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その他 背中の痛みは内臓の病気?整形外科で見落とさないために

背中の痛みは内臓の病気?整形外科で見落とさないために

「最近、背中が重だるい」「寝起きに背中が痛くて目が覚める」
そんな経験をしたことはありませんか。背中の痛みは、多くの方が「肩こりや姿勢の悪さのせい」と考えがちですが、実は内臓の病気が隠れていることもあります。特に50代以降になると、整形外科的な原因だけでなく、内科的な病気が痛みのサインとして現れることも少なくありません。今回は、整形外科専門医の立場から「背中の痛みと内臓疾患の関係」についてわかりやすく解説します。

背中の痛みでよくある体験談

外来でも「長時間座っていると背中が張ってくる」「運転すると痛む」といった訴えはよく耳にします。多くは筋肉や関節の疲労によるものですが、中には「胃の不調だと思っていたら背中が痛んでいた」「心臓の病気で背中に違和感が出ていた」というケースもあります。整形外科と内科の症状が重なって出るため、自己判断が難しいことが特徴です。

背中の痛みの主な原因

背中の痛みには大きく分けて2つのパターンがあります。

  1. 整形外科的な原因
    ・筋肉の疲労や緊張(長時間の同じ姿勢、運動不足)
    ・背骨や椎間板の変性(加齢や姿勢の影響)
    ・骨粗しょう症による圧迫骨折
    ・肩甲骨まわりの動きの悪さ
  2. 内臓に関連する原因
    ・心臓(狭心症や心筋梗塞で肩甲骨の間に痛みを感じることがある)
    ・胃や膵臓(胃潰瘍や膵炎で背中に響くような痛みが出る)
    ・腎臓(尿路結石や腎盂腎炎で腰背部に強い痛みが出る)
    ・大動脈(解離性大動脈瘤などは命に関わる急激な背中の痛みを伴う)

こうした内臓由来の痛みは、整形外科的な治療をしても改善しないのが特徴です。「湿布やストレッチで良くならない」「休んでも痛みが続く」場合は注意が必要です。

医学的に見た背中の痛みの仕組み

背中には多くの神経が走っており、内臓とつながる神経も存在します。脳は「内臓からの痛み」を正しく区別できないことがあり、結果的に「背中の痛み」として感じられるのです。これを「関連痛」と呼びます。たとえば心臓の病気が左肩や背中に痛みを出すのは、この関連痛の代表的な例です。

整形外科でできる検査と治療

背中の痛みで受診された場合、整形外科ではまず問診と診察で原因を絞り込みます。レントゲンで骨や関節の状態を確認し、必要に応じてMRIや血液検査を行うこともあります。もし内臓疾患が疑われる場合は、内科や循環器科などと連携して検査を進めることになります。

整形外科的な原因であれば、以下のような治療が行われます。
・姿勢指導(デスクワークでの座り方、枕の高さの調整など)
・ストレッチやリハビリ(肩甲骨まわりや背筋を柔らかく保つ)
・鎮痛薬や湿布などの保存療法
・骨粗しょう症がある場合は薬物治療の併用

日常生活でできる予防と対策

背中の痛みを防ぐには、日常生活での工夫が大切です。
・長時間同じ姿勢を避け、こまめに背伸びをする
・軽い運動(ウォーキングや背筋を使う体操)で筋肉を保つ
・寝具を見直し、背中に負担をかけない環境を整える
・喫煙や過度の飲酒を控え、生活習慣病の予防につなげる

特に高齢の方では、筋力低下や骨粗しょう症が背景にあることも多いため、無理のない範囲で筋肉を維持することが大切です。

よくある質問と誤解への回答

Q1. 背中が痛いときは安静にすべきですか?
必ずしも安静が良いとは限りません。痛みが強い急性期は無理を避けるべきですが、慢性的な痛みは軽い運動のほうが改善につながることが多いです。

Q2. 背中の痛みがあると内臓の病気と考えるべきですか?
すべてが内臓疾患ではありません。多くは筋肉や骨格の問題ですが、「今までと違う強い痛み」「じっとしていても続く痛み」があるときは早めの受診をおすすめします。

Q3. 背中の痛みは年齢のせいで治らないのですか?
いいえ、年齢だけが原因ではありません。治療やリハビリ、生活習慣の工夫で改善する可能性は十分にあります。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて「再生医療」という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体が本来持つ自然治癒力を引き出し、関節や組織の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を点滴で投与することで、膝や股関節だけでなく、腰痛などの慢性疼痛に対しても炎症を抑えたり、組織の修復を促したりする効果が期待されています。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無を医師がしっかり診断したうえで治療を検討することが大切です

まとめ

背中の痛みは「姿勢の悪さ」や「筋肉のこり」といった整形外科的な原因だけでなく、心臓・胃・腎臓など内臓の病気が関わることもあります。大切なのは、「いつもと違う痛みを見逃さない」ことです。整形外科では診察を通して原因を見極め、必要に応じて内科と連携することができます。背中の痛みを「年齢のせい」と諦めず、正しい診断と適切な治療で快適な生活を取り戻しましょう。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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