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階段を降りるとき膝が痛む原因と対策を再解説 - 札幌ひざのセルクリニック|変形性膝関節症・手術しない膝治療

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階段を降りるとき膝が痛む原因と対策を再解説

階段を降りるとき膝が痛む原因と対策を再解説

階段を下りるとき、膝にズキッとした痛みが走り、思わず手すりを握りしめてしまった経験はありませんか。「もう年だから仕方ない」と見過ごしがちですが、その痛みは放置してはいけない、体からの重要なサインかもしれません。

実は、階段を下りる動作は膝に体重の5倍もの衝撃を与えています。この負担が、知らず知らずのうちに関節の軟骨をすり減らし、痛みを引き起こしているのです。痛みは、変形性膝関節症といった病気の初期症状である可能性も考えられます。

この記事では、膝の痛みが起こる医学的なメカニズムから、ご自身でできる重症度チェック、そして今日から始められる具体的な対策までを詳しく解説します。痛みの原因を正しく理解し、諦めていた趣味や旅行を楽しめる快適な毎日を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。

階段の下り膝痛の真実 原因と医学的メカニズム

階段を下りるとき、膝にズキッとした痛みを感じて、不安になった経験はありませんか。

「もう年だから仕方ない」と見過ごしがちですが、その痛みは体からの大切なサインかもしれません。

日常生活の何気ない動作である階段の下りは、私たちが想像する以上に膝に大きな負担をかけています。

ここでは、なぜ階段の下りで膝が痛むのか、その医学的な仕組みと、痛みの裏に隠れている可能性のある原因について、わかりやすく解説していきます。

下り階段で膝に大きな負担がかかる理由

階段を下りるという動作は、平らな道を歩くときとは全く異なります。

実は、膝の関節には体重の5倍もの大きな力がかかるといわれています。

この衝撃を和らげるために、私たちの体は太ももの前側にある大きな筋肉「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」を使っています。

この筋肉がブレーキのように働くことで、体が前に倒れすぎないようにスピードを調整し、着地時の衝撃を吸収しているのです。

しかし、加齢や運動不足によって大腿四頭筋の筋力が低下すると、このブレーキ機能がうまく働かなくなります。

その結果、衝撃を十分に吸収しきれず、膝関節の中にある軟骨や、クッションの役割をする半月板(はんげつばん)に直接的な負担がかかり、痛みを引き起こすのです。

実際に、膝の手術後に行われる運動療法(リハビリテーション)が、筋力や関節の動かせる範囲を改善し、体の機能的なパフォーマンスを高めるのに役立つことが多くの研究でわかっています。

膝の痛みを予防・改善するためには、膝を支える筋肉の働きが非常に重要です。

膝痛を引き起こす主要な疾患と症状

階段を下りるときの膝の痛みは、単なる筋力低下だけでなく、膝の病気が原因となっている場合もあります。

痛みを伴う代表的な病気には、以下のようなものがあります。

  • 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう) 加齢などによって関節の軟骨がすり減り、骨が変形してしまう病気です。 初期症状は、立ち上がりや歩き始めなど、動き始めるときの痛みです。 進行すると、階段の下りのような膝に負担がかかる動作で強い痛みを感じるようになります。
  • 半月板損傷(はんげつばんそんしょう) 膝関節の中でクッションの役割を果たしている半月板という軟骨組織が、傷ついたり割れたりする状態です。 膝を動かしたときに、引っかかるような感じや「ロッキング」といって、急に膝が動かなくなる症状が出ることがあります。
  • 膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう) 膝のお皿の骨(膝蓋骨)と、太ももの骨(大腿骨)の間にある軟骨がすり減る病気です。 特に階段の下りや椅子から立ち上がるときなど、膝を深く曲げる動作で痛みが出やすいのが特徴です。

