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FAQ膝 膝の軟骨損傷でよくある7つの質問に専門医がやさしく回答

膝の軟骨損傷は、スポーツや加齢、外傷などによって起こる代表的な膝関節トラブルの一つです。初期は軽い痛みや違和感だけでも、放置すると変形性膝関節症へ進行することがあります。ここでは、多くの方が疑問に感じる「軟骨損傷の原因や治療法」について、整形外科専門医がわかりやすくお答えします。
この記事の内容
膝の軟骨損傷とはどのような状態ですか?
膝の軟骨損傷とは、膝関節の骨を覆っている軟骨がすり減ったり、傷ついたりする状態です。軟骨は痛みを感じませんが、炎症や骨への負担が増すことで痛みが出てきます。進行すると関節の動きが悪くなることもあります。
膝の軟骨は自然に再生しますか?
残念ながら、軟骨には血管がほとんどないため、自然に再生することは難しいとされています。ただし、周囲の細胞を活性化するリハビリや再生医療によって、修復を促すことは可能です。早期治療が効果的です。
膝の軟骨損傷の主な原因は何ですか?
スポーツや転倒による外傷、加齢による摩耗、肥満、O脚などの姿勢バランスの崩れが主な原因です。特に中高年の方では、長年の負担が蓄積して徐々に軟骨が傷むケースが多いです。
膝の軟骨損傷は手術が必要ですか?
必ずしも手術が必要なわけではありません。軽度であればリハビリや関節注射などの保存療法で改善する場合があります。損傷が広い場合や骨が露出している場合は、手術や再生医療が検討されます。
PRPや幹細胞治療は軟骨損傷に効果がありますか?
はい、PRP療法や幹細胞治療は軟骨の修復を促す再生医療として注目されています。炎症を抑え、細胞の再生を助けることで、痛みの軽減や関節機能の改善が期待できます。早期の段階での治療が特に有効です。
軟骨損傷を放置するとどうなりますか?
放置すると軟骨がさらにすり減り、骨が直接ぶつかるようになります。その結果、痛みや腫れが強まり、変形性膝関節症へ進行することがあります。早期の治療が関節を守る鍵です。
日常生活で気をつけることはありますか?
膝を深く曲げる動作や、急な立ち上がり・階段の昇降を控えるようにしましょう。体重を適正に保つことも大切です。無理なく続けられるウォーキングやストレッチで筋肉を維持すると、膝への負担を減らせます。
膝の軟骨損傷は、放っておくと進行してしまうことが多い疾患です。痛みが軽いうちから適切な治療を行えば、関節の動きを取り戻しやすくなります。違和感を感じたら、早めに整形外科で相談しましょう。
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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