
コラム COLUMN
膝 膝の痛みを和らげるサポーターの選び方と正しい使い方

「最近、歩くとひざが痛む」「立ち上がる時にひざがつらい」
そんな時、頼りになるのが「ひざ用サポーター」です。
関節の負担を軽くし、痛みを和らげてくれるアイテムとして、日常生活や運動時に広く活用されています。
しかし、サポーターには多くの種類があり、「どれを選べばいいの?」「つけ方は正しいの?」と迷う方も少なくありません。
この記事では、整形外科専門医の視点から、膝のサポーターの正しい選び方と使い方について、わかりやすく解説していきます。
ひざ用サポーターの役割とは?
サポーターは、ひざ関節を適度に固定し、動きをサポートすることで、痛みの軽減や関節の安定化に役立ちます。
また、保温効果によって血行を促進し、炎症の緩和にもつながるとされています。
とくに以下のようなケースで効果が期待できます。
- 軽度〜中程度の変形性ひざ関節症
- ひざの内側や外側の靱帯損傷(保存療法中)
- 半月板損傷による不安定感
- 運動時のひざのぐらつきや痛みの予防
- 加齢による筋力低下や立ち座り時の補助
ただし、骨折や重度の変形がある場合は、サポーターだけでは不十分なこともあります。自己判断で使う前に、整形外科医の診断を受けることが重要です。
自分に合ったサポーターの選び方
ひざ用サポーターと一口にいっても、素材や形状、サポート力によってさまざまな種類があります。選ぶ際には以下のポイントを押さえましょう。
1. 目的に合ったタイプを選ぶ
- 保温・軽度サポート型:加齢による軽い痛みや冷え対策に。伸縮性のある素材で装着感がソフト。
- 締め付け・中度固定型:ひざの内側・外側の痛み、軽度の変形に。ベルト付きで圧迫力を調整できる。
- 強力固定型:スポーツ中の再発予防や靱帯損傷後のリハビリに。金属やプラスチックの支柱入りでがっちりサポート。
2. サイズとフィット感
サポーターはサイズが合っていないと、効果を発揮できないばかりか、かえって血流を悪くして痛みを悪化させることもあります。
購入前には、ひざ周りのサイズを測り、メーカーが推奨するサイズ表を必ず確認しましょう。
3. 装着のしやすさ・蒸れにくさ
日常的に使う場合は、脱ぎ着のしやすさや通気性も重要なポイントです。長時間つける人ほど、素材選びにもこだわると快適です。
サポーターの正しい使い方と注意点
サポーターを効果的に使うためには、以下のポイントを意識しましょう。
1. 痛みの出やすい場面で使う
サポーターは常に装着する必要はありません。
「長時間歩くとき」「階段を上り下りするとき」「外出やスポーツをする時」など、負担がかかるタイミングで使うのが基本です。
2. 長時間の使用は避ける
長くつけすぎると、筋肉がサポートに依存してしまい、筋力低下を招くおそれがあります。
1日中つけっぱなしではなく、使用時間を区切ることが大切です。
3. 就寝時の使用は基本NG
眠っている間は無意識に血流が滞りやすくなるため、就寝中の使用は避けましょう。
例外的に医師の指示がある場合は、その通りに使用してください。
4. 痛みが悪化する場合はすぐ中止を
装着後にかえって痛みが強くなったり、皮膚にかゆみや赤みが出る場合は、すぐに使用を中止し、専門医に相談を。
サポーターは治療ではなく「補助具」
サポーターはあくまでも「痛みを軽減するサポートアイテム」です。
根本的な治療には、運動療法や生活習慣の改善、必要に応じた再生医療などの専門的な対応が必要になります。
当院では、変形性膝関節症や半月板損傷などに対する再生医療(PRP・幹細胞治療)も行っており、サポーターと併用しながら段階的な症状改善を図っています。
まとめ
ひざの痛みがあるとき、正しいサポーターの使用は日常生活を快適にしてくれる強い味方です。
ただし、間違った選び方や使い方は、逆効果になることもあるため注意が必要です。
自分に合ったサポーターを見つけて、うまく活用しながら、ひざの健康を守っていきましょう。
気になる症状がある方は、ぜひ専門医の診察を受けてみてください。


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