コラム COLUMN
変形性膝関節症その他膝 膝からポキポキ音が鳴る原因は?
膝から「ポキポキ」と音が鳴ることは、若者から高齢者まで多くの人が経験する現象です。特に、山歩きやハイキングなどのアウトドア活動を楽しむ人々にとっては気になる症状かもしれません。この記事では、膝から音が鳴る原因について詳しく解説し、その対策方法についても紹介します。
膝から音が鳴るメカニズム
ポキポキ音の正体
「ポキポキ」という音は、関節内に溜まった気泡が弾ける音です。関節は関節液で満たされており、この液体が軟骨を保護しています。急に関節を動かすと圧力が変化し、気泡ができ、それが弾けることで音が鳴るのです。これは指の関節がポキポキ鳴る現象と同じです。
ミシミシ・ギシギシ音
膝から「ミシミシ」や「ギシギシ」といった音が鳴る場合、これは軟骨が擦れ合っている可能性があります。これらの音は変形性膝関節症の初期症状であることが多く、放置すると症状が進行する可能性があります。
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症の概要
変形性膝関節症は、膝の軟骨が徐々にすり減り、骨同士が直接接触することで痛みや炎症が生じる疾患です。日本では約3,000万人がこの病気に苦しんでいると推定されています。特に高齢者に多く見られますが、中年層にも発症することがあります。
初期症状
初期の変形性膝関節症では、膝を動かしたときに音がする、違和感やこわばりがあるといった症状が現れます。ある調査では、40代の男性の約90%、女性の約77%が膝の音や違和感を感じていると回答しています。これらの症状を放置すると、進行して痛みが強くなり、日常生活に支障をきたす可能性があります。
進行期の症状
進行期には、軟骨がさらにすり減り、関節液が増加して膝の腫れや水が溜まることがあります。最終的には、軟骨がほとんど消失し、骨同士が直接擦れ合うことで「ゴリゴリ」や「ガリガリ」といった音が鳴るようになります。この段階では、膝の変形が見た目にも明らかになり、歩行困難になることが多いです。
膝から音が鳴る原因
- 加齢:加齢に伴い、関節軟骨が摩耗しやすくなります。特に50歳を過ぎると変形性膝関節症の発症リスクが高まります。
- 過度な運動:激しいスポーツや過度な運動は、膝に大きな負担をかけ、軟骨の摩耗を加速させることがあります。
- 肥満:体重が増えると、膝にかかる負荷も増大します。歩行時には体重の2~3倍、階段の上り下りでは4~5倍の負荷が膝にかかるため、肥満は膝の健康にとって大きなリスク要因となります。
- 遺伝的要因:遺伝的に関節の弱い人や、家族に変形性膝関節症の患者がいる場合は、発症リスクが高いとされています。
変形性膝関節症の予防方法
適度な運動
適度な運動を続けることで、膝を支える筋肉を強化し、関節の柔軟性を保つことができます。特に、スクワットといった筋トレは効果的です。また、プールでの歩行や自転車漕ぎなど、膝に負担の少ない運動もおすすめです。
体重管理
体重を減らすことで、膝への負荷を軽減できます。体重を3kg減らすだけで、階段を降りる時の膝への衝撃を10kg減らすことができるとされています。
ストレッチ
日常的にストレッチを行い、膝周りの筋肉をほぐすことも重要です。「背伸び体操」や「タオル体操」など、簡単にできるストレッチを取り入れましょう。
早期発見と治療
早期の整形外科受診
膝に違和感や音が鳴る場合は、早めに整形外科を受診することが重要です。早期に診断を受けることで、進行を遅らせたり、症状を軽減したりする治療が可能です。
定期的な検診
定期的な健康診断や膝の検査を受けることで、変形性膝関節症の早期発見につながります。特に家族に膝のトラブルを抱えている人がいる場合は、注意が必要です。
まとめ
膝からポキポキ音が鳴ることは、単なる生理現象である場合もありますが、変形性膝関節症の前兆である可能性もあります。日常生活で膝の音や違和感を感じたら、早めに対策を講じ、必要であれば医療機関を受診することが重要です。適切な運動や体重管理、ストレッチを日常に取り入れ、膝の健康を保ちましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
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