コラム COLUMN
膝の痛み膝 膝の上が痛い!その原因と対処法
膝上の痛みは、意外と多くの人が経験する痛みです。この痛みは日常生活に支障をきたすことがあり、時には激しい運動や仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼすことがあります。ここでは、膝上の痛みの主な原因と、自宅でできる効果的な対処法について詳しく解説します。
大腿四頭筋腱炎(ジャンパー膝)
原因
大腿四頭筋腱炎は、ジャンプや走るといった反復動作による過剰なストレスが主な原因です。特にバスケットボール、バレーボール、トラック競技など、瞬発力と脚力を要求されるスポーツをする人に多く見られます。腱に反復して大きな力がかかることで、微小な損傷が蓄積され、炎症と痛みを引き起こします。腱の炎症は意外と長引くことが多いです。
リスクファクター
トレーニングのやり過ぎ、不適切なウォーミングアップ、筋肉の柔軟性不足、筋力不足、運動時の不適切なフォームなどが、リスクを高めます。私も運動前のストレッチをさぼってしまい、腱炎になることが時々あります。運動前のストレッチはしっかりと行いましょう。
滑液包炎
原因
膝の滑液包は、関節をスムーズに動かすための小さな袋で、衝撃を吸収し、骨や腱の摩擦を減らす役割を持っています。繰り返しの運動や過剰な圧力、または外傷によって滑液包が炎症を起こし、膝上の痛みを引き起こすことがあります。特に膝を多く使うスポーツや活動、長時間の立ち仕事などで発症しやすいです。
リスクファクター
オーバーユース、関節の過度な使い過ぎ、直接的な衝撃や怪我、特定の姿勢の繰り返しなどが原因となることがあります。
膝蓋大腿関節症
原因
膝蓋大腿関節症は、膝蓋骨(膝のお皿)と大腿骨(太ももの骨)の間の軟骨の摩耗や劣化によって生じます。通常、この軟骨は滑らかであり、膝の動きを助けますが、摩耗すると骨同士が直接接触し、痛みや不快感を引き起こします。
リスクファクター
加齢、過体重、過度の使用、遺伝的要因、以前の膝の怪我などが、膝蓋大腿関節症を引き起こす要因となりえます。レントゲンを撮ればすぐに診断がつきますが、ひどくなると部分的な人工関節になることもあります。
その他の考えられる原因
筋肉のアンバランス
膝上の筋肉(特に大腿四頭筋)と膝下の筋肉(特にハムストリングス)のアンバランスも、膝上の痛みの原因となります。特に、大腿四頭筋が過度に強化され、ハムストリングスが相対的に弱い場合、膝に不自然なストレスがかかり、痛みや不具合を引き起こすことがあります。
姿勢の問題
正しい姿勢を保つことができず、特に歩行や走行時に不適切な体重のかけ方をすると、膝上に過度な負担がかかります。長時間にわたる悪い姿勢は、膝の痛みを引き起こす原因の一つになり得ます。
足のアライメント
扁平足や高いアーチのような足の形状の問題も、膝への不適切な力の分配を引き起こし、膝上の痛みの原因となることがあります。また、内または外側に足が傾くギック足やX脚、O脚なども膝への負担を増加させます。
靴の問題
不適切なフットウェアは膝への負担を増大させ、膝上の痛みの原因となります。特に、サポートが不十分な靴や、運動時に適していない靴を履くことで、膝に不必要なストレスがかかることがあります。
自宅でできる対処法
冷却療法
急性の炎症や腫れがある場合は、冷却パックや氷の袋を患部に適用します。炎症を抑え、腫れを減らす効果があります。
温熱療法
慢性的な痛みや筋肉の硬さがある場合は、温湿布や温かいタオルを使用します。筋肉の緊張をほぐし、血流を改善します。
ストレッチと筋トレ
大腿四頭筋やハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)のストレッチを行います。また、膝を支える筋肉の強化には、軽いスクワットやレッグエクステンションが有効です。
適切な休息
過度な運動や重労働を避け、膝に負担をかけないようにします。必要に応じて活動量を調節し、十分な休息を取りましょう。
適切なフットウェアの選択
足元のサポートが十分な靴を選び、必要に応じてインソールを使用します。不適切な靴は膝への負担を増やす原因になります。
まとめ
膝上の痛みは、日常生活における運動や活動量の調節、適切な休息、そして家庭での簡単なケアによって改善することが可能です。しかし、原因が明確でない場合や痛みが長期間続く場合は、専門家の診断と治療を受けることが最も重要です。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
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