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膝 膝の痛みを和らげるストレッチ5選|自宅で簡単にできる方法

膝の痛みは、年齢を重ねるとともに増えてくるお悩みの一つです。特に「歩くと膝が痛い」「階段の上り下りで膝がつらい」「朝起きると膝がこわばる」など、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
このような痛みの原因として多いのが、膝まわりの柔軟性低下や筋肉のアンバランスです。ストレッチを取り入れることで、関節まわりの筋肉の緊張を和らげ、血流を改善し、痛みの軽減が期待できます。
今回は、整形外科専門医の視点から、自宅で簡単にできる「膝の痛みを和らげるストレッチ」を5つご紹介します。続けることで症状の予防にもつながりますので、ぜひ取り入れてみてください。
この記事の内容
1. 寝ながらできる膝ひねりストレッチ

このストレッチは、太ももの外側や腰まわりをやさしくほぐすことができます。
方法
- 仰向けに寝て、両膝を立てます。
- 両膝をそろえたまま、ゆっくりと左右に倒します。
- 左右それぞれ5回ずつ行いましょう。
腰や骨盤にも働きかけるため、膝の痛みと腰痛を同時に抱えている方にもおすすめです。
2. 座って行う内ももストレッチ(バタフライ)

内ももの筋肉(内転筋)が硬くなると、膝の動きが制限されやすくなります。
方法
- 床に座り、両足の裏を合わせて膝を左右に開きます。
- 両手で足をつかみ、背筋を伸ばしたまま前に倒れます。
- 10秒×3セットを目安に。
無理に膝を床に近づける必要はなく、呼吸を止めずにゆっくり行うのがポイントです。
3. もも裏(ハムストリング)ストレッチ

もも裏が硬いと骨盤の動きが悪くなり、膝への負担が増えます。
方法
- 床に座って足を前に伸ばします。
- 片方の足を曲げ、もう一方の足先に向かって体を倒します。
- 伸ばした足側のもも裏が伸びている感覚を10秒キープ。
背中を丸めず、背筋を伸ばして行うことで効果が高まります。
4. 太ももの前(大腿四頭筋)ストレッチ

太ももの前が硬くなると膝蓋骨(お皿)の動きが悪くなり、膝関節に圧力がかかりやすくなります。
方法
- うつ伏せになり、足首を手で持ち、かかとをお尻に近づけます。
- 太ももの前に伸びを感じながら10秒キープ。
- 反対側も同様に行いましょう。
寝た姿勢でできるため、転倒リスクが少なく高齢者にも安心です。
5. お尻の筋肉(大殿筋)ストレッチ

大殿筋は膝の安定にも関わる重要な筋肉です。硬くなると膝に偏った負担がかかります。
方法
- 椅子に浅く腰掛け、右足を左ひざの上に乗せます。
- 背筋を伸ばしたまま、上半身を前に倒します。
- お尻の外側に伸びを感じながら30秒キープ。
テレビを見ながらでもできるので、習慣化しやすいストレッチです。
ストレッチを継続するためのコツ
ストレッチは「毎日少しずつ続けること」が大切です。痛みが強いときは無理せず休み、症状が和らいできたら再開しましょう。
また、膝の痛みが続く場合や、腫れ・熱感・強いしびれを伴う場合は、自己判断せず整形外科や再生医療専門のクリニックを受診してください。
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。
まとめ
膝の痛みは、日常的なストレッチで軽減できる可能性があります。特に膝まわりの筋肉を柔らかく保つことで、関節にかかる負担を減らし、再発予防にもつながります。
ご紹介した5つのストレッチは、自宅で無理なく続けられる内容です。ぜひ毎日の生活に取り入れて、膝の健康維持に役立ててください。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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