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その他膝 整体で膝の痛みは改善する?その理論と受ける際の注意点

「最近、膝が痛くて歩くのがつらい」「病院に行くほどではないけれど、何か対策をしたい」そんな時に、「整体を受けてみようかな」と考えたことはありませんか?整体は身体のゆがみやバランスを整えることで痛みの改善を目指す施術法ですが、果たして膝の痛みに効果があるのでしょうか?本記事では、整体による膝痛改善の理論と、施術を受ける際に知っておきたいポイントについて解説します。
整体とは?その基本的な考え方
整体とは、主に手技を用いて骨格や筋肉のバランスを整える民間療法です。西洋医学の医療行為ではありませんが、身体のゆがみや姿勢の崩れが痛みや不調につながるという考えに基づき、関節や筋肉、筋膜にアプローチします。
整体師は国家資格ではなく、整体院ごとに施術の内容や技術には大きな差があります。そのため、施術者の知識や経験がとても重要です。
膝の痛みはなぜ起こるのか?
膝の痛みの原因は多岐にわたりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
- 加齢や使いすぎによる軟骨のすり減り(変形性膝関節症)
- スポーツや転倒による靭帯・半月板の損傷
- 筋力低下や姿勢不良による関節への負担
- O脚やX脚といった骨格の変形
- 股関節や足関節の機能低下に伴う膝への代償的な負担
これらのうち、「関節自体の構造的な異常」がある場合は、整形外科的な治療が必要になります。一方で、「周囲の筋肉や関節の使い方の問題」が原因の場合、整体によるアプローチが有効になることもあります。
整体が膝の痛みにアプローチする仕組み
整体では、膝だけでなく骨盤や股関節、足首など全身のバランスを見ながら施術が行われます。例えば、
- 骨盤がゆがんでいると、膝関節にかかる体重のバランスが崩れ、痛みにつながる
- 太ももの前後の筋肉の柔軟性に差があると、膝の動きに悪影響を及ぼす
- 足首が硬いと、歩行時に膝が必要以上に動いて負担になる
といったように、膝以外の部位が原因で膝に痛みが出ることも多くあります。整体では、これらの「根本原因」に着目して調整を行うことで、膝の負担軽減を目指します。
整体のメリットと限界
整体のメリットは、全身のバランスに着目することで、膝だけにとらわれず根本的な原因の改善を目指せる点です。また、施術自体が比較的リラックスできるものであるため、「薬に頼らず痛みを改善したい」という方にも向いています。
しかし、整体には限界もあります。例えば、
- 半月板損傷や軟骨の高度なすり減りなど、構造的な損傷が原因の痛みには根本的な改善は難しい
- 整体師によって技術に差があり、場合によっては状態を悪化させるリスクもある
- 医学的な診断ができないため、病気の見逃しが起こる可能性がある
特に、膝が腫れている、熱を持っている、夜間にズキズキ痛むといった症状がある場合は、まず整形外科での受診が必要です。
整体を受ける際の注意点
膝の痛みで整体を検討する際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 医師の診断を受けたうえで施術を受けること
まずは整形外科での診断を受けて、関節に損傷がないか確認することが大切です。診断の結果、保存療法が可能な範囲であれば、補助的に整体を取り入れるのも選択肢です。 - 「治る」と断言する整体院は避ける
膝の痛みの原因はさまざまで、「必ず治る」と言い切ることはできません。誇大な広告や説明に注意しましょう。 - 国家資格保持者の施術か確認する
柔道整復師や理学療法士などの国家資格を持つ施術者のいる院であれば、より安心して受けられます。 - 効果が見られない場合は早めに中止する
数回受けても効果がない場合、他の治療法を検討したほうがよいケースもあります。だらだらと通い続けるのは避けましょう。
再生医療という新たな選択肢も
近年では、膝の痛みに対して再生医療(PRP療法や幹細胞治療)といった選択肢も注目されています。関節の自然治癒力を高めるこれらの治療は、整体では対応できない関節内の損傷にも効果が期待されます。整体と併用することで、相乗効果が得られる場合もありますので、治療の選択肢として知っておくことは大切です。
まとめ
整体は膝の痛みに対して有効な場合もありますが、すべての痛みに効くわけではありません。まずは整形外科で原因を明らかにし、その上で安全に整体を活用しましょう。また、整体に限らず、再生医療や運動療法など、症状に応じた治療を選択することが大切です。膝の痛みと正しく向き合い、無理なく健康的な毎日を取り戻しましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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