治療電話相談はこちら

0120-117-560

【電話受付時間】月〜金/9:00〜16:30(年末年始休診)

メニュー

COLUMN

ひざ裏の痛みの原因は何?ピンと張る違和感やしこりの正体と解消法を専門医が解説

ひざ裏の痛みの原因は何?ピンと張る違和感やしこりの正体と解消法を専門医が解説

階段を上り下りするときに、ふとした拍子にひざの裏側がピンと張る。 正座をしようとすると、ひざ裏にボールが挟まっているような、何とも言えない圧迫感がある。 あるいは、お風呂の中でひざを触っていたら、裏側にぷにぷにとした「しこり」を見つけて不安になった。

そんな経験はありませんか?

私は整形外科の専門医として、日々、関節の悩みを抱える多くの患者さんと向き合っています。当院に来られる50代から80代の患者さんの中で、実はとても多いのが、この「ひざ裏」にまつわるお悩みです。

多くの方は「ひざが痛い=お皿や内側が痛いもの」と思われています。そのため、ひざの裏側に痛みや違和感が出ると、どうしていいかわからず、とりあえず湿布を貼って様子を見たり、「もう歳だから仕方ない」と諦めてしまったりしがちです。

しかし、ひざ裏の痛みは、あなたの体が発している大切なサインです。適切な知識を持ち、正しい対処を始めることで、その重苦しい痛みや違和感はきっと楽になります。この記事では、医療用語を噛み砕いて、ひざ裏の痛みの正体とその解決策を、まるで診察室でお話しするように丁寧にお伝えしていきます。

ひざ裏が痛むのはどんなとき?よくある症状と場面

ひざ裏の痛みといっても、その感じ方は人それぞれです。まずは、あなたがどんな場面で困っているか、当てはまるものを思い浮かべてみてください。

ひざを深く曲げたときの圧迫感

和室での生活や、お葬式、お稽古ごとなどで正座をしようとした際、ひざの裏に「何かが詰まっている感じ」がして曲げきれないという方が多くいらっしゃいます。無理に曲げようとすると、ひざの裏側からじわじわと痛みが出てくるのが特徴です。

ひざをしっかり伸ばしたときの痛み

逆に、歩いているときや立ち上がるときにひざをピンと伸ばすと、ひざ裏が突っ張るように痛むこともあります。特に、一歩目を踏み出したときや、坂道を下っているときに強く感じることが多いようです。

階段の上り下りでの違和感

階段を一段ずつ昇る際、ひざ裏の筋肉がグッと引き伸ばされるような感覚や、力が入らないような不安感を覚えることがあります。これは、ひざを支える後ろ側の組織に負担がかかっている状態です。

夜、寝ているときや朝起きたとき

「じっとしていれば痛くないはずなのに、布団の中で足を伸ばすとひざ裏が重だるい」「朝起きたとき、ひざ裏が固まっていて、動き出すまで時間がかかる」というお悩みもよく伺います。

これらの症状は、ひざの中で起きている何らかの変化が、裏側のスペースを圧迫したり、筋肉を緊張させたりしているために起こります。

ひざ裏の痛みの原因:医学的な背景をわかりやすく解説

なぜひざの裏側が痛くなるのでしょうか。ひざの構造を「家」に例えるなら、ひざの裏側は「配線や配管が通る裏口」のような場所です。ここには大切な血管や神経、そして筋肉の束が集まっています。そのため、関節の中にトラブルが起きると、その影響が裏口にまで及んでしまうのです。

主な原因として考えられるものを詳しく見ていきましょう。

ベーカー嚢腫(のうしゅ):ひざ裏の「水たまり」

ひざ裏の痛みの原因として、まず挙げられるのが「ベーカー嚢腫」です。ひざの関節は、動きを滑らかにするために「関節液」という潤滑油のような液で満たされています。

関節の中で炎症が起きると、この液が異常にたくさん作られてしまいます。いわゆる「ひざに水が溜まった」状態です。この行き場を失った液が、ひざ裏にある袋(滑液包)に漏れ出し、風船のように膨らんでしまったものがベーカー嚢腫です。これが神経や筋肉を圧迫するため、曲げにくさや痛みを感じるようになります。

変形性膝関節症(へんけいせいしざかんせつしょう)

「軟骨がすり減る病気」として有名ですが、実はひざの裏側にも大きく関係しています。加齢などによって軟骨がすり減り、関節の中に細かな「削りカス」が出ると、それが刺激となって炎症が起きます。

炎症が起きると、ひざを守ろうとして周囲の筋肉がカチカチに硬くなります。特にひざを後ろから支える筋肉(ひざ窩筋など)が緊張することで、ひざ裏に痛みや張りを感じるようになるのです。お皿の周辺だけでなく、関節全体が悲鳴を上げている状態といえます。

反張膝(はんちょうしざ):ひざの伸ばしすぎ

歩いているときにひざが後ろ側に「カクン」と入りすぎてしまう癖がある方を「反張膝」と呼びます。ひざをピンと伸ばしすぎるため、ひざ裏の靭帯や筋肉がつ常に引き伸ばされ、ダメージが蓄積して痛みにつながります。

筋肉の柔軟性低下

ひざ裏には、太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)と、ふくらはぎの筋肉が合流しています。加齢とともにこれらの筋肉の柔軟性が失われると、まるで「短いゴム」のようになってしまい、少し動かしただけでもひざ裏が無理やり引っ張られて、痛みが生じるようになります。

病院で行われる治療法と対策

ひざ裏の痛みを解消するために、医療現場ではどのようなことが行われるのでしょうか。「手術をしなければいけないのでは?」と不安になる方も多いですが、実際には「保存療法」といって、体に負担の少ない方法から始めることがほとんどです。

