膝を曲げると痛みを感じる方は多く、不安を抱えていらっしゃいます。ここでは整形外科専門医の立場から、よくある質問にやさしく簡潔にお答えします。

Q1. 膝を曲げると痛いのはなぜですか？

A. 半月板損傷や関節軟骨のすり減り、靭帯や筋肉の炎症などが原因として考えられます。年齢や生活習慣によって異なるため、診察で原因を特定することが大切です。

Q2. 膝を曲げるとポキポキ音がして痛いのは大丈夫ですか？

A. 音だけなら心配いりませんが、痛みを伴う場合は軟骨や半月板の損傷が疑われます。早めに受診して確認することをおすすめします。

Q3. 膝の前側が曲げると痛いのはどんな病気ですか？

A. 膝のお皿まわりの炎症（膝蓋大腿関節症）や軟骨の変性による変形性膝関節症が代表的です。日常生活での負担が要因となることが多いです。

Q4. 膝を曲げると痛くて正座ができません。治りますか？

A. 炎症や軟骨の変性が原因の場合、薬やリハビリで改善することがあります。進行例では再生医療や手術が検討されます。早めの診断が重要です。

Q5. 運動すると膝を曲げる時だけ痛いのですが、休めば治りますか？

A. 軽い炎症なら安静で改善することもありますが、繰り返す場合は半月板や靭帯の損傷が隠れていることがあります。長引く場合は受診をおすすめします。

Q6. 膝を曲げると痛い時のセルフケアはありますか？

A. 太ももの筋肉を鍛える運動やストレッチ、冷却が有効なこともあります。ただし無理は逆効果になるため、専門医の指導を受けながら行いましょう。

Q7. 膝を曲げると痛い場合、再生医療は効果がありますか？

A. 再生医療は関節の修復を促す新しい治療で、軟骨や半月板の損傷による痛みに有効な可能性があります。ただしすべての方に適応できるわけではありません。

膝を曲げると痛む症状は多くの方が経験します。原因や改善方法は一人ひとり異なるため、不安があれば早めに整形外科を受診してご相談ください。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP（多血小板血漿）治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。