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膝の外側の痛み、原因は何?歩くたびに響く痛みの正体と治し方を専門医が解説

膝の外側の痛み、原因は何?歩くたびに響く痛みの正体と治し方を専門医が解説

膝の外側が痛むと、歩くこと自体が億劫になってしまいますよね。

50代から80代の患者さんからよく伺うのは、 「健康のためにウォーキングを始めたけれど、膝の外側がピリピリ痛んで続けられない」 「階段を降りる時に膝の外側がズキッとして、手すりなしでは怖い」 といった切実なお悩みです。

膝の痛みというと、内側が痛む「変形性膝関節症」をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、実は膝の外側の痛みも非常に多く、そこには特有の原因が隠れています。

私は整形外科専門医として、日々多くの膝の悩みに向き合っていますが、膝の外側の痛みは適切な知識を持って対処すれば、多くの場合で改善を目指すことができます。

今回は、膝の外側が痛む原因、そして日常生活でできる改善策について、専門用語をなるべく避けてわかりやすくお伝えします。

膝の外側が痛むとき、あなたの体で何が起きている?

膝の外側が痛む場面は、人によって様々です。まずはご自身の症状がどのような時に出るか、思い浮かべてみてください。

よくあるのは、歩き始めてしばらくすると外側が痛くなってくる、あるいは坂道や階段を降りる時に響くような痛みを感じるといったケースです。

膝は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)をつなぐ、非常に複雑な構造をした関節です。その外側には、骨を支える靭帯や、クッションの役割を果たす軟骨、そして筋肉と骨をつなぐ腱が集中しています。

膝の外側が痛むとき、そこでは「摩擦」や「過度な負担」による炎症が起きていることがほとんどです。

たとえるなら、膝はドアの「蝶番(ちょうつがい)」のようなものです。長年使い続けるうちに、潤滑油が切れたり、建付けが悪くなって一部が擦れたりすることで、ギィギィと音を立てたり、熱を持ったりするようになります。人間の体でいうこの「熱」や「擦れ」が、痛みの正体なのです。

膝の外側の痛みを引き起こす主な3つの原因

なぜ膝の外側が痛くなるのか。その代表的な原因を3つに分けて解説します。

1. 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)

これは、太ももの外側を腰から膝にかけて走っている長いバンドのような組織(腸脛靭帯)が、膝の曲げ伸ばしの際に骨とこすれて炎症を起こす状態です。

よくランナーの方に多いので「ランナー膝」とも呼ばれますが、実は50代以降の方でも、歩き方の癖や筋力の低下が原因でよく起こります。

特に、靴の外側が減りやすい方や、いわゆる「がに股」気味の方は、この靭帯が常にピンと張った状態になりやすく、歩くたびに摩擦が起きて痛みが出てしまいます。

2. 変形性膝関節症(外側型)

膝の軟骨がすり減る病気です。一般的には膝の内側が痛むことが多いのですが、足の形が「X脚」気味の方や、膝の外側に強い負担がかかる生活を送っている方は、外側の軟骨がすり減ることがあります。

これを「外側型」の変形性膝関節症と呼びます。歩くたびに骨同士がぶつかるような鈍い痛みを感じるのが特徴です。

3. 外側半月板(がいそくはんげつばん)の損傷

膝の中には、衝撃を吸収するための「半月板」という三日月型のクッションがあります。

長年の使用や、ちょっとしたひねり動作によってこの外側のクッションに亀裂が入ったり、傷んだりすると、膝を動かした時に「引っかかる感じ」や「急な痛み」が生じることがあります。

重いものを持ち上げた時や、掃除で立ったり座ったりを繰り返した後に痛みが出る場合は、このクッションの傷みが原因かもしれません。

膝の外側の痛みを和らげるための具体的な対策

痛みの原因がわかったところで、次は「どうすれば楽になるのか」を考えていきましょう。手術を考える前に、まずは日常生活でできる「保存療法(体を傷つけない治療法)」を試すことが大切です。

硬くなった筋肉をほぐすストレッチ

膝の外側の痛みの多くは、太ももの横やお尻の筋肉が硬くなっていることが関係しています。

特にお尻の横にある筋肉(中殿筋)をほぐすと、膝の外側にかかる負担が軽減されます。椅子に座った状態で片方の足をもう片方の膝の上に乗せ、背筋を伸ばしたままゆっくりお辞儀をするようなストレッチが効果的です。