これらの痛みを我慢して放置してしまうと、関節が硬くなり動きが悪くなる「拘縮(こうしゅく)」という状態に進むことがあります。

研究においても、膝の病気のあとに関節が固まってしまうと、痛みや日常生活での不便さが悪化することが指摘されています。

関節の動かせる範囲が狭くなると、さらに痛みが悪化する可能性があるため、早めに原因を突き止めて対処することが大切です。

膝の異音「ポキポキ」「ゴリゴリ」の正体

階段を上り下りするときに、膝から音が鳴って心配になる方もいるでしょう。

膝から鳴る音には、あまり心配のいらないものと、注意が必要なものがあります。

音の種類音の表現考えられる原因
生理的な音ポキッ、パキッ関節の中にある液体(関節液)の中で、気泡が弾ける音です。痛みや腫れがなければ、基本的には心配いりません。
注意が必要な音ゴリゴリ、ギシギシ、ジャリジャリ関節軟骨がすり減り、骨と骨がこすれあっている可能性があります。変形性膝関節症などが考えられます。

一番大切なのは、音が鳴るときに痛みを伴うかどうかです。

「ゴリゴリ」という鈍い音とともに痛みがある場合は、関節軟骨が傷ついているサインかもしれません。

また、半月板損傷があると、膝の引っかかり感とともに音が鳴ることもあります。

痛みや腫れ、動かしにくさを伴う音は、膝の内部で何らかの問題が起きている可能性を示していますので、一度専門医に相談することをおすすめします。

自覚症状からわかる重症度のセルフチェック

ご自身の膝の痛みがどのくらいの状態なのか、病院に行くべきかどうかの目安として、簡単なセルフチェックをしてみましょう。

当てはまる項目が多いほど、専門医への相談が必要な可能性が高まります。

【危険度:低】 まずはセルフケアで様子を見ましょう

  •  階段を下りるときだけ、たまに軽い痛みがある
  •  痛みはすぐに治まり、日常生活に大きな支障はない
  •  膝に腫れや熱っぽさはない
  •  膝をまっすぐ伸ばしたり、深く曲げたりできる

【危険度:中】 整形外科の受診を検討しましょう

  •  階段を下りるたびに、必ず痛む
  •  平らな道を歩くときや、椅子から立ち上がるときにも痛むことがある
  •  膝が少し腫れている、または熱を持っている感じがする
  •  膝を動かすと「ゴリゴリ」という音と痛みがある

【危険度:高】 できるだけ早く整形外科を受診しましょう

  •  痛みが強くて、階段の上り下りがつらい
  •  何もしていない安静時にも膝がズキズキと痛む
  •  膝が目に見えて腫れている
  •  歩いているときに、急に膝の力が抜けてカクンとなる感じがする(膝折れ)

もし痛みが強い場合や腫れがある場合は、応急処置として患部を冷やす(アイシング)ことが有効です。

複数の研究をまとめた報告でも、冷却療法が痛みや腫れを和らげるのに役立つ可能性があるとされています。

ただし、これはあくまで一時的な対処法です。根本的な原因を解決するためには、専門家による正確な診断が不可欠です。

自宅でできる応急処置と専門医に相談すべき判断基準

階段を下りるたびに膝に痛みが走ると、どうすれば良いのかわからず不安になりますよね。

急な痛みに対して、まずはご自宅でできる応急処置があります。 しかし、セルフケアだけで様子を見ていて良いのか、病院に行くべきなのか、その判断はとても大切です。

痛みを我慢しすぎると、かえって膝の状態を悪化させてしまう可能性もあります。 ここでは、痛みを和らげるための具体的な方法と、専門医への相談を考えるべきサインについて、詳しく解説します。

