきます。

なぜ階段で股関節が詰まるのか?考えられる主な原因

股関節の「詰まり」や「痛み」を感じる時、体内では一体何が起きているのでしょうか。股関節は、骨盤のくぼみ(臼蓋:きゅうがい)に、太ももの骨の先端にある丸い頭(大腿骨頭:だいたいこっとう)がはまり込むような構造をしています。ちょうど、お椀の中にボールが入っているような形をイメージしてください。

この「お椀とボール」が滑らかに動くことで、私たちは足を自由に動かすことができます。しかし、何らかの理由でこの動きが妨げられると、詰まったような違和感や痛みが生じます。

考えられる主な原因をいくつか挙げてみましょう。

1. 骨や軟骨の形状の変化(変形性股関節症の初期など)

年齢を重ねるにつれて、関節の表面を覆っているクッションの役割をする「軟骨」が少しずつすり減ったり、骨の端に「骨棘(こつきょく)」という小さなトゲのような突起ができたりすることがあります。階段を上る際、深く足を曲げた時にこの突起が周囲の組織に触れたり、関節の隙間が狭くなっていたりすると、物理的に「詰まった」ような感覚が生じます。

2. 関節唇(かんせつしん)のトラブル

股関節のお椀(くぼみ)の縁には、関節唇という柔らかい軟骨の組織があります。これは、ボールが外れないように安定させ、パッキンのような役割をしています。スポーツの経験や長年の使い過ぎによって、この関節唇に小さな傷がついたり、形が崩れたりすると、足を上げた時に引っかかりを感じることがあります。これを「股関節インピンジメント(衝突)」と呼びます。

3. 筋肉や腱の柔軟性の低下

実は、骨そのものに異常がなくても詰まりを感じることは多いものです。股関節の周りには、たくさんの筋肉や腱が張り巡らされています。特に、足の付け根にある「腸腰筋(ちょうようきん)」という筋肉が硬くなると、股関節の前側が圧迫され、足を上げる動作がスムーズにいかなくなります。

これを例えるなら、ドアの蝶番(ちょうつがい)にゴミが挟まっていたり、油が切れて動きが悪くなっていたりするような状態です。階段での違和感は、体からの「少しメンテナンスが必要ですよ」というサインなのです。

股関節の「詰まり」を放置するとどうなる?

階段でのちょっとした違和感を「まだ大丈夫」と放っておくと、症状が進行してしまう可能性があります。

初期の段階では、階段の上り下りや、椅子から立ち上がる時だけ痛みや詰まりを感じますが、進行すると平地を歩く時にも痛みが出るようになり、さらにはじっとしていても疼くような痛み(安静時痛)に変わることがあります。

また、痛みをかばって歩くようになると、反対側の足や腰、膝にも余計な負担がかかり、結果として全身のバランスを崩してしまうことにもつながります。

「最近、靴下を履くのが大変になった」 「爪切りをする時に足が開きにくい」

もし心当たりがあるなら、それは股関節の柔軟性が低下し、可動域(動かせる範囲)が狭まっている証拠です。早めに対策を立てることで、将来的な手術を回避し、自分の足で元気に歩き続ける可能性を大きく広げることができます。

自宅でできる!股関節をスムーズに動かすためのセルフケア

股関節の詰まりを解消し、階段をスムーズに動かすためには、関節周りの筋肉を柔らかくし、正しく使えるようにすることが大切です。ここでは、私が診察室でもお伝えしている、簡単で効果的なセルフケアを2つ紹介します。

無理のない範囲で、毎日少しずつ続けてみてください。

1. 足の付け根を伸ばす「腸腰筋ストレッチ」

股関節の前側にある「腸腰筋」を伸ばすことで、詰まり感を軽減します。

椅子や壁に手を置いて体を支え、片足を大きく後ろに引きます。 背筋を伸ばしたまま、重心をゆっくりと前の方へ移動させます。 後ろに引いた方の足の付け根(前側)が心地よく伸びているのを感じたら、そのまま20秒から30秒キープします。 左右入れ替えて同様に行います。

呼吸を止めず、反動をつけずにゆっくりと伸ばすのがコツです。

2. お尻の筋肉をほぐすストレッチ

お尻の筋肉が硬いと、股関節の動きが制限されます。

椅子に浅く腰掛け、片方の足首を反対側の膝の上に乗せます(数字の「4」を作るイメージ)。 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上半身を前に倒していきます。 お尻の筋肉が伸びているのを感じたら、20秒キープします。 左右交互に行います。

