
コラム COLUMN
腰 椎間板ヘルニアの原因と対処法

椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッション(椎間板)が損傷し、中のゼリー状の組織(髄核)が外に飛び出すことで、神経を圧迫し、腰や足に痛みやしびれを引き起こす状態です。特に20代から40代の比較的若い男性に多く見られます。
椎間板ヘルニアの原因
主な原因として、加齢による椎間板の劣化、不適切な姿勢、重い物を持ち上げる動作の繰り返し、運動不足、喫煙などが挙げられます。これらの要因が椎間板に過度な負担をかけ、損傷を引き起こします。
症状
椎間板ヘルニアの主な症状は、腰痛やお尻から足にかけての痛みやしびれ(坐骨神経痛)です。重症化すると、足の筋力低下や感覚の鈍化、さらには排尿や排便の障害が現れることもあります。これらの症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
痛みを和らげる即効性のある対処法
安静にする
痛みが強いときは、無理に動かず安静を保ちましょう。特に初期段階では、症状の悪化を防ぐために極力動かないことが推奨されます。
冷却する
痛む部分にアイスパックをあてて15分程度冷却することで、炎症を抑え、痛みを軽減することができます。
市販の鎮痛剤や湿布の使用
アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなどの市販の鎮痛剤を内服することで、痛みの緩和が期待できます。
サポーターやコルセットの使用
腰を固定することで、ヘルニアによる神経圧迫が和らぎ、痛みが軽減します。
日常生活での注意点
姿勢に気を付ける
長時間の前かがみや中腰の姿勢は避け、背筋を伸ばした正しい姿勢を心がけましょう。座る際には、腰のあたりにクッションを入れることや、背もたれの角度を調整できる椅子を使用することが効果的です。
適度なストレッチや運動
硬くなっている筋肉をストレッチで柔らかくすることにより、ヘルニアの症状を軽減できます。また、腰だけでなく、股関節や足などの下半身と体幹を中心にストレッチすることで、筋肉に柔軟性が得られ、腰への負担が相対的に軽減されます。
体重管理と禁煙
肥満や喫煙は椎間板ヘルニアのリスクを高めるため、適切な体重を維持し、禁煙を心がけましょう。
治療法
椎間板ヘルニアの治療は、症状の程度や持続期間によって異なります。一般的には、以下の方法が用いられます。
薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬が処方されます。
理学療法
理学療法士の指導のもと、ストレッチや筋力強化の運動を行い、症状の改善を図ります。
注射療法(ブロック注射)
圧迫されている神経の周囲に薬を注入し、痛みを軽減します。
手術療法
保存療法で効果が見られない場合や、重度の症状がある場合には、手術が検討されます。
再生医療
今注目されている切らずに治す治療が再生医療です。慢性的な痛みに対して幹細胞の点滴が有効であることがわかっています。
まとめ
椎間板ヘルニアによる痛みは、日常生活に大きな支障を及ぼすことがあります。痛みを感じた際には、安静、冷却、鎮痛剤の使用、サポーターの活用などの対処法を試みるとともに、日常生活での姿勢や体重管理にも注意を払いましょう。症状が改善しない場合や悪化する場合は、専門医の診断と適切な治療を受けることが重要です。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)


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