痛みを和らげる即効性のあるセルフケア

急に膝が痛み出したとき、すぐに試せる応急処置を知っておくと安心です。 まずは、痛みのある部分を冷やして安静にすることから始めましょう。

  • アイシング(冷却) 氷のうや保冷剤などをタオルで包み、15分から20分ほど痛む部分に当てます。 特に、膝が腫れていたり、熱っぽく感じたりするときに有効です。 冷却療法は、痛みを和らげ、関節の腫れを軽減するのに役立つ可能性があると、複数の研究をまとめた報告でも示唆されています。 ただし、冷やしすぎると凍傷の恐れがあるため、直接肌に当てるのは避けてください。
  • 安静 痛みが強い間は、無理に動かず、膝に負担のかからない楽な姿勢で休みましょう。 ソファに座って脚をクッションの上に乗せるなど、心臓より少し高くすると楽になることがあります。
  • 膝周りの筋肉を優しくほぐす 痛みが少し落ち着いてきたら、膝の周りや太ももの筋肉を優しくほぐすのも良いでしょう。 筋肉の緊張が和らぎ、血行が促進されることで痛みの緩和が期待できます。 いくつかの研究では、膝のマッサージが痛みを和らげるのに役立つことが示唆されています。 ただし、痛みのある場所を直接強く押したり、腫れがひどい時に行うのは避けましょう。

これらの方法はあくまで一時的な対処法です。 痛みが続く場合は、自己判断で済ませず、専門家へ相談することが大切です。

膝に優しい階段の安全な上り下り方

毎日の生活で避けられない階段の上り下りも、少しの工夫で膝への負担を大きく減らすことができます。 痛みを悪化させないために、ぜひ今日から試してみてください。

【階段を上るとき】痛くない方の足から上がる

  1. 手すりを持ち、体を安定させます。
  2. 痛くない方の足を、先に上の段に乗せます。
  3. その足に体重をかけて体を持ち上げ、次に痛い方の足をそろえます。

こうすることで、体を持ち上げる力仕事(推進力)を、元気な方の足に任せることができます。

【階段を下りるとき】痛い方の足から下りる

  1. 必ず手すりを使い、体をしっかり支えます。
  2. 痛い方の足を、先に下の段へそっと下ろします。
  3. 上の段に残った痛くない方の足で、体重をゆっくり支えながら体を下ろします。

下りるときは体重の数倍の衝撃がかかるため、この衝撃吸収というブレーキ役を、痛くない方の足に担当させることがポイントです。

「上りは元気な足から、下りは痛い足から」というルールを覚えておくだけでも、膝の負担は大きく変わります。

病院受診を検討すべき症状と期間

セルフケアを続けても痛みが改善しない場合や、特定の症状が見られる場合は、早めに専門医に相談することが重要です。 痛みは、体からの危険信号です。放置することで、原因となっている病気が進行してしまう可能性があります。

【こんな症状があったら病院へ:受診の目安チェックリスト】

  •  2〜3日安静にしていても痛みが引かない、または悪化している
  •  階段だけでなく、平らな道を歩いたり、椅子から立ち上がったりする時も痛む
  •  膝が赤く腫れている、または触ると熱っぽい感じがする
  •  膝の曲げ伸ばしがしにくい、または動かすと「ゴリゴリ」と音がする
  •  歩いているときに、膝がカクンと折れるような「膝折れ」が起きる
  •  痛みで夜眠れなかったり、夜中に目が覚めてしまったりする

これらのサインは、変形性膝関節症や半月板損傷など、治療が必要な病気が隠れている可能性を示しています。 症状が軽いうちに受診することで、治療の選択肢も広がり、回復も早まることが期待できます。

整形外科や専門医の探し方と選び方

膝の痛みで病院へ行く場合、まずは「整形外科」を受診しましょう。 整形外科は、骨や関節、筋肉など運動器の病気を専門とする科です。 整骨院や接骨院とは異なり、医師による診察、レントゲンなどの検査、薬の処方、注射、手術といった医療行為が受けられます。

【信頼できるクリニック・医師を選ぶための3つのポイント】

  1. 専門分野を確認する 医師にもそれぞれ得意な分野があります。 病院のホームページなどで、「膝関節外科」や「スポーツ整形外科」を専門としている医師がいるか確認してみましょう。
  2. リハビリテーションの充実度 膝の治療では、運動療法などのリハビリテーションが非常に重要です。 理学療法士が在籍し、リハビリ施設が整っているかどうかも大切なポイントです。
  3. 分かりやすく説明してくれるか ご自身の症状や治療方針について、専門用語ばかりでなく、分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれる医師を選びましょう。 あなたの不安や希望に耳を傾け、一緒に治療計画を考えてくれる姿勢が大切です。