これだけで、股関節の「ボール」が「お椀」の中でスムーズに転がりやすくなります。

生活習慣での注意点

ストレッチに加えて、日常生活で少し意識を変えるだけでも股関節への負担は減らせます。

体重管理:体重が1キロ増えるだけで、階段ではその数倍の負担が股関節にかかります。急激なダイエットは必要ありませんが、現状を維持することを心がけましょう。 靴選び:クッション性の高い靴を選ぶことで、地面からの衝撃を和らげることができます。 姿勢を整える:猫背や反り腰は、股関節を不自然な角度で使う原因になります。おへその下あたりに少し力を入れ、背筋を伸ばして歩くよう意識してみましょう。

病院で行う治療法と専門医のアドバイス

セルフケアを行っても症状が改善しない場合や、痛みが強くなってくる場合は、一度整形外科を受診することをお勧めします。

専門医のもとでは、まずレントゲンやMRIなどの画像診断を行い、股関節の状態を正確に把握します。その上で、次のような治療法を組み合わせて提案することが一般的です。

薬物療法:炎症を抑える飲み薬や貼り薬を使用して、まずは痛みを取り除きます。 リハビリテーション:理学療法士などの専門スタッフが、個々の状態に合わせた筋力トレーニングやストレッチの指導を行います。これが実は最も重要で、正しい体の使い方を覚えることが根本解決への近道です。 関節内注射:関節の中にヒアルロン酸などを注入し、潤滑油の役割を補うことで動きをスムーズにします。

多くの場合は、こうした「保存療法(手術をしない治療)」で症状をコントロールし、日常生活の質を維持することが可能です。

診察の際には、「いつから」「どんな時に」「どこが」「どのように」痛むのかをメモしていくと、診断がスムーズに進みます。例えば、「階段を上る時、右側の付け根の奥がズキッとする」といった具体的な情報は、私たち医師にとって非常に貴重な手がかりとなります。

よくある質問(FAQ)

股関節の悩みを持つ患者さんからよく受ける質問にお答えします。

痛みがあるときは動かしちゃいけない?

痛みの程度によりますが、全く動かさないのは逆効果になることが多いです。 激痛がある時や、動かすことで明らかに痛みが悪化する場合は安静が必要ですが、軽い違和感や「詰まる感じ」程度であれば、無理のない範囲で動かした方が血流が良くなり、筋肉の緊張もほぐれます。ただし、痛みを我慢してまで階段を無理に上ったり、激しい運動をしたりするのは避けましょう。痛くない範囲で、ゆっくりとストレッチをすることから始めてください。

温めるのと冷やすの、どちらが良いですか?

基本的には「温める」方が良い場合が多いです。 長引く股関節の痛みや詰まり感は、血行不良や筋肉の硬さが原因であることが多いため、入浴などでゆっくり温めることで症状が和らぎます。お風呂の中で軽く股関節を回すのも効果的です。ただし、転倒した直後や、患部が熱を持って腫れているような「急性の炎症」がある場合は、一時的に冷やして様子を見てください。

筋トレをすれば治りますか?

筋力は必要ですが、ただ鍛えれば良いというわけではありません。 股関節を支える筋肉(特にお尻の筋肉など)を鍛えることは非常に大切ですが、硬くなった筋肉をそのままにして筋トレを行うと、さらに詰まり感が強くなってしまうことがあります。まずは「ほぐす(ストレッチ)」、その次に「鍛える(筋トレ)」という順番が大切です。自己流の激しい筋トレは症状を悪化させることもあるため、最初は専門家の指導を受けることをお勧めします。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ:股関節の健康を守り、一生自分の足で歩くために

階段で股関節が詰まったり痛んだりすると、どうしても「もう年かな」「いつか歩けなくなるかも」といったネガティブな気持ちになりがちです。しかし、今の医学では、適切なケアと治療を行うことで、その進行を遅らせたり、痛みを和らげたりする方法がたくさんあります。

股関節の違和感は、体からの大切なお知らせです。「年齢のせい」と諦めて活動範囲を狭めてしまうのではなく、まずは自分の股関節で何が起きているのかを知り、小さなケアから始めてみませんか。

階段をスムーズに上れるようになると、外出が楽しくなり、心まで明るくなります。 「自分の足でどこまでも歩ける喜び」を、これからもずっと大切にしていけるよう、私たちは全力でサポートさせていただきます。

少しでも不安を感じたら、一人で悩まずにぜひお近くの専門医に相談してみてください。あなたの毎日が、より軽やかで活力あるものになることを心から願っています。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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