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股関節 股関節が安静にしていても痛い|夜間の痛みで確認したい症状と原因

股関節が安静にしていても痛い|夜間の痛みで確認したい症状と原因

股関節が安静にしていても痛い場合は、変形性股関節症に伴う炎症、股関節の外側にある腱の障害、腰の神経の問題などが考えられます。夜間痛があるだけで、病気が末期である、手術が必要であるとは判断できません。まずは「動かなくても痛む」「寝返りで痛む」「横向きで下になった側が痛む」の違いを確認し、痛みを強める動作を控えましょう。ただし、急に立てないほど痛くなった場合や、発熱を伴う強い痛みは当日の受診が必要です。眠れない痛みが続く場合も、早めに整形外科で原因を確認してください。

この記事の内容

股関節の安静時痛・夜間痛とは?

安静時痛とは、歩いたり脚を動かしたりしていないときにも感じる痛みです。夜間痛とは、夜に生じる痛みで、動かずにいても痛む場合と、寝返りや寝る姿勢によって痛む場合があります。

「夜に痛い」という情報だけでは原因を絞れません。横向きの圧迫、寝返りによる関節の動き、関節や周囲組織の炎症など、異なる仕組みが関係するためです。

痛みが出る場面診察で確認すること
横向きで、下になった股関節の外側が痛い外側の腱や滑液包への圧迫が関係していないか
寝返りや脚の向きを変えたときに痛い股関節の動きに伴う痛みか、周囲の筋肉・腱の痛みか
姿勢を変えても、じっとしていても痛い関節の炎症、骨の病変、神経の問題などがないか

この違いは診断の手がかりであり、表だけで病名を決めることはできません。

股関節が安静時にも痛くなる主な原因

原因は股関節の中だけとは限りません。関節の周囲にある腱、骨、腰の神経も含めて考えます。

変形性股関節症

変形性股関節症は、関節の軟骨がすり減り、骨や関節周囲にも変化が生じる病気です。歩き始めの痛みに加え、進行すると安静時や夜間にも痛むことがあります。靴下を履く、足の爪を切るといった動作のしにくさも手がかりになります。

ただし、痛みの強さとレントゲン上の変形の程度は、必ずしも一致しません。変形がある方でも、今回の痛みに別の病気が重なっていないかを確認します。

股関節の外側の腱障害・滑液包の炎症

股関節の外側には、体を支える筋肉の腱と、組織同士の摩擦を減らす滑液包があります。この周辺の痛みをまとめて「大転子部痛症候群」と呼びます。

外側の骨の出っ張り付近が痛み、痛い側を下にして寝るとつらい、階段で同じ場所が痛む、といった特徴があります。単なる滑液包炎だけでなく、お尻の筋肉の腱の障害が関係することもあります。

腰からくる神経の痛み

腰の神経が刺激されると、お尻や股関節周辺、太ももに痛みが出ることがあります。しびれや、腰の姿勢によって変わる痛みがあれば、腰も調べます。

股関節と腰の病気が同時に存在することもあるため、「痛い場所が股関節の近くだから股関節だけの問題」とは限りません。

骨折・大腿骨頭壊死症などの骨の病変

急に始まった痛みでは、太ももの付け根の骨折や、骨の表面近くに小さな骨折が生じる「大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折」も考えます。骨が弱くなっている方では、はっきりした転倒がなくても起こる場合があります。

大腿骨頭壊死症は、太ももの骨の先端への血流が障害され、骨の組織が壊死する病気です。ステロイドの全身投与歴や多量の飲酒歴が手がかりになりますが、該当しない方にも生じます。

こうした骨の病変は、初期のレントゲンでは分かりにくいことがあります。急な痛みや歩きにくさを、年齢や筋肉の硬さだけで片づけないことが大切です。

感染症・炎症性の病気など

関節に細菌が入る化膿性関節炎では、強い痛みや動かしにくさが生じ、発熱やだるさを伴うことがあります。早急な治療が必要です。股関節は体の深い位置にあるため、外から腫れが目立たないこともあります。

