
コラム COLUMN
膝 関節痛と天気の関係|気圧の変化でひざが痛くなる理由とは?

「雨の日や台風の前になると、ひざの関節が痛む気がする…」
こんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実はこれは「気象病」や「天気痛」とも呼ばれる現象で、気圧の変化と関節の痛みには密接な関係があります。
本記事では、なぜ天気が悪くなるとひざが痛くなるのか、その原因と対策について、整形外科専門医の視点からわかりやすく解説していきます。
なぜ天気が悪くなると関節が痛むのか?
まず知っておきたいのは、「気圧の低下」が身体に与える影響です。
天気が崩れる前や台風が近づくと、気圧が下がります。この気圧の変化は、私たちの体内にも微妙な変化をもたらします。
とくに関節内には「関節包」と呼ばれる袋状の構造があり、その中には滑液という潤滑液が満たされています。気圧が下がるとこの関節包がわずかに膨張し、関節内圧が変化するため、違和感や痛みを感じやすくなります。
また、気圧の変化は自律神経にも影響します。交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで、筋肉が緊張しやすくなり、血流も悪くなるため、痛みの感受性が高まると考えられています。
どんな人が影響を受けやすい?
気圧による関節痛は、すべての人に起こるわけではありません。以下のような方が特に影響を受けやすい傾向にあります。
- 変形性ひざ関節症など、関節に慢性的な問題を抱えている方
- 女性や高齢者など、ホルモンバランスや筋力低下がある方
- 過去に関節のけがや手術歴がある方
- 低気圧のたびに頭痛やめまいなどを感じやすい方
これらに当てはまる方は、天気の変化を敏感に感じ取り、関節痛として現れやすいのです。
痛みを和らげるためのセルフケアと対策
気圧の変化を止めることはできませんが、痛みを和らげるための工夫は可能です。以下の方法を試してみてください。
1. 関節を温める
冷えは痛みを悪化させる要因です。気温の低い日や雨の日は、ひざをカイロやサポーターなどで温めることで痛みが緩和されることがあります。
2. 軽いストレッチや運動
無理のない範囲で関節を動かすことにより、血流を促進し、関節内の滑液循環も改善します。
3. 規則正しい生活で自律神経を整える
睡眠不足やストレスは、自律神経の乱れを引き起こし、痛みに敏感になります。十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけましょう。
4. 天気アプリを活用して予防的にケア
最近では「気圧予報アプリ」も登場しており、あらかじめ気圧の変化を予測してセルフケアの準備をすることも有効です。
痛みが続く場合は医療機関へ
気圧による関節痛は一時的なものもありますが、「ただの天気のせい」と思い込んで慢性の関節疾患を放置してしまうケースも少なくありません。
変形性関節症や関節リウマチ、半月板損傷などが背景にあることもあるため、痛みが頻繁に出る場合や日常生活に支障がある場合は、整形外科を受診しましょう。
当院では、再生医療(PRP治療や幹細胞治療)といった最新の治療法も導入しており、痛みの根本改善を目指す治療をご提案しています。
まとめ|天気痛に振り回されない生活を
天気の変化と関節の痛みには確かに関係があります。しかし、適切な知識と対策を取ることで、症状をコントロールすることは十分可能です。
「また雨か…」と落ち込むのではなく、できることから少しずつ始めてみましょう。
そして、気になる症状がある方は、ぜひ一度専門医にご相談ください。


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