いくつかの研究では、患者さん自身が症状や治療について学び、自己管理していくことが治療成果を高めることが示されています。 信頼できる医師や理学療法士と協力し、自分に合った治療を進めていくことが、痛みの根本的な改善につながります。

根本改善へ導く治療選択肢と痛みに負けない生活

階段を下りるたびに走る膝の痛みは、本当につらいものです。 「このまま歩けなくなったらどうしよう」と不安に思うかもしれません。 好きだった旅行や趣味を諦めてしまうのは、とても悲しいことです。

しかし、どうか安心してください。 現在の医療には、痛みの原因に合わせた様々な治療法があります。 ご自身の膝の状態を正しく知り、適切な治療を選ぶことが大切です。 生活習慣を見直せば、痛みを根本から改善することも可能です。 再び元気に活動的な毎日を取り戻すことは、決して夢ではありません。

ここでは、痛みに負けないための具体的な治療の選択肢と、 生活を豊かにする工夫について、詳しく見ていきましょう。

薬物療法 注射 リハビリテーションの効果と注意点

膝の痛みを和らげる治療には、いくつかの段階があります。 まずは痛みを上手にコントロールすることが最初のステップです。 その上で、膝の本来の機能を取り戻すリハビリを行うのが一般的です。

  • 薬物療法  痛みを抑えるために、湿布や塗り薬、飲み薬が使われます。これらは膝の炎症を和らげ、つらい痛みを軽くする効果があります。ただし、飲み薬を長く使い続けると、胃腸に負担がかかることも。必ず医師の指示を守って、正しく使用することが大切です。
  • 注射療法  飲み薬などを使っても痛みが十分に良くならない場合に行います。関節の中に直接お薬を注射する治療法です。
    • ヒアルロン酸注射  関節の中の潤滑油のような成分を補充します。膝の動きを滑らかにし、軟骨を保護する働きが期待できます。
    • ステロイド注射  炎症をとても強力に抑える作用があります。強い痛みや腫れがある場合に、特に効果的です。ただし、頻繁に行うと軟骨を傷める可能性があるため、医師が間隔をきちんと管理して行います。
  • リハビリテーション  薬や注射は痛みを和らげる「対症療法」です。  痛みの根本的な改善と再発を防ぐためには、リハビリが欠かせません。理学療法士という専門家と一緒に、膝を支える筋力を鍛えます。また、関節が硬くならないように、動く範囲を広げる運動も行います。いくつかの研究をまとめた報告では、運動や体重管理、症状の管理方法を学ぶ「自己管理教育プログラム」が、  痛みの改善に有効であることが分かっています。また、専門家による膝のマッサージが痛みを和らげるのに役立つ、という研究報告もあります。
治療法主な目的メリット注意点
薬物療法痛みと炎症を抑える手軽に始められる長期使用には医師の管理が必要
注射療法強い痛みや炎症を抑える、関節の動きを助ける痛む場所に直接作用し、効果を感じやすい効果は一時的な場合があり、頻繁にはできない
リハビリテーション筋力や柔軟性を高め、膝を安定させる痛みの根本改善と再発予防につながる効果が出るまでに時間がかかり、続けることが大切

手術が必要なケースとその種類

薬やリハビリを続けても痛みが良くならず、 日常生活に大きな支障が出ている場合には、手術を考えます。 特に、変形性膝関節症が進んで軟骨がすり減ってしまった場合や、 半月板が大きく損傷している場合などが対象になります。 手術にはいくつか種類があり、年齢や膝の状態で最適な方法を選びます。

  • 関節鏡視下手術(かんせつきょうしかしゅじゅつ)  数ミリの小さな穴からカメラや器具を入れて、膝の中を治療します。  傷ついた半月板や軟骨をきれいに掃除する手術です。  傷が小さく体への負担が少ないため、回復が早いのが特徴です。
  • 高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)  O脚などで膝の内側に偏った体重のかかり方を修正する手術です。  すねの骨の一部を切って角度を変え、負担を均等に分散させます。  ご自身の関節を残せるため、比較的若い方や活動的な方に向いています。
  • 人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)  傷んでしまった関節の表面を、金属や樹脂でできた人工の関節に置き換えます。  痛みの原因を根本から取り除くため、痛みをなくす効果が非常に高い手術です。

