
コラム COLUMN
膝 正しい姿勢で膝の痛みを予防!今すぐできる改善法

年齢を重ねるにつれて増えてくる悩みの一つが「膝の痛み」です。特に階段の上り下りや長時間の歩行後に膝に違和感を覚える方は多く、放っておくと変形性膝関節症などの慢性的な疾患に進行することもあります。
その膝の痛み、もしかしたら「姿勢の悪さ」が原因かもしれません。今回は、正しい姿勢が膝に与える影響や、日常生活でできる改善法についてわかりやすく解説します。
膝に負担をかける「悪い姿勢」とは?
膝の関節は、体重を支える大切な部分です。そのため、姿勢が崩れてしまうと膝にかかる力のバランスが乱れ、関節に過度な負荷がかかってしまいます。特に次のような姿勢は要注意です。
- 猫背(前かがみ)
- 反り腰(腰を突き出すような姿勢)
- O脚やX脚
- 片脚に体重をかける立ち方
- あぐらや横座りの習慣
これらの姿勢は骨盤の位置を歪ませ、膝のアライメント(関節の配列)を崩してしまいます。その結果、膝の軟骨や半月板への負担が大きくなり、炎症や痛みが発生しやすくなるのです。
姿勢を改善すると膝はどう変わる?
正しい姿勢を身につけることで、膝にかかる負荷が適切に分散され、関節の保護機能が正常に働きます。以下のような効果が期待できます。
- 歩行や立ち上がり時の膝の動きがスムーズになる
- 膝の内側や外側に偏った痛みが軽減される
- 膝関節の炎症や腫れを予防できる
- 大腿四頭筋やハムストリングスなど、膝を支える筋肉が自然と使われるようになる
膝の健康維持には、姿勢の改善が「第一歩」であるといえるでしょう。
正しい姿勢のチェックポイント
膝に優しい正しい姿勢を維持するためには、以下のポイントを意識しましょう。
立ち姿勢
- 耳・肩・骨盤・膝・くるぶしが一直線になるよう意識
- 膝は軽く伸ばし、ロックしない
- 体重は左右均等にかけ、足裏全体で支える
座り姿勢
- 骨盤を立てて深く腰掛ける
- 両膝は90度、足裏は床にしっかりつける
- 長時間座る場合は、30〜60分に一度は立ち上がる
歩行姿勢
- 視線は前方、背筋は自然に伸ばす
- 膝をまっすぐ前に出すイメージで歩く
- つま先とかかとの着地バランスに注意
今すぐできる膝に優しい姿勢改善エクササイズ
姿勢の意識だけでなく、日々の軽い運動も膝の予防には重要です。以下に、自宅でできる簡単なエクササイズをいくつかご紹介します。
1. 壁立ちチェック
壁に背中をつけて立ち、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとが壁に自然につくか確認。これが「正しい立ち姿勢」の目安になります。
2. 椅子スクワット

椅子に座る動作をゆっくり繰り返す。膝がつま先より前に出ないように注意しながら行うことで、大腿四頭筋が鍛えられ、膝の安定性が向上します。
3. ヒールレイズ(かかと上げ)

両足を肩幅に開いて立ち、かかとをゆっくり持ち上げて戻す運動。ふくらはぎや足首周りの筋力を高め、膝への衝撃を和らげる効果があります。
無理せず、毎日少しずつ続けることが大切です。
膝の痛みがある場合は早めの受診を
すでに膝に痛みがある方は、無理に姿勢や運動を変えようとせず、まずは整形外科の受診をおすすめします。痛みの原因を正しく診断したうえで、適切なリハビリや再生医療(PRP療法・幹細胞治療など)を取り入れることで、より高い効果が期待できます。
正しい姿勢の習慣は、治療後の回復や再発予防にも非常に有効です。
まとめ:今日から姿勢を意識して、膝を守ろう
膝の痛みは、加齢だけが原因ではありません。日々の姿勢や生活習慣を見直すことで、痛みを予防し、膝の健康寿命を延ばすことができます。
今すぐできる姿勢チェックと簡単エクササイズを取り入れながら、無理のない範囲で習慣化していきましょう。
膝に違和感を感じたら、早めの対応が何より大切です。正しい姿勢で、これからも快適に動ける体を目指しましょう。
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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