
コラム COLUMN
腰 ゴルフのスイングで腰が痛くなるのはなぜ?負担を減らす方法

ゴルフは年齢を問わず楽しめるスポーツとして人気がありますが、「スイングのたびに腰が痛む」「ラウンド後に腰が重だるい」といった悩みを抱えている方は少なくありません。特に中高年になると、腰痛がゴルフの継続を妨げる大きな要因になり得ます。この記事では、ゴルフスイングによって腰に負担がかかる理由と、その対策についてわかりやすく解説します。
ゴルフスイングが腰に負担をかけるメカニズム
ゴルフのスイングは、非常に複雑な運動です。アドレスからフィニッシュに至るまで、体幹・股関節・肩関節などが連動して回転し、爆発的な力を生み出します。その中で腰(腰椎)は、上半身と下半身をつなぐ“ハブ”として機能しており、非常に強いねじれや圧力が加わります。
とくにスイング時には「回旋(ひねり)動作」と「前傾姿勢」が同時に起こります。この組み合わせは、腰椎の椎間板や関節に大きなストレスを与えやすく、繰り返されることで腰の筋肉や靭帯にも負担が蓄積します。さらに柔軟性が不足していると、動きが腰に集中し、より痛みが生じやすくなります。
腰痛の主な原因とは?
ゴルフによる腰痛の原因にはいくつかのタイプがあります。
① 筋筋膜性腰痛
スイングによる筋肉疲労や軽度の炎症により、腰回りの筋肉が硬くなり痛みを感じるものです。比較的軽度で、安静やストレッチで改善することが多いですが、放置すると慢性化することもあります。
② 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症
繰り返しの負荷で椎間板に亀裂が入り、内部の髄核が飛び出すことで神経を圧迫する状態です。坐骨神経痛や脚のしびれを伴うこともあります。
③ 腰椎分離症・すべり症
若い頃に分離症があった方が、加齢や負荷で症状を再燃させることがあります。回旋の多いゴルフでは、分離部分に過度のストレスがかかるため、痛みが出やすい傾向があります。
腰への負担を減らすためのポイント
腰痛を予防・軽減するには、以下のような対策が有効です。
1. スイングフォームの見直し
自己流のスイングや無理な飛距離アップは、腰への過負荷の原因となります。プロやレッスンコーチによるフォームのチェックを受け、体に優しいスイングを習得しましょう。とくに「回転は股関節から行う」「フィニッシュで無理に腰を反らさない」ことが重要です。
2. ウォームアップとストレッチ
ゴルフ前には腰だけでなく、肩や股関節、ハムストリングスなど全身のストレッチが効果的です。可動域が広がることで、腰への一極集中が避けられ、負担を分散できます。
3. 体幹トレーニングの実施
腹筋や背筋などの体幹を鍛えることで、スイング中の姿勢保持や力の伝達がスムーズになります。とくに「腹横筋」や「多裂筋」といったインナーマッスルを意識したトレーニングが腰の安定性に寄与します。
4. クラブの見直し
重すぎるクラブやシャフトが硬すぎるクラブは、スイング時の負荷を増大させます。体格や年齢に合ったクラブを選ぶことも腰痛対策の一つです。
腰に痛みを感じたら無理をしない
軽度の腰痛であれば、数日の休息やアイシング、ストレッチで改善することもありますが、痛みが続く場合や脚にしびれが出る場合は、整形外科を受診しましょう。画像検査によって原因を特定し、保存療法(薬物、リハビリ)や再生医療(PRP、幹細胞治療)など、状態に応じた治療が選択されます。
当院でも、ゴルフを続けながら治療を受けたい方のために、体に負担をかけない再生医療を導入しています。腰痛でゴルフをあきらめる前に、まずは専門医に相談してください。
まとめ
ゴルフのスイングによって腰が痛くなるのは、腰椎に過度なひねりや負担が加わるためです。フォームの見直し、柔軟性の向上、体幹トレーニングを通じて、腰への負担を減らすことができます。また、症状が出た場合は早めの対応が重要です。腰痛を防ぎながら、末永くゴルフを楽しむために、日々のケアと正しい知識を身につけておきましょう。
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


各種ご相談やご予約はこちら
- ひざの痛みに関する相談
- セカンドオピニオンの相談
- 再生医療に関する相談
- MRI検査のご予約