どの手術でも、術後のリハビリが極めて重要です。 手術後に膝が固まってしまう「拘縮(こうしゅく)」を防ぐためです。 ある研究では、人工膝関節置換術後のリハビリについて、 時期に応じた内容が大切であることが報告されています。 術後12週以内は歩行など日常の動作を、12週以降は筋力や関節の 動く範囲を重点的に改善させることが、回復への鍵となります。

痛みで諦めていた趣味や旅行を再開する方法

「もう一度、友達と旅行に行きたい」 「趣味のガーデニングを心ゆくまで楽しみたい」 膝の痛みで諦めていた活動を再開することは、決して夢ではありません。 そのためには、目標に向かって計画的に準備を進めることが大切です。

【趣味や旅行を再開するための3ステップ】

  1. 専門家と具体的な目標を共有する  まずは主治医や理学療法士に、あなたの夢を話してみましょう。  「〇月に温泉旅行へ行きたい」など、具体的な目標を伝えます。  専門家が、その目標達成に必要な治療や筋トレ計画を一緒に立ててくれます。
  2. 段階的に活動のレベルを上げる  いきなり無理をするのは禁物です。  近所の散歩から始め、少しずつ距離や時間を延ばしていきましょう。  膝への負担が少ない水中ウォーキングもおすすめです。  研究でも、自分の状態に合わせて活動ペースを調整する方法を学ぶことが、  長期的な機能改善に役立つと報告されています。
  3. 道具や環境を工夫して負担を減らす  少しの工夫で、膝への負担は大きく減らせます。
     旅行  エレベーターを積極的に使い、荷物はキャリーケースを利用しましょう。
     ガーデニング  しゃがむ作業には、低い椅子やクッションを使いましょう。
     共通  膝用サポーターで安定感を高めたり、杖を使ったりするのも有効です。

焦らず、ご自身のペースで一歩ずつ進んでいくことが、 楽しみを取り戻す一番の近道です。

手術を避けたい方の再生医療について

「手術はなるべく避けたい」と考える方は少なくありません。 近年、そのような方の新しい選択肢として「再生医療」が注目されています。 これは、人間が本来持っている「自分で治す力」を利用する治療法です。 傷ついた組織の修復を後押しすることを目指します。

  • PRP(多血小板血漿)療法  ご自身の血液から、組織の修復を助ける「成長因子」という成分を  たくさん含んだ部分(PRP)を取り出します。  これを膝関節に注射することで、炎症を抑え、痛みを和らげます。
  • 幹細胞治療  ご自身の脂肪などから「幹細胞」という特別な細胞を取り出します。  この細胞は、体の様々な部品に変化できる能力を持っています。  培養して増やした後に膝へ注射し、軟骨の修復などを促します。

これらの再生医療は、ご自身の血液や細胞を使うのが特徴です。 そのため、アレルギーなどの心配が少ないという利点があります。 ただし、現在のところ健康保険が使えない自由診療です。 また、効果には個人差があることも知っておく必要があります。

ヒアルロン酸注射など従来の治療では効果が不十分だった方や、 手術以外の方法を強く希望される方は、一度、再生医療に詳しい 専門のクリニックで相談してみるのも良いでしょう。

まとめ

今回は、階段を下りるときのつらい膝の痛みについて、その原因からご自宅でできる対策、専門的な治療法まで詳しく解説しました。

「もう年だから…」と諦めてしまいがちなその痛みは、単なる加齢のせいではなく、膝からの大切なSOSサインかもしれません。

まずはご紹介した膝に優しい階段の上り下り方やセルフケアを試してみてください。それでも痛みが改善しない場合や、セルフチェックで不安な点があった場合は、決して我慢しないでください。

痛みの根本的な原因を突き止め、あなたに合った適切な治療を受ければ、再び快適な毎日を取り戻すことは可能です。一人で悩まず、まずは勇気を出して整形外科などの専門医に相談してみましょう。

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札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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