複数の関節の痛みや長く続く朝のこわばりでは、関節リウマチなども確認します。まれに腫瘍などが関係しますが、夜間痛があるだけでがんを疑いすぎる必要はありません。痛みが増し続ける場合や、理由の分からない体重減少を伴う場合は受診してください。

受診の目安|当日受診と早めの相談を分けて考える

緊急度は、夜に痛むかどうかだけではなく、痛みの始まり方、歩けるか、発熱などを合わせて判断します。

当日中に受診したい症状

  • 急に強く痛み、立てない・脚に体重をかけられない
  • 転倒や尻もちの後から強く痛む、歩きにくくなった
  • 発熱や悪寒を伴い、股関節が強く痛む・ほとんど動かせない
  • 短時間で痛みが急激に悪化している

整形外科や救急外来に相談し、無理に歩いて受診しないでください。発熱がなくても、急な強い痛みや歩行困難がある場合は受診を先延ばしにしないことが重要です。

早めに整形外科へ相談したい症状

  • 痛みで眠れない、何度も目が覚める
  • 安静時痛が続く、日ごとに強くなる
  • 足を引きずる、靴下が履きにくいなど生活に支障がある
  • レントゲンで異常なしと言われた後も、痛みが続く・悪化する

睡眠や歩行に影響している場合は、何週間も待たずに受診しましょう。軽い痛みが明らかに改善している場合は短期間様子をみられることもありますが、再発を繰り返すなら相談してください。

受診前に自分で確認しておきたいこと

痛みを無理に再現するよりも、普段の生活で気づいた変化を記録すると診察に役立ちます。

確認する項目伝える内容の例
場所脚の付け根の前、外側の出っ張り、お尻、太もも
始まり方突然か徐々にか、転倒や運動量の変化があったか
夜の痛み寝返りだけか、横向きだけか、動かなくても痛むか
生活への影響眠れるか、歩けるか、靴下を履けるか
関連する情報発熱、しびれ、骨粗鬆症、ステロイドの使用歴、治療中の病気

痛む脚で片脚立ちを続けたり、強く押したり、無理に脚を開いたりする自己テストは避けてください。

自宅でできる対策|寝方と活動量を調整する

原因が分かるまでは、痛みを強める負担を減らすことが基本です。急な強い痛みや発熱がある場合は、自宅対策より受診を優先してください。

痛む場所を圧迫しない寝方を試す

横向きで外側が痛む場合は、痛い側を下にしないようにします。反対側を下にするなら、両膝の間にクッションを入れると、上側の脚が内側へ落ち込む負担を減らせることがあります。

仰向けでは、膝の下に薄いクッションを置くと楽になる方もいます。全員に合う姿勢ではないため、痛みが増す置き方はやめましょう。

歩く量を減らし、強いストレッチを控える

長時間の歩行、繰り返す階段、深いしゃがみ込みなど、痛みが増す動作は一時的に減らします。安静時にも痛むときに、無理な開脚や強いマッサージで「ほぐそう」としないでください。

一方で、原因が確認され、運動してよい状態なら、長く寝たままで過ごす必要はありません。翌日やその夜に痛みを残さないよう、運動の種類と量を医師・理学療法士と調整します。

冷却・温熱は心地よい範囲で

活動後に痛みが増したときは、冷たいタオルなどで短時間冷やすと楽になる場合があります。慢性的なこわばりでは温めると楽になることもありますが、痛みが増す場合は中止します。

冷却材や温熱器具を直接皮膚に当て続けたり、つけたまま眠ったりしないでください。発熱を伴う強い痛みは、温めて様子をみる状態ではありません。

整形外科ではどのような検査をする?

まず診察で痛みの発生源を考え、必要な画像検査や血液検査を選びます。全員にMRIが必要なわけではありません。

診察・レントゲン

股関節の動く範囲、動かしたときの痛み、外側の圧痛、歩き方を確認します。必要に応じて腰や神経も調べます。レントゲンでは、関節の隙間、骨の形、明らかな骨折などを確認します。

MRI・超音波・血液検査

MRIは、レントゲンで分かりにくい骨折や骨頭壊死などが疑われる場合に役立ちます。超音波は関節液や周囲の腱・滑液包の評価に用いられます。感染や炎症性疾患が疑われる場合は、血液検査や関節液の検査を検討します。

画像に変形が写っていても、それだけで痛みの原因が決まるわけではありません。「軽い変形なのに急に歩けなくなった」「外側の圧迫だけで強く痛む」など、画像と症状が合わない場合は別の原因も調べます。

股関節の安静時痛にはどのような治療がある?

