治療電話相談はこちら

0120-117-560

【電話受付時間】月〜金/9:00〜16:30(年末年始休診)

メニュー

COLUMN

膝 膝の水は抜くと癖になる?水を抜く目的と繰り返したときの対応

膝の水は抜くと癖になる?水を抜く目的と繰り返したときの対応

膝の水は、抜くこと自体で「癖になる」わけではありません。抜いた後に再びたまる主な理由は、変形性膝関節症などによる炎症が残っていることです。膝の水を抜く処置には、張りや痛みを和らげる目的と、関節液を調べて原因を確かめる目的があります。ただし、水があれば毎回抜くとは限りません。まず整形外科で、腫れの原因と処置の必要性を確認しましょう。急な強い痛み、赤み・熱感、発熱、体重をかけられない症状がある場合は、感染なども考え、当日中の受診が必要です。

膝の水とは?抜いても再びたまる理由

膝の水とは、関節の中にある「関節液」のことです。関節液が通常より多くたまった状態を、関節水腫(かんせつすいしゅ)と呼びます。

関節液には、関節の動きを滑らかにし、軟骨に栄養を届ける働きがあります。もともと必要な液体ですが、関節の内側を覆う膜である「滑膜」に炎症が起こると、量が増えて膝が腫れることがあります。

水を抜いて張りが軽くなっても、炎症の原因までなくなるとは限りません。原因が残れば再び関節液が増えるため、「抜いたからまたたまった」と感じることがあります。再発を減らすには、水を抜く必要性と、水がたまる原因への治療を分けて考えることが大切です。[1]

膝の水を抜く目的は、症状の軽減と原因の確認

膝の水を抜く「関節穿刺(かんせつせんし)」には、たまった液体による苦痛を減らす役割と、診断のために液体を採取する役割があります。抜いた量だけで、処置の必要性や病気の重さが決まるわけではありません。

張りや曲げにくさを和らげる

関節液が多くたまると膝の内側の圧力が高まり、張った感じや曲げ伸ばしのしにくさにつながります。水を抜くことで、こうした症状の改善が期待できます。ただし、軟骨や骨、半月板などに由来する痛みは残る場合があります。[1]

関節液を調べ、治療方針を決める

関節液に血液が混じっていないか、濁りがないかを確認し、必要に応じて白血球数、細菌の検査、結晶の検査などを行います。細菌の検査は感染を、結晶の検査は痛風や偽痛風を調べる手がかりになります。液体の色だけで病名を確定することはできません。[4][5]

膝の水は、たまったら必ず抜く必要がありますか?

水がたまっていても、すべての方に水抜きが必要なわけではありません。痛みや張りの程度、動かしにくさ、原因を調べる必要性を踏まえて判断します。

膝の状態対応の考え方
張りが強く、曲げ伸ばしや歩行がつらい症状を和らげるため、関節穿刺を検討します。
急に腫れた、原因が不明、感染などが疑われる診断のために関節液を採取することがあります。強い症状があれば早急な診察が必要です。
腫れが軽く、原因が分かっており、危険な兆候がない負担の調整や薬物療法などを行い、抜かずに経過を見る場合があります。
水を抜いても短期間で繰り返す再度抜く必要性に加え、診断や負担のかかり方、治療内容を見直します。

炎症が落ち着けば、たまった関節液が吸収されて減ることもあります。一方、感染を疑う場合は、腫れが軽く見えても検査を急ぐことがあります。「少ないから大丈夫」「たまっているから必ず抜く」と自己判断しないことが大切です。

膝に水がたまる主な原因と受診の目安

膝に水がたまる原因には、変形性膝関節症、けが、結晶による炎症、関節リウマチ、感染などがあります。「年齢のせい」と決めつけず、腫れ方や経過を確認します。

症状・経過の特徴考えられる原因
歩き始めや階段で痛む、動いた後に腫れる変形性膝関節症など
ひねった後に腫れた、引っかかる、伸ばしにくい半月板損傷、靱帯損傷など
急に強く痛み、赤みや熱感がある偽痛風、痛風、細菌による関節の感染など
朝のこわばりが続き、ほかの関節も腫れる関節リウマチなど
転倒後に急に腫れ、体重をかけにくい骨折や関節内の出血など

表は診断の手がかりであり、症状だけで病名は決まりません。変形性膝関節症がある方に、別の病気が重なる場合もあります。

当日中に受診したい症状

  • 急に強い痛みが出て、膝が赤く熱を持っている
  • 膝の腫れと発熱、悪寒、強いだるさがある
  • 体重をかけられない、けがの後に急激に腫れた
  • 水抜きや注射の後、痛み・腫れ・赤みが次第に強くなる

