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FAQ股関節 「股関節の硬さ改善」でよくある8つの質問に専門医がやさしく回答

股関節の硬さは、日常生活の歩行や階段の上り下り、さらには腰や膝の健康にも深く関わる大切なポイントです。「昔に比べて足が上がりにくくなった」「あぐらがかけない」といったお悩みは、多くの方が経験される非常に身近な症状です。
ここでは、整形外科専門医の視点から、股関節の硬さ改善について患者様より多くいただくご質問に分かりやすくお答えします。
この記事の内容
股関節が硬くなる主な原因は何ですか?
多くの場合、長時間のデスクワークや運動不足によって股関節周りの筋肉(特に腸腰筋など)が凝り固まってしまうことが原因です。また、加齢に伴い関節を包む袋が硬くなったり、軟骨がすり減ったりする「変形性股関節症」の初期症状として硬さを感じることもあります。筋肉の柔軟性不足か、関節自体の問題かを見極めることが改善の第一歩です。
年齢を重ねてからでも股関節の硬さは改善できますか?
はい、何歳からでも改善の可能性は十分にありますので安心してください。もちろん、10代のような柔らかさに戻すのは難しいですが、適切なストレッチや運動を継続することで、今よりも可動域を広げ、日常の動作を楽にすることは可能です。大切なのは「無理をせず、痛みのない範囲でゆっくりと」継続することです。焦らずにご自身のペースで進めていきましょう。
股関節が硬いと、体にどのような悪影響がありますか?
股関節の動きが悪くなると、それを補おうとして腰や膝に過度な負担がかかり、腰痛や膝の痛みを引き起こす原因になります。また、歩幅が狭くなることで転倒のリスクが高まったり、血流が悪くなって冷えやむくみを感じやすくなったりすることもあります。股関節は体の中で最も大きな関節の一つですので、ここを柔軟に保つことは全身の健康維持に直結します。
効果的なストレッチのポイントを教えてください。
一番のポイントは、反動をつけずに「ゆっくりと深く呼吸をしながら」伸ばすことです。筋肉は強い痛みを感じると、防御反応で逆に硬くなってしまいます。「痛気持ちいい」と感じる程度の強さで、20〜30秒ほど静止させてください。特にお風呂上がりなど、体が温まっているタイミングで行うと筋肉が伸びやすく、より高い効果が期待できます。

改善を実感できるまで、どのくらいの期間が必要ですか?
個人差はありますが、まずは2〜3ヶ月を目安に継続してみてください。筋肉の細胞が入れ替わり、柔軟性が定着してくるまでには一定の時間が必要です。数日ですぐに劇的な変化が出るものではありませんが、コツコツと続けることで「階段が楽になった」「靴下が履きやすくなった」といった小さな変化を実感できるようになります。焦らず習慣化することが成功の近道です。
病院を受診すべき「硬さ」の目安はありますか?
「痛み」を伴う場合は、早めの受診をお勧めします。特に、股関節の付け根(鼠径部)に痛みがある、夜寝ていても痛む、歩き始めに強い違和感があるといった場合は、単なる筋肉の硬さではなく、関節に炎症や変形が起きている可能性があります。整形外科でレントゲン等の検査を受けることで、原因を特定し、適切なリハビリや治療を受けることができます。
ウォーキングをしていれば股関節は柔らかくなりますか?
ウォーキングは筋力維持や血行促進に非常に良い運動ですが、それだけで股関節の「硬さ」を改善するのは難しいのが実状です。ウォーキングは一定の範囲内で足を動かす動作が主であるため、硬くなった可動域を広げるには、やはり専用のストレッチや可動域訓練を組み合わせる必要があります。運動の前後に関節をしっかり動かす準備体操を取り入れるのが理想的です。
日常生活で股関節を硬くさせないコツはありますか?
一番の敵は「長時間同じ姿勢でいること」です。座りっぱなしの時間が長い方は、30分に一度は立ち上がって軽く足の付け根を伸ばす習慣をつけましょう。また、床に座る生活(和式)は股関節に負担がかかりやすいため、椅子とテーブルの生活(洋式)を基本にするのも良い方法です。日頃から股関節を大きく動かすことを意識するだけで、硬化の予防につながります。

再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

股関節の柔軟性を取り戻すことは、将来にわたって元気に歩き続けるための大きな財産になります。もしご自身でのストレッチに不安がある場合や、痛みが気になる場合は、決して無理をせず、私たち専門医や理学療法士にご相談ください。一人ひとりの状態に合わせた、最適な改善方法を一緒に見つけていきましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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