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変形性膝関節症膝の治療再生医療 変形性膝関節症に再生医療は効く?治療法の選び方と最新情報

膝の痛みに悩まされる方の多くが、「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」と診断されています。加齢や過度な負担により関節の軟骨がすり減り、炎症や変形が生じるこの疾患は、高齢者だけでなく、スポーツをしていた方や立ち仕事の多い方にも見られます。
従来の治療法では、痛みを一時的に和らげる対症療法が中心でした。しかし近年、「再生医療」という新しい治療選択肢が注目を集めています。この記事では、再生医療が変形性膝関節症にどのように効果があるのか、どんな人に向いているのか、そして治療法の選び方についてわかりやすく解説します。
変形性膝関節症とは?症状と原因を知ろう
変形性膝関節症は、関節内の軟骨がすり減ることで、骨同士が直接こすれ合い、痛みや腫れ、関節の動きに制限が出る病気です。初期には「朝だけ痛い」「歩き出しに違和感がある」といった軽い症状から始まり、進行すると階段の上り下りや正座が困難になります。
原因は加齢に伴う軟骨の老化だけでなく、肥満やO脚、関節への繰り返しの負荷、外傷歴などが挙げられます。女性に多く見られる疾患で、特に60代以降の方が発症しやすい傾向にあります。
再生医療とは?最新の関節治療
再生医療とは、傷んだ組織を修復・再生させることを目的とした新しい医療です。特に整形外科領域では、関節の軟骨再生を目指す治療として注目されています。膝の再生医療でよく用いられるのは、「PRP療法」と「幹細胞治療」です。
PRP療法は、自身の血液から血小板を濃縮し、患部に注射することで自然治癒力を高める治療法です。スポーツ選手が受けていることでも有名になりました。幹細胞治療は、体内の脂肪などから採取した幹細胞を膝関節に注射し、炎症を抑えつつ軟骨の再生を促します。
これらの治療はメスを使わず、入院の必要がないため、「手術は避けたい」「日常生活を維持しながら治療したい」という方に向いています。
再生医療は変形性膝関節症に効くのか?
再生医療は、変形性膝関節症の根本的な改善を目指す治療の一つです。特に、初期~中等度の変形性膝関節症に対して有効性が高いとされています。痛みの軽減や歩行の改善、関節の可動域向上などの効果が報告されています。
ただし、軟骨のすり減りが著しく、関節の変形が進行した「末期」の状態では、効果が限定的となることがあります。そのため、早めの段階で再生医療を検討することが重要です。
また、再生医療はすべての医療機関で受けられるわけではなく、厚生労働省の認可を受けたクリニックや専門施設でのみ提供されています。
再生医療のメリットと注意点
再生医療のメリットとしては以下の点が挙げられます。
- メスを使わない低侵襲治療
- 入院不要で日帰り可能
- 自己組織を使うため拒絶反応が起きにくい
- 関節の機能改善と痛みの軽減が期待できる
一方で、保険適用外の自由診療となるため、治療費が高額になる点には注意が必要です。また、効果には個人差があるため、必ず医師と十分な相談を行い、自身に合った治療かどうかを見極めましょう。
自分に合った治療法を選ぶには?
変形性膝関節症の治療法は、「保存療法」「注射療法」「再生医療」「手術」などさまざまです。どの治療が適しているかは、年齢、活動レベル、関節の状態、症状の進行度によって異なります。
再生医療を検討する際は、まず整形外科専門医による診断を受けることが重要です。その上で、再生医療専門のクリニックを選ぶと安心です。カウンセリング時には、治療の流れ、効果の見込み、副作用の有無、費用などをしっかり確認しましょう。
まとめ|変形性膝関節症には早めの対応を
変形性膝関節症は、進行する前に適切な治療を受けることで、痛みを抑え、日常生活の質を保つことができます。再生医療は、手術に頼らず自然な回復を促す治療法として、新たな希望を与えてくれる存在です。
膝の痛みが続く方や、既存の治療で満足できない方は、ぜひ一度、再生医療について専門医に相談してみてはいかがでしょうか。


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