関節に細菌が入る「化膿性関節炎」は、早急な治療が必要です。発熱がない場合も、感染は否定できません。上記の症状があれば、救急対応を含めた医療機関で評価を受けましょう。

強い症状がなくても、腫れが続く、何度も繰り返す、歩行や睡眠に支障がある場合は、整形外科を受診してください。膝が引っかかって伸びなくなった場合も、早めの診察が必要です。

水を抜く処置の流れ・痛み・リスク

関節穿刺は、皮膚を消毒して注射針を関節内へ進め、注射器で液体を採取する処置です。針を刺す痛みや圧迫感があり、感じ方には個人差があります。

診察で関節液の位置を確認し、必要に応じて超音波を使います。処置後は止血し、針を刺した部分を保護します。水を抜いた後に薬を注射する場合もありますが、水抜きと薬剤の注射は、目的も注意点も異なる処置です。

主なリスクには、一時的な痛み、出血・内出血、まれな感染などがあります。血液を固まりにくくする薬、糖尿病、皮膚の傷や化膿、消毒薬などのアレルギーがあれば、事前に伝えてください。服用中の薬を自己判断で中止する必要はありません。中止の要否は医師が判断します。

膝の水を抜いても繰り返すとき、何を調べますか?

繰り返す場合は、水が戻るまでの期間、痛みの変化、仕事や運動による負担を確認し、必要な検査を選びます。毎回同じ処置を続けるだけでなく、原因の見直しが重要です。

レントゲン・超音波・MRIを使い分ける

  • レントゲン:関節の隙間や骨の変形、骨折の有無などを確認します。
  • 超音波:関節液や滑膜、膝周囲の状態を確認します。関節の外側の腫れとの区別にも役立ちます。
  • MRI:半月板や靱帯、骨の内部などを詳しく調べる必要がある場合に検討します。
  • 関節液検査・血液検査:感染や結晶による炎症、関節リウマチなどが疑われる場合に選択します。

MRIは、水がたまる方全員に必要な検査ではありません。ただし、レントゲンの変化だけでは説明しにくい強い痛みや、長引く症状がある場合は、追加の検査が役立つことがあります。[2][3]

画像と症状を照らし合わせる

診療では「画像に異常があるか」だけでなく、「その異常が今の腫れや痛みを説明できるか」を考えます。例えば、MRIで半月板の変化が見つかっても、それだけで手術が必要とは判断しません。

年齢、活動量、仕事内容、痛みの場所、膝が動く範囲、これまでの治療で何が改善したかを合わせて、治療方針を決めます。「水を抜くと張りは減るが痛みは変わらない」という経過も、痛みの原因を考える重要な情報です。

繰り返す膝の水に対する治療と、自宅でできる対策

治療は、水がたまる原因に合わせて行います。変形性膝関節症では、負担の調整、運動療法、体重管理、薬などを組み合わせることが基本です。[2][3]

腫れが強い時期は負担を減らす

長時間の歩行、階段の往復、深いしゃがみ込みなど、痛みが増える動作を一時的に減らします。熱を持って腫れている場合は、保冷剤をタオルで包み、皮膚の状態を見ながら短時間冷やすと楽になることがあります。感覚が鈍い方や血行に問題がある方は、冷却方法を医師に相談してください。

強く揉む、無理に曲げ伸ばしする、痛みを我慢して歩き続けることは避けます。腫れを減らそうとして飲み水を制限しても、関節の炎症への治療にはなりません。

落ち着いてきたら、無理のない運動を再開する

必要以上に長く動かさないと、筋力や膝の動きが低下します。強い腫れや痛みが落ち着いたら、医師や理学療法士に確認しながら、太ももの筋力訓練や痛みの出ない範囲の曲げ伸ばしを行います。肥満がある場合は、栄養や筋力を保ちながらの体重管理も役立ちます。[2]

薬や注射は、原因と体の状態に合わせる

痛み止めの塗り薬や貼り薬、飲み薬を用いることがあります。飲み薬は胃腸や腎臓などへの影響があるため、持病やほかの薬との組み合わせを確認します。

変形性膝関節症では、痛みや動かしにくさを和らげるためにヒアルロン酸注射を検討する場合があります。炎症が強い場合は、感染を除外したうえでステロイド注射を選択することもあります。ステロイドは短期的な症状緩和を目的とし、血糖値の上昇や頻回投与の影響などに注意します。注射の効果には個人差があり、回数や間隔は個別に判断します。[2]

感染が原因なら抗菌薬や関節の洗浄など、関節リウマチなら病気自体を抑える治療が必要です。水抜きや痛み止めだけでは十分でない場合があります。

膝の水を抜いた後は、どう過ごせばよいですか?

