コラム COLUMN
肩 肩が石灰化する石灰沈着性腱板炎とは?
石灰沈着性腱板炎は肩の腱板にカルシウム塩が沈着し、炎症を引き起こす病気です。これによって肩に強い痛みや動きの制限が生じることが特徴です。この記事では、石灰沈着性腱板炎の概要、症状、原因、診断方法、および治療法について一般の方にも分かりやすく解説します。
石灰沈着性腱板炎とは?
石灰沈着性腱板炎は、肩腱板の軟組織内にリン酸カルシウムの結晶が沈着することにより炎症が生じる病気です。主に40代から50代の女性に多く見られますが、男性や他の年代の人々にも発症することがあります。この病気は、肩の動きを制限し、日常生活に支障をきたすことがあります。
症状の特徴
石灰沈着性腱板炎の症状には、以下のような特徴があります
- 激しい痛み: 症状は急性または慢性であり、急性の場合、肩に突然激しい痛みが生じます。特に夜間痛が特徴的で、睡眠を妨げることもあります。
- 動作時の痛み: 腕を挙げる動作や物を持つ動作で痛みが増すことがあります。
- 可動域の制限: 炎症が進むと、肩の可動域が制限され、日常生活の動作に影響が出ることがあります。
原因とリスクファクター
石灰沈着性腱板炎の正確な原因は未だに完全には解明されていませんが、以下のリスクファクターが関連していると考えられます
- 年齢と性別: 特に中高年の女性に多く見られます。
- 肩の過度な使用: スポーツや職業活動による肩の過度な使用が関連している場合があります。
- 内分泌障害: 甲状腺障害やエストロゲン代謝の問題も影響を与える可能性があります。
診断方法
- X線検査: 石灰沈着を確認する最も一般的な方法です。
- 超音波検査: 石灰の正確な位置と大きさを評価するのに役立ちます。
- MRI: 腱板の他の損傷を評価するために行われることがあります。
治療方法
石灰沈着性腱板炎の治療は、症状の重さに応じて異なりますが、以下の治療法が一般的です
- 薬物療法: NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)が用いられ、痛みと炎症を和らげます。
- ステロイド注射: 痛みが強い場合には、ステロイドの局所注射が効果的な場合があります。
- 物理療法: 痛みが軽減した後、肩の可動域と力を取り戻すために実施されます。
- 手術: 保存的治療で改善が見られない場合には、関節鏡手術が行われることがあります。
予防
日常生活での適切な肩の使い方や適度な運動が重要です。特に肩に過度な負担をかける活動は避け、肩の筋肉を強化する適切なトレーニングを行うことが推奨されます。また、症状が現れた場合には早期に医師の診断を受けることが重要です。
石灰沈着性腱板炎は適切な治療と管理により、その症状を大幅に改善することが可能です。肩の健康を維持するためにも、日々の予防と早期対応が鍵となります。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
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