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膝 膝をしっかり治すには?効果的なリハビリ方法まとめ

膝の痛みや不調に悩む方は非常に多く、その原因は変形性膝関節症や半月板損傷、靭帯の損傷などさまざまです。どのような膝のトラブルであっても、治療と並行して「リハビリ」を行うことが、症状改善と再発予防のカギになります。
この記事では、膝をしっかりと治すための効果的なリハビリ方法について、整形外科専門医の立場からわかりやすくご紹介します。
膝のリハビリが大切な理由
膝関節は歩行や階段の昇降、立ち上がりなど日常生活に欠かせない動作を支える重要な関節です。しかし、痛みや腫れがあると動かすことを避けがちになり、その結果、筋力低下や可動域制限が起こり、さらに痛みが強くなるという悪循環に陥ります。
このような悪循環を断ち切り、膝の機能を回復させるためには、治療とともに適切なリハビリが欠かせません。特に中高年の方では、膝周囲の筋肉をしっかりと鍛え直すことで、痛みの軽減や生活の質の向上が期待できます。
膝のリハビリで押さえておきたいポイント
リハビリには段階的な進め方と目的があります。以下の3つのステップを意識するとよいでしょう。
- 炎症を抑える・安静期のケア
痛みが強い時期は無理に動かさず、アイシングや消炎鎮痛剤の使用、必要に応じて膝サポーターの使用で炎症を抑えます。この時期に無理をすると、かえって悪化することがあります。 - 可動域訓練(関節の動きを改善)
痛みが落ち着いてきたら、徐々に膝の曲げ伸ばしを行うストレッチを取り入れます。関節が固まらないよう、無理のない範囲で少しずつ動かすことが大切です。 - 筋力トレーニング(膝を支える力をつける)
膝の痛みの多くは、太ももの前側(大腿四頭筋)や内側(内側広筋)の筋力低下が原因の一つです。筋肉が弱いと、膝にかかる負担が大きくなり痛みが悪化します。筋トレにより関節への負担を軽減することができます。
自宅でもできる膝のリハビリ運動
膝のリハビリは、毎日少しずつ継続することが効果を高めます。以下にご自宅でできる簡単な運動をご紹介します。
- タオルギャザー(関節可動域訓練)
床に置いたタオルを足の指でたぐり寄せる運動です。足の筋肉を刺激し、血流も促進します。

- 膝伸ばし運動(大腿四頭筋強化)
椅子に座り、片脚をまっすぐ前に伸ばして10秒キープ。左右交互に2回ずつ。無理のない回数から始めてください。

- 内もも絞り(内側広筋強化)
膝の間にクッションを挟み、ギュッと締める動作を10秒間×3回。膝の安定性に関わる重要な筋肉を鍛えることができます。

リハビリを成功させるコツ
- 継続が何よりも大事
リハビリは「続けること」が最も大切です。たとえ1日5分でも、毎日コツコツ積み重ねることが膝の健康につながります。 - 痛みを我慢しすぎない
痛みが強いときは一旦中止し、冷やす・休むなどの対応を行ってください。無理は禁物です。 - 専門医に相談しながら進める
自己流のリハビリで逆に悪化するケースもあります。可能であれば整形外科や理学療法士と相談しながら行うのが安心です。
再生医療とリハビリの相乗効果
最近では、再生医療(幹細胞治療やPRP療法)を受けた後のリハビリも注目されています。こうした治療により関節の回復力を高めた上で、適切なリハビリを行うことで、より高い治療効果が期待できるのです。
まとめ
膝をしっかり治すためには、治療と並行してリハビリに取り組むことが重要です。膝の痛みを放置せず、早い段階で適切な対処を始めることで、痛みの軽減、動作の改善、生活の質の向上へとつながります。
今日からでもできる簡単な運動から始めて、少しずつ膝の機能を取り戻していきましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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