治療は原因によって異なります。慢性的な関節や腱の痛みでは、負担の調整、運動療法、薬を組み合わせることが基本ですが、骨折や感染では別の対応が必要です。

生活動作の調整・運動療法

関節や腱の状態に合わせ、股関節を支える筋肉の運動などを行います。外側の腱の痛みでは、圧迫を減らす生活上の工夫も大切です。過体重がある場合は、筋力や栄養を保ちながらの体重管理を検討します。

骨折が疑われる場合などは、体重をかけない「免荷」が必要なこともあります。自己判断で運動を増やさず、診断に合った方法を選びましょう。

痛み止め・必要に応じた注射

痛み止めは、持病や併用薬を踏まえて選びます。消炎鎮痛薬には胃腸や腎臓などへの副作用があるため、市販薬も含めて自己判断で増量・重複使用しないでください。

診断によっては、ステロイド注射を短期的な痛みの軽減に用いる場合があります。ただし効果や持続期間には個人差があり、感染などのリスクも考慮します。感染や骨折などの評価をせず、痛む場所へ繰り返し注射することは適切ではありません。

夜間痛があると手術が必要?

夜間痛だけで手術は決まりません。原因、画像所見、睡眠や歩行への影響、保存療法への反応、本人の希望を合わせて判断します。

変形性股関節症では、薬や運動療法、生活調整を行っても生活上の支障が大きい場合に、人工股関節などを検討します。年齢だけでなく、仕事、活動量、全身状態も判断材料です。

一方、骨折、感染、骨のつぶれが進行する病変では、保存療法を長く続けることが適切とは限りません。手術を避けることだけを目標にせず、必要性と時期を相談することが大切です。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ|股関節が安静にしていても痛いときは原因の確認を

股関節の安静時痛・夜間痛では、痛む場所と場面を整理し、緊急性のある症状を見逃さないことが大切です。

  • 夜間痛には、関節の炎症、外側の腱への圧迫、腰の神経など複数の原因があります。
  • 急な歩行困難、発熱を伴う強い痛み、転倒後の痛みは当日の受診を検討してください。
  • レントゲンで異常がなくても、症状によってはMRIなどが必要です。
  • 原因に合わせた保存療法で改善が期待できる場合があり、夜間痛だけで手術は決まりません。

眠れない痛みを「年齢のせい」と我慢せず、症状が続く場合は整形外科で原因を確認しましょう。

よくある質問

股関節が夜だけ痛いのですが、昼間は歩けても受診した方がよいですか?

夜の痛みを繰り返す、眠れない、徐々に強くなる場合は受診をおすすめします。昼間に歩けることだけでは、治療が必要な病気を否定できません。横向きや寝返りとの関係も伝えると診察に役立ちます。

股関節の安静時の痛みは、湿布で様子をみてもよいですか?

軽く、明らかに改善している痛みなら短期間の経過観察が可能な場合もあります。ただし、湿布で楽になっても原因は確定しません。急な強い痛み、発熱、歩行困難がある場合や、夜間痛が続く場合は受診してください。

マットレスを替えると、寝ているときの股関節痛は治りますか?

圧迫による痛みが和らぐ可能性はありますが、寝具だけで治るとは限りません。まず姿勢やクッションで調整し、痛みが続くなら原因を確認しましょう。すべての方に共通して適した硬さはありません。

ステロイドを飲んでいて股関節が痛くなったら、薬をやめるべきですか?

自己判断で中止せず、処方医と整形外科に相談してください。全身へのステロイド投与歴は骨頭壊死や骨折の評価で重要です。薬の名前、量、使用期間を伝えましょう。急に中止すると元の病気の悪化などを招く場合があります。

参考文献・参考情報

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

(プロフィール)


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

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