処置後は、担当医の指示に従い、針を刺した部分を清潔に保って過ごします。通常の歩行が可能なこともありますが、痛みが軽くなったからといって、すぐに運動量を増やさないことが大切です。

  • 当日は長距離歩行、激しい運動、膝への強い負荷を控える
  • 入浴・シャワーの再開時期と、保護テープを外す時期を確認する
  • 腫れが戻るまでの期間、痛みの変化、負担の大きかった動作を記録する
  • 赤み・熱感・腫れが増す、強い痛みや発熱が出る場合は速やかに連絡・受診する

一緒に注射した薬の種類や、もともとの病気によって注意点は変わります。処置の際に「何を注射したか」「どの症状なら連絡するか」を確認しておくと安心です。

水を抜く回数が増えたら、手術が必要ですか?

水を抜いた回数だけで、手術の必要性は決まりません。原因となる病気、痛みや歩行への影響、保存療法の効果を踏まえて検討します。

変形性膝関節症では、運動療法や薬などを行っても日常生活に大きな支障が続く場合に、骨切り術や人工膝関節の手術などを相談します。年齢だけでなく、変形の状態や活動性、本人の希望も重要です。[3]

一方、関節の感染や、膝が引っかかって動かせない状態などでは、早期の処置・手術が必要になることがあります。原因を確認せず、水抜きだけを続けて受診の機会を逃さないようにしましょう。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ|膝の水は「抜くかどうか」と「原因への治療」が大切

膝の水を抜く処置は、症状を和らげ、原因を調べるための選択肢です。再びたまったときは、抜いたことを原因と決めつけず、炎症が続く理由を確認します。

  • 膝の水は、抜くこと自体で癖になるわけではありません。
  • 水抜きには、張り・動かしにくさの軽減と、診断のための検査という目的があります。
  • 水があっても毎回抜くとは限らず、症状や原因に応じて判断します。
  • 繰り返す場合は、診断、生活上の負担、治療内容を見直します。
  • 急な強い痛みや赤み・熱感、発熱があれば、速やかな受診が必要です。

膝の腫れや痛みが続く場合は、整形外科で原因を確認しましょう。

よくある質問

Q1.膝の水は何回まで抜いても大丈夫ですか?

一律に「何回まで」という上限はありません。毎回、症状を和らげる必要性や検査の目的、感染・出血のリスクを考えて判断します。短期間に繰り返す場合は原因と治療方針を見直します。併用する薬剤の注射回数は別に考えます。

Q2.膝の水を抜いたら、潤滑液がなくなりませんか?

通常、必要な関節液が永久になくなることはありません。関節液は滑膜でつくられ、吸収もされています。関節穿刺は、過剰にたまった液体を抜いたり、検査に必要な量を採取したりする処置です。

Q3.膝の水を抜く費用は、保険が使えますか?

保険医療機関で、診断・治療上必要な関節穿刺を受ける場合は、通常、保険診療の対象です。診察や検査、併用する薬、自己負担割合で総額は変わります。自由診療の医療機関では費用体系が異なるため、事前に確認してください。

Q4.膝の水は、自分で押したり揉んだりすれば抜けますか?

押したり揉んだりして、関節液を体の外へ出すことはできません。強い刺激は痛みを悪化させることがあります。自分で針を刺すことは、感染や出血の危険があるため避けてください。腫れが続く場合は整形外科で確認しましょう。

参考文献・参考情報

  1. 日本臨床整形外科学会「【誤った知識】膝の水を抜くと癖になる」
  2. 日本整形外科学会『変形性膝関節症診療ガイドライン2023』Mindsガイドラインライブラリ
  3. 日本整形外科学会「変形性膝関節症」
  4. 国立病院機構 熊本再春医療センター「検体検査:体腔液(胸水、腹水、関節液)検査」
  5. 国立病院機構 大阪南医療センター「微生物検査室」

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

(プロフィール)


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

CONTACT

ひざ関節の痛みに完全特化!

治療電話相談はこちら

【電話受付時間】月〜金/9:00〜16:30(土日祝休診)

各種ご相談やご予約はこちら

  • ひざの痛みに関する相談
  • セカンドオピニオンの相談
  • 再生医療に関する相談
  • MRI検査のご予約