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膝 膝の痛みを和らげるには?毎日できる改善習慣とは

膝の痛みは中高年に多く見られる症状のひとつです。歩くときに違和感を感じたり、階段の上り下りで膝がズキッとしたり、日常生活に支障をきたすこともあります。
「年齢のせいだから仕方ない」と諦めていませんか?
実は、日々のちょっとした習慣で膝の痛みを軽減し、改善へと導くことができます。
この記事では、膝の痛みの原因を解説した上で、自宅で簡単に取り組める改善習慣をご紹介します。薬や手術に頼る前にできる対策を知り、健康な膝を取り戻す第一歩にしましょう。
膝の痛みの原因とは?
膝の痛みにはさまざまな原因がありますが、特に多いのは**変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)**です。加齢とともに膝の軟骨がすり減り、関節に炎症が起こることで痛みや腫れが生じます。
そのほかにも以下のような要因があります。
- 運動不足や筋力低下による膝関節の不安定性
- 肥満による膝への負担増加
- 姿勢や歩き方のクセ
- 冷えや血行不良
こうした要素が複合的に重なり、痛みが慢性化してしまうのです。
薬や注射の前にできる「改善習慣」
痛みを和らげるために、まず取り入れたいのは日々の生活習慣の見直しです。特別な道具は必要ありません。今日からすぐに始められる方法をご紹介します。
1. 軽いストレッチで柔軟性を保つ
膝まわりの筋肉が硬くなると、関節に余計な負担がかかります。朝晩に3分だけでもよいので、以下のようなストレッチを取り入れましょう。
- 太もも前のストレッチ(大腿四頭筋):立って片足を後ろに曲げてかかとをお尻に近づける
- 太もも裏のストレッチ(ハムストリングス):座って片足を伸ばし、つま先に手を伸ばす
- ふくらはぎのストレッチ(腓腹筋):壁に手をついてアキレス腱を伸ばす姿勢
どれも20〜30秒程度を1日2回続けるだけで効果があります。
2. 膝を支える筋力を鍛える
膝関節にかかる負担を和らげるには、太もも前(大腿四頭筋)やお尻(大臀筋)の筋力が大切です。
初心者でもできる簡単なトレーニングをご紹介します。
- イススクワット:イスの前に立ち、お尻を軽く下ろす→戻すを10回
- レッグエクステンション:イスに座って片足をゆっくり伸ばす→10回×左右
- ヒップリフト:仰向けで膝を立ててお尻を持ち上げる→10回
無理に回数をこなすより、「正しいフォームでゆっくり行う」ことが重要です。
3. 膝にやさしい生活動作を心がける
膝への負担を軽減するために、以下のような体の使い方を意識しましょう。
- 階段の上り下りでは手すりを活用
- 正座は避けてイス中心の生活に
- 重い物は膝ではなく腰と体全体で持ち上げる
- 座るときは膝に負担をかけず、ゆっくり腰を下ろす
また、長時間同じ姿勢でいないことも大切です。デスクワーク中でも1時間に1回は立ち上がって膝を伸ばすなど、血流を促しましょう。
4. 冷え対策で膝の血流を促進
膝が冷えると血流が悪くなり、痛みを感じやすくなります。
- 入浴で膝まわりをしっかり温める
- 日中はひざ掛けやサポーターで保温
- エアコンの冷気が膝に直接当たらないよう工夫
夏場でも意外と膝は冷えています。通年を通して冷え対策を意識しましょう。
5. 体重管理で負担軽減
体重が1kg増えるごとに、膝にはその3〜5倍の負荷がかかると言われています。
食事や運動習慣を見直し、適正体重を維持することは膝の健康を守る最大のポイントです。
急激なダイエットではなく、バランスの良い食事と適度な運動を継続的に行いましょう。
それでも改善しないときは…
セルフケアをしても膝の痛みが続く場合や、日常生活に支障がある場合は、整形外科を受診することをおすすめします。
早期に対処すれば、再生医療や保存療法など、関節を温存する選択肢も広がります。
我慢を続けて悪化する前に、医師と相談しながら治療方針を考えましょう。
まとめ:毎日の習慣が膝を守る
膝の痛みを和らげるために特別な治療が必要なケースもありますが、多くの場合は生活習慣の見直しだけで痛みを軽減できる可能性があります。
「ストレッチ」「軽い筋トレ」「冷え対策」「姿勢改善」「体重管理」
どれも今日から実践できることばかりです。
継続は力なり。毎日の積み重ねが、将来の元気な足腰を作ります。無理のない範囲で、ぜひ生活に取り入れてみてください。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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