
コラム COLUMN
スポーツ外傷膝 ゴルフ後に膝が腫れるのはなぜ?原因とセルフケアの方法

ゴルフを楽しんだあと、「なんだか膝が腫れている」「ズボンがきつく感じる」といった経験はありませんか?
特に中高年のゴルファーに多いのが、プレー後の膝の違和感や腫れです。痛みがなければ気にしない方も多いですが、放っておくと慢性化したり、重症化することもあります。
本記事では、ゴルフ後に膝が腫れる原因と、**自宅でできる対処法(セルフケア)**についてわかりやすく解説します。
ゴルフで膝が腫れる人は意外と多い
ゴルフは一見、体への負担が少ないスポーツに思えますが、実際には膝にかかる負荷は想像以上です。特に18ホールを回ると、歩行距離は7〜8kmにも及び、加えてスイング動作では膝にひねりと体重移動が繰り返されます。
特に以下のような方は、プレー後に膝の腫れを感じやすくなります:
- 長年ゴルフを続けている
- 50代以上で膝の痛みを感じたことがある
- 変形性膝関節症と診断されたことがある
- 過去に半月板損傷などの既往がある
原因
原因①:関節内に水がたまる(関節水腫)
膝が腫れる主な原因は、「関節内に水がたまる」ことです。これは関節内の摩擦や炎症が強まることで、関節液が過剰に分泌されることによって起こります。
ゴルフでは、しゃがむ動作や歩行、スイングによって膝の関節が繰り返し刺激を受け、炎症が起きやすくなります。特に軟骨がすり減っている方は、衝撃吸収が不十分になり、炎症を引き起こしやすい状態になっているのです。
関節液がたまると膝の周囲が「ぷよぷよ」した感じになったり、膝の裏や前面が張るように感じることがあります。
原因②:半月板への負担
スイング動作では、左右の膝に強い捻りの力がかかります。特に右利きのゴルファーでは、左膝に大きなストレスが加わることが多く、これが半月板への負担につながります。
半月板に小さな損傷があると、わずかな炎症でも腫れの原因となることがあります。本人が気づかない程度の微細な損傷でも、ゴルフ後には膝が腫れることがあります。
原因③:変形性膝関節症の進行
すでに軟骨がすり減っている場合、ゴルフの運動量によって関節内で炎症が悪化し、腫れや痛みが現れやすくなります。初期の段階では「痛みがなく、腫れだけが出る」ことも多いため、放置してしまう方もいますが、これは変形性膝関節症が静かに進行しているサインかもしれません。
セルフケア
セルフケア①:プレー後はアイシングを
膝に腫れや違和感を感じた場合は、まず冷やすことが大切です。保冷剤や氷をタオルにくるみ、膝の前面(お皿の周囲)や腫れている部位に10〜15分ほど当てましょう。炎症を抑え、腫れの拡大を防ぐことができます。
特にゴルフ後すぐに冷却することで、翌日の腫れを軽減できます。
セルフケア②:膝の負担を減らすストレッチ
腫れが治まった後は、膝周囲の柔軟性を保つことも重要です。おすすめは太ももの前側(大腿四頭筋)や裏側(ハムストリングス)のストレッチです。膝関節への負担を軽減し、腫れの予防につながります。
また、スイング前のウォーミングアップも忘れずに。冷えた筋肉で急にスイングをすると、膝に強い負荷がかかりやすくなります。
セルフケア③:体重管理とインソールの見直し
体重が増えると膝にかかる負担も増加します。1kgの体重増加は、歩行時で膝に約3倍の負荷を与えるとも言われています。適切な体重管理を心がけましょう。
また、シューズの中敷き(インソール)も重要です。偏った歩き方や衝撃吸収の悪い靴は、膝への負担を高める原因になります。ゴルフ専用のインソールなどを活用するのもよい方法です。
病院に行くべきサインとは?
以下のような症状がある場合は、整形外科の受診をおすすめします。
- 腫れが数日以上引かない
- 膝が熱を持っている
- 歩行に支障があるほど痛い
- 過去に半月板損傷や関節の病歴がある
特に、関節内に水がたまる状態が繰り返される場合は、再生医療を含めた根本的な治療を検討することも一つの選択肢です。
まとめ
ゴルフ後の膝の腫れは、年齢や関節の状態によって起こりやすくなりますが、正しいセルフケアや早期の対応で進行を防ぐことが可能です。
「プレー後にいつも膝が腫れるな」と感じたら、ぜひ本記事の内容を参考にしながら、日常のケアを取り入れてみてください。それでも改善しない場合は、専門医に相談し、関節の状態を詳しく調べることが大切です。


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