ただし、痛みがある時に無理に伸ばすのは逆効果ですので、「気持ちいい」と感じる範囲で行いましょう。

膝を支える筋肉を鍛える

膝にかかる負担を減らすには、膝周りの「天然のサポーター」である筋肉を鍛えるのが一番です。

おすすめは、仰向けに寝て片方の膝を伸ばしたまま、足を20センチほど浮かせて数秒キープする運動です。これを繰り返すことで、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が鍛えられ、膝が安定します。

筋トレと聞くと構えてしまいますが、テレビを見ながら少しずつ行うだけでも、数ヶ月後には膝の安定感が変わってきます。

足元の環境を見直す

靴選びも非常に重要です。クッション性のない薄い底の靴や、かかとがすり減ったままの靴を履き続けていませんか?

膝の外側が痛む方は、靴の中に敷く「インソール(中敷き)」を工夫するだけで、痛みが劇的に軽減することがあります。自分の足の形に合った靴を選び、必要であれば土踏まずをしっかり支えるインソールを活用してみましょう。

また、ウォーキングをする際は、アスファルトのような硬い道よりも、土の道やゴムチップが敷かれた公園のコースなどを選ぶことで、膝への衝撃を和らげることができます。

専門医からお伝えしたい生活のアドバイス

クリニックで多くの患者さんを拝見していて感じるのは、「痛み=動かしてはいけない」という誤解が非常に多いということです。

もちろん、腫れがひどく熱を持っているような急性の時期は安静が必要ですが、それ以外の場合は、痛みのない範囲で動かすことが、かえって回復を早めます。

関節を動かさないと、周りの筋肉はますます硬くなり、血流も悪くなってしまいます。お風呂上がりなどの体が温まっている時に、ゆっくりと膝をさすったり、軽く曲げ伸ばしをしたりすることから始めてみてください。

また、体重管理も忘れてはいけません。歩く際、膝には体重の3倍から5倍の負担がかかると言われています。わずか1キロ減量するだけでも、膝にとっては数キロ分の負担軽減になるのです。

よくある質問

膝の痛みに関して、診察室でよくいただく質問にお答えします。

Q1. 痛みがある時は、温めるのと冷やすのどちらが良いですか?

基本的には「温める」ことをおすすめします。 お風呂でゆっくり温めると、血行が良くなり筋肉の緊張がほぐれます。慢性的な膝の痛みには温熱が効果的です。ただし、転んだりひねったりして、膝が急に腫れて熱を持っている場合(急性期)は、氷のうなどで15分ほど冷やして炎症を抑えるのが正解です。数日して熱が引いたら温めるように切り替えましょう。

Q2. 膝に水が溜まると「抜くと癖になる」というのは本当ですか?

それは誤解です。 水が溜まるのは、膝の中で炎症が起きている「結果」であって、水を抜くからまた溜まるわけではありません。むしろ、炎症を起こしている液体(関節液)をそのままにしておくと、その成分が軟骨をさらに傷めてしまうことがあります。必要に応じて水を抜き、痛みの原因である炎症を抑える治療を行うことが、早期改善への近道です。

Q3. 「年齢のせいだから治らない」と言われましたが、諦めるしかないでしょうか?

決してそんなことはありません。 確かに加齢による変化はありますが、それは「白髪が増える」のと同じで、自然な過程でもあります。大切なのは、その変化に対応できる体づくりをすることです。適切なストレッチ、筋力トレーニング、そして生活習慣の改善によって、痛みをコントロールしながら元気に歩き続けている80代の方はたくさんいらっしゃいます。諦める前に、まずは今の生活で変えられることから始めてみましょう。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ:あなたの膝はもっと良くなります

膝の外側が痛いと、「このまま歩けなくなったらどうしよう」と不安になるものです。

しかし、痛みには必ず理由があります。その理由を正しく理解し、筋肉をほぐしたり、歩き方を意識したりすることで、膝は必ず応えてくれます。

膝の痛みは、体からの「少し休んで、使い方を見直して」というサインです。そのサインを無視せず、優しくケアしてあげてください。

もし、ご自身でのケアで改善が見られない場合や、痛みが強くなっていく場合は、我慢せずに専門医にご相談ください。レントゲンや超音波検査を行うことで、より確実な原因がわかり、あなたにぴったりの治療法が見つかるはずです。

「また旅行に行きたい」「孫と一緒に歩きたい」といった前向きな目標を持って、一歩ずつ進んでいきましょう。あなたの健やかな毎日を、私たちは全力で応援しています。

まずは今日、お風呂上がりに膝の周りを優しくマッサージすることから始めてみませんか?

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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