診断と検査

まずは、レントゲンで骨の状態を確認します。ただし、先ほどお話しした「ベーカー嚢腫」や筋肉のトラブルは、レントゲンだけでは見えにくいことがあります。そのため、超音波(エコー)検査を用いて、ひざ裏に水が溜まっていないか、筋肉がどの程度硬くなっているかを詳しく調べます。

関節注射(ヒアルロン酸など)

関節の中の潤滑油が不足している場合、ヒアルロン酸などの関節注射を行うことがあります。これにより関節の動きが滑らかになり、炎症が抑えられることで、結果としてひざ裏の張りが取れていくことがよくあります。

水を抜く処置

ベーカー嚢腫が大きくなり、圧迫感が強い場合には、細い針を使って溜まった液を抜き取ります。溜まっていたものがなくなるため、その場で「ひざが曲げやすくなった!」と喜ばれる患者さんも多い治療です。

物理療法とリハビリテーション

電気を当てたり温めたりして血行を良くする物理療法や、専門の理学療法士によるリハビリも非常に有効です。固まってしまったひざ裏を優しくほぐし、正しい歩き方を身につけることで、再発を防ぎます。

自宅で取り組める予防法とセルフケア

病院での治療と並行して、ご自宅でもできる工夫はたくさんあります。今日から始められる簡単なセルフケアをご紹介します。

「ひざ裏のばし」ストレッチ

硬くなったひざ裏の筋肉を、安全にほぐす方法です。

  1. 椅子に浅く腰掛け、片方の足を前に伸ばします。
  2. かかとを床につけ、つま先を天井に向けます。
  3. 両手を伸ばした方のひざの上に添え、ゆっくりと体重をかけながらひざを伸ばします。
  4. ひざの裏側が「痛気持ちいい」と感じるところで20秒キープします。
  5. 左右3回ずつ、呼吸を止めずに行いましょう。

これを毎日続けることで、筋肉の柔軟性が戻り、歩行時の痛みが軽減されます。

お風呂での温熱ケア

急に腫れて熱を持っているとき以外は、ひざ裏は「温める」のが基本です。湯船にゆっくり浸かり、筋肉の深くまで温めることで、血行が促進されます。お風呂の中で、手のひらを使ってひざの裏を優しく包み込むようにさするだけでも、リラックス効果があり、痛みの緩和につながります。

生活環境の見直し

ひざを深く曲げる動作は、ひざ裏への負担が大きいです。 床に座る生活(和室など)から、椅子やベッドを使う洋式の生活へ切り替えるだけでも、ひざの負担は劇的に減ります。また、底の硬すぎる靴や、かかとがすり減った靴は避け、クッション性の高いウォーキングシューズを選ぶようにしましょう。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

よくある質問・誤解への回答

診察室で患者さんからよくいただく質問にお答えします。

Q1. ひざ裏に痛みがあるときは、歩かない方がいいですか?

A. 痛みで動けないほどでなければ、無理のない範囲で歩くことをお勧めします。 「痛いから」と全く動かさないでいると、関節を支える筋力が落ち、さらに関節が固まってしまうという悪循環(廃用症候群)に陥ります。痛みが強くない日は、家の中で少し多めに動く、近所を短時間散歩するなど、活動性を保つことが回復への近道です。

Q2. ひざ裏のしこりは、揉んで潰しても大丈夫ですか?

A. 絶対に自己判断で強く揉んだり、押し潰そうとしたりしないでください。 ベーカー嚢腫だった場合、無理な圧力をかけると中で炎症が広がり、激しい痛みや腫れを引き起こすことがあります。また、しこりには別の原因が隠れていることもありますので、まずは専門医の診断を受け、適切な処置を受けてください。

Q3. 「歳だから治らない」と言われましたが、希望はありますか?

A. もちろん、改善の希望は十分にあります。 確かに加齢による変化は誰にでも起こりますが、それは「痛みと付き合い続けなければならない」という意味ではありません。適切な治療やセルフケア、筋力トレーニングによって、痛みをコントロールし、以前のように活動的な生活を取り戻している80代、90代の方はたくさんいらっしゃいます。「もう遅い」ということはありません。

まとめ:あなたのひざは、もっと楽になれます

ここまで、ひざ裏の痛みの原因と対処法についてお話ししてきました。

ひざ裏の違和感や痛みは、決して特別なことではありません。多くの50代から80代の方が通る道であり、そして多くの方が改善へと向かっている道でもあります。

「正座ができないのは年齢のせい」 「階段が辛いのは運動不足のせい」

そうやって自分を責めたり、諦めたりしないでください。まずはひざ裏が痛む原因を知り、専門医と一緒に一歩ずつ対策を始めていくことが大切です。

もし今、あなたが痛みで大好きな散歩を控えたり、外出をためらったりしているのなら、ぜひ一度整形外科の門を叩いてみてください。私たち専門医は、あなたが再び笑顔で歩き出せるよう、全力でサポートいたします。

あなたのひざが軽やかになり、心まで弾むような毎日が戻ってくることを願っています。

次の一歩としてお勧めすること まずは、今日お伝えした「椅子のストレッチ」を、お風呂上がりに1回だけ試してみることから始めてみませんか?

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

CONTACT

ひざ関節の痛みに完全特化!

治療電話相談はこちら

【電話受付時間】月〜金/9:00〜16:30(土日祝休診)

各種ご相談やご予約はこちら

  • ひざの痛みに関する相談
  • セカンドオピニオンの相談
  • 再生医療に関する相談
  • MRI検査のご予約