コラム COLUMN
スポーツ外傷膝の痛み膝 膝のロッキングとは?
膝のロッキングとは?
膝のロッキングとは、突然膝が動かなくなる現象を指します。この状態は急激な激しい痛みと共に現れ、歩行が困難になります。膝関節内の骨や軟骨、半月板の組織が関節の隙間に挟まることが原因で、関節がロックされるように感じるのです。
ロッキングが起こる原因
ロッキングの主な原因は、膝関節内にある浮遊物が関節の隙間に挟まることです。以下の疾患がこの浮遊物を生じさせ、ロッキングを引き起こすことがあります。
半月板損傷
半月板は膝関節の中で大腿骨と下腿骨の間に位置し、クッションの役割を果たしています。外からの強い衝撃や加齢による劣化で損傷しやすく、損傷した半月板が関節に挟まるとロッキングが起こります。若い世代ではスポーツなどによる外傷が多く、中高年では加齢による変性が原因となります。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、加齢などで膝の軟骨がすり減ることで起こります。初期には歩き始める時の痛み、中期には慢性的な痛み、末期には膝の変形が進行します。欠けた軟骨や半月板が関節に挟まることでロッキングが生じます。
離断性骨軟骨炎
主に10代の男子に見られる疾患で、スポーツなどの外傷が原因で軟骨が剥がれ落ち、その欠片が関節に挟まることでロッキングが起こります。
ロッキングの前兆と症状
膝のロッキング現象には前兆があることがあります。以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。
- 膝が引っ掛かるような痛み
- 膝に力が入らない
- 膝が抜けるような感覚
- 膝関節部の腫れや膨らみ
- スポーツなどで膝を打った後の長引く痛み
ロッキングの応急処置と治療法
自分で治す方法
ロッキングを自分で解除する方法が紹介されていますが、一般の方が不用意に行うと状態が悪化することがあります。ロッキングが起こった場合は、無理に動かさずに医師の診察を受けるようにしてください。
整形外科での対処
整形外科では、局所麻酔薬を使用し、関節に挟まった物体を動かして解除します。初回のロッキング解除が難しい場合や繰り返す場合は、手術を検討します。MRI検査で原因を確定し、関節鏡手術で浮遊物を取り除くことが有効です。
保存療法と手術療法
ロッキングの治療には保存療法と手術療法があります。
保存療法
保存療法には薬物療法、運動療法、装具療法があります。薬物療法ではヒアルロン酸の注入や鎮痛剤の投与が行われます。保存療法は治療期間が長くなりますが、手術を避けたい場合に適しています。
手術療法
半月板が大きく損傷している場合は手術が検討されます。手術には半月板縫合術と半月板切除術があります。
- 半月板縫合術: 損傷した半月板を縫合する手術です。半月板を温存するため、将来的な変形性膝関節症のリスクを低減できますが、回復には時間がかかります。
- 半月板切除術: 損傷した半月板を切除する手術です。回復が早い反面、膝への負荷が増し、変形性膝関節症のリスクが高まります。
ロッキングを防ぐために
ロッキングを防ぐためには、膝への負担を減らすことが重要です。適切な運動や体重管理、膝の保護具の使用などが推奨されます。また、膝に異常を感じた場合は早めに整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
まとめ
膝のロッキングは突然の痛みと共に膝が動かなくなる現象で、半月板損傷や変形性膝関節症、離断性骨軟骨炎などが原因で起こります。ロッキングが起こった場合は無理に動かさず、医師の診察を受けることが重要です。適切な保存療法や手術療法で症状を改善し、再発を防ぐための予防策を講じることが求められます。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
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